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*16:15JST プログリット Research Memo(5):サブスクサービスが英語コーチングサービスの成長を上回る
■業績動向
1. 2023年8月期の業績概要
プログリット<9560>の2023年8月期の業績は、売上高3,023百万円(前期比34.2%増)、売上総利益2,140百万円(同41.8%増)、営業利益497百万円(同52.5%増)、経常利益492百万円(同53.6%増)、当期純利益360百万円(同92.9%増)と、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。コロナ禍の行動制限の解除によりビジネスパーソンを中心に海外渡航機会が増加し、またコロナ禍以降海外とのWebコミュニケーションが定着するなかで、英語を本格的に使用するニーズが高まり、同社のサービス受講者数は着実に増加した。顧客数増加の動きを受けて2023年4月に上方修正した計画値も売上高で4.3%、営業利益で8.1%上回った。特に、サブスクサービスの売上高は前期比90.9%増の931百万円と大きく成長した。英語コーチングサービスの売上高も同18.6%増の2,092百万円と着実に積み上がっている。英語コーチングサービスにおけるコンサルタント稼働率の改善、英語コーチングサービスに比べて収益性の高いサブスクサービスの成長に伴い、売上総利益率は70.8%と同3.8pt上昇し、売上総利益は同630百万円増の2,140百万円となった。一方、サブスクサービスの拡大に伴い、業務委託していたエンジニアの社員化などの積極的な人員採用や、期末での決算賞与引当などの人材投資、認知度アップのために2023年8月に実施したJR車内での大型広告投資などにより、販管費も同38.8%増の1,643百万円となったが、これらのコスト増を吸収し、営業利益は同171百万円増加し、同約1.5倍の497百万円となった。
サービス別の2023年8月期四半期売上推移を確認すると、英語コーチングサービスの売上高の前年同四半期比伸び率は、第1四半期が7.5%、第2四半期は14.2%、第3四半期は22.1%、第4四半期は30.3%と、第3四半期からは、通期の伸び率18.6%を上回って成長している。これは、顧客数が増加するなかでコンサルタントの稼働率が100%を超え、第2四半期で平均受講待機期間が約2ヶ月半と長期化したため、第2四半期で9名、第3四半期で18名、第4四半期で10名とコンサルタントを採用し、供給力を拡大したことによる。
平均受講待機期間も第3四半期以降は約1ヶ月半まで改善した。待機期間は機会ロスを招く原因となりかねないが、同社では待機期間中に準備学習ができるように学習教材、学習方法などを無償で提供しており、待機期間を理由に受講しない顧客はほぼいない状態である。同社は、平均受講待機期間約1ヶ月半を適正な水準と捉えているが、これはコンサルタントの人数を確保して待機期間を短縮するよりも、優秀な人材による高いサービス品質の維持に重点を置いているためである。
コンサルタントに対しては、コンサルティングのベストプラクティスを共有する「BPS」、コンサルタントが抱える課題に対して仲間のコンサルタントがアドバイスする「CSアップ」、プロのコーチングスキルを身につけるコーチング研修など、継続的にスキルを向上できる仕組みを整えている。また、同社のコンサルタントは、こうした研修時間を含めても、ある程度時間に余裕を持てるように設定された顧客数を一律に担当しているため、生産性のばらつきが非常に少ない。
社内業務のDXなど効率化も進め、担当顧客数などの生産性も前期より改善している状況である。待遇面でも、2023年9月より英語コーチングサービスのコンサルタント、カウンセラーなど、約120名の給与を一律年50万円引き上げた。初年度年収をサービス業界の平均年収366万円を大きく超える450万円とした。さらに、教材、アプリにおいては、受験者が増大しているIELTS及びTOEFL iBT(R) TESTコースのカリキュラムを全面リニューアルしたほか、ChatGPTを活用した英語学習サポートサービス「プログリット先生」や、スピーチが文字起こしされると同時にSPM(1分間当たりの文章数)、WPM(1分間当たりの単語数)が表示される機能を付与した「プログリットスピーチチェッカー」をローンチし、アップデートを進めながら顧客満足度を高めている。
