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KADOKAWAのニュース
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
KADOKAWA<9468>の2019年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比190百万円増加の240,072百万円となった。内訳を見ると、流動資産で6,337百万円減少し、固定資産で6,527百万円の増加となっている。流動資産では、受取手形及び売掛金で2,794百万円、たな卸資産で1,987百万円それぞれ増加した一方で、自己株式取得等により現金及び預金が12,365百万円減少した。固定資産では、所沢プロジェクトの進捗等により有形固定資産が4,917百万円増加したほか、保有株式の時価上昇を主因として投資その他の資産が3,933百万円増加した。一方、ドワンゴでソフトウェア等の固定資産を減損したこと等により無形固定資産が2,323百万円減少した。
負債合計は前期末比5,907百万円増加の136,660百万円となった。主な増加項目は、未払法人税等で1,838百万円、前受金で986百万円、支払手形及び買掛金で793百万円等となっており、有利子負債については銀行借入の借り換えを行うなどして、119百万円増加の65,518百万円となっている。
純資産合計は前期末比5,716百万円減少の103,411百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失4,085百万円の計上や配当金支出1,348百万円により利益剰余金が5,434百万円減少したほか、自己株式取得3,000百万円が株主資本の減少要因となった。一方、保有株式の時価総額増加などによりその他の包括利益累計額が2,534百万円増加した。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2019年3月期末の現金及び現金同等物は前期末比11,284百万円減少の56,123百万円となった。営業キャッシュ・フローで5,864百万円の収入となったものの、投資キャッシュ・フローで、有形固定資産の取得(10,485百万円)及び無形固定資産の取得(2,978百万円)等により13,058百万円の支出となり、また、財務キャッシュ・フローでは自己株式の取得による支出(3,000百万円)、配当金の支払(1,348百万円)により4,236百万円の支出となった。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は前期末比2.5ポイント低下の42.2%、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)で同0.04上昇の0.65となった。所沢プロジェクトの投資や自己株取得等により現金及び預金は減少したものの、ネットキャッシュ(現金及び預金‐有利子負債)では80億円以上の黒字となっており、財務の健全性は保たれていると判断される。一方、収益性について見れば前述したようにWebサービス事業の収益悪化を主因に営業利益率で1.3%、ROAで1.8%、ROEで-3.9%といずれも低迷しており、今後の経営課題となっている。
なお、2019年3月期の設備投資はキャッシュベースで13,463百万円と期初計画の19,100百万円から減額されたが、主に個別プロジェクトの投資計画見直しやコスト削減に取り組んだことによるもので、所沢プロジェクトについては総額399億円の投資計画が予定どおり進んでいる。2020年3月期の設備投資計画は13,000百万円で、投資支出のピークは所沢プロジェクトによる新拠点が竣工する2021年3月期となる。このためフリーキャッシュ・フローがプラスに転じるのは2022年3月期以降になると予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 財務状況と経営指標
KADOKAWA<9468>の2019年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比190百万円増加の240,072百万円となった。内訳を見ると、流動資産で6,337百万円減少し、固定資産で6,527百万円の増加となっている。流動資産では、受取手形及び売掛金で2,794百万円、たな卸資産で1,987百万円それぞれ増加した一方で、自己株式取得等により現金及び預金が12,365百万円減少した。固定資産では、所沢プロジェクトの進捗等により有形固定資産が4,917百万円増加したほか、保有株式の時価上昇を主因として投資その他の資産が3,933百万円増加した。一方、ドワンゴでソフトウェア等の固定資産を減損したこと等により無形固定資産が2,323百万円減少した。
負債合計は前期末比5,907百万円増加の136,660百万円となった。主な増加項目は、未払法人税等で1,838百万円、前受金で986百万円、支払手形及び買掛金で793百万円等となっており、有利子負債については銀行借入の借り換えを行うなどして、119百万円増加の65,518百万円となっている。
純資産合計は前期末比5,716百万円減少の103,411百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失4,085百万円の計上や配当金支出1,348百万円により利益剰余金が5,434百万円減少したほか、自己株式取得3,000百万円が株主資本の減少要因となった。一方、保有株式の時価総額増加などによりその他の包括利益累計額が2,534百万円増加した。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2019年3月期末の現金及び現金同等物は前期末比11,284百万円減少の56,123百万円となった。営業キャッシュ・フローで5,864百万円の収入となったものの、投資キャッシュ・フローで、有形固定資産の取得(10,485百万円)及び無形固定資産の取得(2,978百万円)等により13,058百万円の支出となり、また、財務キャッシュ・フローでは自己株式の取得による支出(3,000百万円)、配当金の支払(1,348百万円)により4,236百万円の支出となった。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は前期末比2.5ポイント低下の42.2%、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)で同0.04上昇の0.65となった。所沢プロジェクトの投資や自己株取得等により現金及び預金は減少したものの、ネットキャッシュ(現金及び預金‐有利子負債)では80億円以上の黒字となっており、財務の健全性は保たれていると判断される。一方、収益性について見れば前述したようにWebサービス事業の収益悪化を主因に営業利益率で1.3%、ROAで1.8%、ROEで-3.9%といずれも低迷しており、今後の経営課題となっている。
なお、2019年3月期の設備投資はキャッシュベースで13,463百万円と期初計画の19,100百万円から減額されたが、主に個別プロジェクトの投資計画見直しやコスト削減に取り組んだことによるもので、所沢プロジェクトについては総額399億円の投資計画が予定どおり進んでいる。2020年3月期の設備投資計画は13,000百万円で、投資支出のピークは所沢プロジェクトによる新拠点が竣工する2021年3月期となる。このためフリーキャッシュ・フローがプラスに転じるのは2022年3月期以降になると予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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