イーレックス（9517）好業績株の見直し買いから再度上値を試す動き◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆

好業績株の見直し買いから再度上値を試す動き

【事業内容】
　電力小売事業を展開する独立系の新電力（PPS・特定規模電気事業者）企業で、高知県、大分県を足掛かりにバイオマス発電所を保有、2020年1月からは福岡県、岩手県でも発電所を新たに稼働。これらに続いて沖縄県で2021年7月、香川県で2023年度の運転開始が計画されている。
　一般家庭向けの低圧分野ではLPガス販社などとの提携拡充やエリア拡大が寄与し、企業、家庭向けともに拡大傾向が続く。また、足元では蓄電池事業への参入をにらみコタックグリーンエナジーとの資本業務提携を発表した。

【業績面】
　業績面においては5/13に本決算発表を行い、売上高は34.7％増収、営業利益は96.6％増益となり、ともに過去最高を更新。今期見通しは8.2％増収と上乗せを狙うも競争環境の激化や冷夏、暖冬等の季節要因による需要減などから収益環境は楽観視していない模様。また、新型コロナウイルス影響に伴う需要減や九州豪雨災害の影響もふまえつつ、今期は中期的な成長目標に沿って引き続き積極的な投資を継続させる見込み。

【株価動向】
　株価は3/13に安値1055円をつけた後、好業績期待を背景に5月にかけて急回復を見せたが、上記決算発表を機に失望売りから再び200日移動平均線を割り込む動きとなった。足元では1300円付近までの下値を調整して再び200日移動平均線付近での定着を図る。7/10付で光通信による大量保有の増加が発表されたほか、世界的に環境配慮への意識の高まりなどからESG投資拡大の恩恵も享受しそうだ。