また、法人研修では、主に社内での選抜型研修や福利厚生の一環としての導入が進み、取引先企業数は2023年8月末で前年同月末比32社増の231社となった。第2四半期より、法人取引拡大に向けて新しい法人営業責任者を配置し、営業社員も倍増する組織改革を行っている。また同時に、資料作成の定型化や仕組み化、AIを用いた調査・訪問準備の効率化などにより、顧客訪問時間・機会を創出することで、1人当たり顧客接触量を2倍超に引き上げた。その結果、第1・2四半期の取引開始実績7社に対して、第3・4四半期は25社の取引開始を実現した。
一方、サブスクサービスの有料会員数は2023年8月期第4四半期で5,542名と前年同四半期比86.7%増と着実に成長し、月間売上高は1億円を突破した。第4四半期の売上高は2022年8月期第1四半期の約3.3倍、前年同期比の2倍以上の293百万円となり、通期の伸び率90.9%を上回って成長している。サブスクサービスは、添削結果の視認性向上、ディクテーションテスト機能や教材の追加など、アップデートを進めながら顧客満足度を上げてきており、累計添削数は100万件を突破し、教材数は1,000を超えた。当初は英語コーチングサービス卒業生の継続コースとして提供され、英語コーチングサービスの受講者数増加とともに成長してきたが、現在は単独サービスとしての成長スピードが上回っており、反対に、サブスクサービスから英語コーチングサービスへの集客の流れも作っている。
サブスクサービスの売上構成比は、2023年8月期第4四半期で32.8%と前年同四半期比8.8pt上昇した。2022年8月期第1四半期の16.1%と比較すると2倍以上に上昇しており、コンサルタントの人数に影響される英語コーチングサービスに比べて、成長スピードが速く、収益性が高いことが特徴として挙げられる。
2023年8月期第4四半期において、売上高は前年同四半期比47.4%増と、通期の伸び率34.2%を上回って成長している。売上総利益も同50.8%増と通期の伸び率41.8%を上回り、売上総利益率は70.3%と同1.6pt上昇した。収益性の高いサブスクサービスの売上構成比が上がったこと、コンサルタントの稼働率が改善したことなどが寄与しており、収益構造は安定的に推移している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2023年8月期の業績概要
プログリット<9560>の2023年8月期の業績は、売上高3,023百万円(前期比34.2%増)、売上総利益2,140百万円(同41.8%増)、営業利益497百万円(同52.5%増)、経常利益492百万円(同53.6%増)、当期純利益360百万円(同92.9%増)と、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。コロナ禍の行動制限の解除によりビジネスパーソンを中心に海外渡航機会が増加し、またコロナ禍以降海外とのWebコミュニケーションが定着するなかで、英語を本格的に使用するニーズが高まり、同社のサービス受講者数は着実に増加した。顧客数増加の動きを受けて2023年4月に上方修正した計画値も売上高で4.3%、営業利益で8.1%上回った。特に、サブスクサービスの売上高は前期比90.9%増の931百万円と大きく成長した。英語コーチングサービスの売上高も同18.6%増の2,092百万円と着実に積み上がっている。英語コーチングサービスにおけるコンサルタント稼働率の改善、英語コーチングサービスに比べて収益性の高いサブスクサービスの成長に伴い、売上総利益率は70.8%と同3.8pt上昇し、売上総利益は同630百万円増の2,140百万円となった。一方、サブスクサービスの拡大に伴い、業務委託していたエンジニアの社員化などの積極的な人員採用や、期末での決算賞与引当などの人材投資、認知度アップのために2023年8月に実施したJR車内での大型広告投資などにより、販管費も同38.8%増の1,643百万円となったが、これらのコスト増を吸収し、営業利益は同171百万円増加し、同約1.5倍の497百万円となった。
サービス別の2023年8月期四半期売上推移を確認すると、英語コーチングサービスの売上高の前年同四半期比伸び率は、第1四半期が7.5%、第2四半期は14.2%、第3四半期は22.1%、第4四半期は30.3%と、第3四半期からは、通期の伸び率18.6%を上回って成長している。これは、顧客数が増加するなかでコンサルタントの稼働率が100%を超え、第2四半期で平均受講待機期間が約2ヶ月半と長期化したため、第2四半期で9名、第3四半期で18名、第4四半期で10名とコンサルタントを採用し、供給力を拡大したことによる。
