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GMOペパボ Research Memo(1):EC関連サービスの再成長に向けた取り組みを推進、金融支援事業は飛躍期へ

配信元:フィスコ
投稿:2022/09/01 15:11
■要約

GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット上の表現活動を支えるインフラサービスに加えて、利用者同士をつなげるプラットフォームサービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」、ハンドメイドマーケットサービス「minne(ミンネ)」など。また、2019年より子会社でフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を開始している。なお、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、プライム市場に移行している。

1. 2022年12月期第2四半期累計の業績概要
2022年12月期第2四半期累計(2022年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比14.2%減の5,106百万円、営業利益で同45.9%減の248百万円となった。2022年12月期より収益認識会計基準等の適用(以下、新会計基準)を行っており、この影響により売上高で847百万円減少し、営業利益で30百万円増加している。前年同期を新会計基準で換算した場合の増減率は、売上高で3.5%増、営業利益で同45.2%減となる(以下、前年同期比伸び率は新会計基準比較で記載)。売上高はEC支援事業が巣ごもり需要の反動もあり前年同期比7.3%減と減少に転じたものの、ホスティング事業や金融支援事業の増収によりカバーした。特に、金融支援事業については提携先企業の拡大効果もあり、前年同期比2.3倍増と急成長した。一方、利益面ではEC市場の成長鈍化によりEC支援事業やハンドメイド事業が2ケタ減益となったことが響いた。特に、「SUZURI」に関して1.8億円を投下してテレビCMを実施するなど、プロモーションコストが前年同期比204百万円増加したことが利益の足かせ要因となった。

2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績は売上高で11,482百万円、営業利益で1,143百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で44.5%、営業利益で21.7%にとどまっているが、下期は「SUZURI」のテレビCM費用1.8億円が無くなるほか、ホスティング事業や金融支援事業の利益成長が見込まれること、人員採用を抑制するなど本社経費の削減に取り組むことなどで計画達成を目指していく。なお、金融支援事業については提携先企業が拡大していることもあって、請求書買取額が右肩上がりに伸びており、2022年12月期の売上高は前期比2.6倍増の549百万円、営業利益も4百万円(前期は139百万円の損失)と事業を開始して以降始めて黒字化する見通しだ。

3. 今後の成長戦略
同社は2025年12月期に営業利益25億円を目標に掲げている。ストック型サービスとなるホスティング事業や「カラーミーショップ」で安定成長を図り、新規事業を含むフロー型サービスの収益拡大に取り組むことで成長を加速していく計画となっている。前提となる国内EC市場は年率10%以上の成長を見込んでいたが、巣ごもり需要の反動で2021年後半から伸び悩んでおり、同社のEC関連サービスについても同様の動きとなっている。ただ、中長期的に見ればEC市場の成長は続く見通しであり、同社も新たな取り組みを推進していくことで年率2ケタ成長への復帰を図っていく方針だ。具体的な取り組みとして、物販だけにとどまらず、サービスやデジタルコンテンツなど非物販へとEC領域を拡大していく。「minne」では教材やデジタル素材、ハウツー動画コンテンツなどの販売を2022年内に開始する予定となっており、今後の動向が注目される。また、金融支援事業は提携先企業の拡大によって利用者数の更なる拡大を図っていくほか、保険等の周辺サービスの開発も進めていくことで高成長を目指す。

■Key Points
・2022年12月期第2四半期累計業績は減益となるも期待の金融支援事業が急成長
・コスト削減等により2022年12月期下期以降は収益回復に転じる見通し
・ストック型サービスの安定成長に加え、新規サービスを含むフロー型サービス等の拡大により2025年12月期に営業利益25億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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