平均受講待機期間も第3四半期以降は約1ヶ月半まで改善した。待機期間は機会ロスを招く原因となりかねないが、同社では待機期間中に準備学習ができるように学習教材、学習方法などを無償で提供しており、待機期間を理由に受講しない顧客はほぼいない状態である。同社は、平均受講待機期間約1ヶ月半を適正な水準と捉えているが、これはコンサルタントの人数を確保して待機期間を短縮するよりも、優秀な人材による高いサービス品質の維持に重点を置いているためである。
コンサルタントに対しては、コンサルティングのベストプラクティスを共有する「BPS」、コンサルタントが抱える課題に対して仲間のコンサルタントがアドバイスする「CSアップ」、プロのコーチングスキルを身につけるコーチング研修など、継続的にスキルを向上できる仕組みを整えている。また、同社のコンサルタントは、こうした研修時間を含めても、ある程度時間に余裕を持てるように設定された顧客数を一律に担当しているため、生産性のばらつきが非常に少ない。
社内業務のDXなど効率化も進め、担当顧客数などの生産性も前期より改善している状況である。待遇面でも、2023年9月より英語コーチングサービスのコンサルタント、カウンセラーなど、約120名の給与を一律年50万円引き上げた。初年度年収をサービス業界の平均年収366万円を大きく超える450万円とした。さらに、教材、アプリにおいては、受験者が増大しているIELTS及びTOEFL iBT(R) TESTコースのカリキュラムを全面リニューアルしたほか、ChatGPTを活用した英語学習サポートサービス「プログリット先生」や、スピーチが文字起こしされると同時にSPM(1分間当たりの文章数)、WPM(1分間当たりの単語数)が表示される機能を付与した「プログリットスピーチチェッカー」をローンチし、アップデートを進めながら顧客満足度を高めている。
また、法人研修では、主に社内での選抜型研修や福利厚生の一環としての導入が進み、取引先企業数は2023年8月末で前年同月末比32社増の231社となった。第2四半期より、法人取引拡大に向けて新しい法人営業責任者を配置し、営業社員も倍増する組織改革を行っている。また同時に、資料作成の定型化や仕組み化、AIを用いた調査・訪問準備の効率化などにより、顧客訪問時間・機会を創出することで、1人当たり顧客接触量を2倍超に引き上げた。その結果、第1・2四半期の取引開始実績7社に対して、第3・4四半期は25社の取引開始を実現した。
一方、サブスクサービスの有料会員数は2023年8月期第4四半期で5,542名と前年同四半期比86.7%増と着実に成長し、月間売上高は1億円を突破した。第4四半期の売上高は2022年8月期第1四半期の約3.3倍、前年同期比の2倍以上の293百万円となり、通期の伸び率90.9%を上回って成長している。サブスクサービスは、添削結果の視認性向上、ディクテーションテスト機能や教材の追加など、アップデートを進めながら顧客満足度を上げてきており、累計添削数は100万件を突破し、教材数は1,000を超えた。当初は英語コーチングサービス卒業生の継続コースとして提供され、英語コーチングサービスの受講者数増加とともに成長してきたが、現在は単独サービスとしての成長スピードが上回っており、反対に、サブスクサービスから英語コーチングサービスへの集客の流れも作っている。
サブスクサービスの売上構成比は、2023年8月期第4四半期で32.8%と前年同四半期比8.8pt上昇した。2022年8月期第1四半期の16.1%と比較すると2倍以上に上昇しており、コンサルタントの人数に影響される英語コーチングサービスに比べて、成長スピードが速く、収益性が高いことが特徴として挙げられる。
2023年8月期第4四半期において、売上高は前年同四半期比47.4%増と、通期の伸び率34.2%を上回って成長している。売上総利益も同50.8%増と通期の伸び率41.8%を上回り、売上総利益率は70.3%と同1.6pt上昇した。収益性の高いサブスクサービスの売上構成比が上がったこと、コンサルタントの稼働率が改善したことなどが寄与しており、収益構造は安定的に推移している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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