932円
日本BS放送のニュース
■要約
日本BS放送<9414>は無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)を運営する独立系BS放送局。BS放送は地上波放送と比較して、放送衛星を介して全国の4,300万世帯超の視聴者に全時間帯に同一放送を提供できるという特長がある。同社はこの特長と独立系としての強みを生かして高収益体質を実現している。
1. 業界環境の変化もあり個別売上高は前年同期比減収で着地。利益は期初計画を超過達成
同社の2019年8月期第2四半期の個別業績は、売上高5,752百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益927百万円(同42.3%減)と減収減益で着地した。期初計画に対しては、連結同様に売上高は未達だったものの営業利益以下の各利益は計画を上回った。売上高が計画未達となった要因は、ショッピング業界からの広告出稿量がBS放送業界全般にわたって減少したことによる。同社は自社制作番組やアニメ番組の強化などで収益拡大を図ってきたが、ショッピング業界からのスポンサー収入の落ち込みの影響を吸収できなかった。利益面では高いコストコントロール力を生かして戦略的な費用の投下を着実に実行する傍らで不要不急の経費を削減し、期初計画の達成につなげた。
2. 中長期の成長に向けた取り組みは順調に進捗。自社制作番組での“回収”実現に注目
同社は先行するキー局系BS放送5社の一角に割って入るべく、個別売上高150億円の早期達成を目指している。「4つの“力”」と「5本の矢」の基本戦略のもと、戦略・先行的な投資を行いながら、自社制作番組の充実やアニメ番組の強化などに取り組んでいる。自社制作番組については2018年秋の改編で投入した自社制作番組が“回収期”を迎えることに手応えと自信を強めている状況だ。アニメ番組については2018年に創設した専門営業部隊の「アニメbiZ局」を中心にラジオやイベントなど、多面的な事業展開が順調に進捗している状況だ。ほかにもビックカメラ<3048>グループとのシナジー追求への取り組みなどを進めている。2018年にBS放送市場がマイナス成長となった主因とされるショッピング業界からの広告出稿量の変化については商品の一巡によるシクリカル要因が原因であるとして、早期の増収基調への回帰に自信を見せている。
3. 2019年8月期下期の個別売上高が前年同期比増収となるかどうかに注目
2019年8月期通期の業績予想については、連結・個別ともに期初予想を維持している。同社が最重要視する売上高については、今第2四半期(上期)が計画比未達となったため、通期予想達成のための下期のハードルが一段上昇した。今下期の売上高計画の達成はゼロではないが、未達となることも視野に入れておくと同時に、新たな評価軸も想定しておくべきだろう。弊社では今下期の個別売上高が前年同期比増収を達成することに第1に注目している。その結果として、上期の減収を吸収して通期ベースでも前期比増収を達成すれば、ポジティブに評価できると考えている。同時にまた、それが達成されれば来期以降の個別売上高150億円達成に向け、大きな弾みが付くと考えている。
■Key Points
・「4つの“力”」と「5本の矢」の基本戦略のもと、自社制作番組やアニメ番組の強化で売上高150億円を達成し、先頭集団入りを目指す
・自社制作番組による「投資回収」(スポンサー収入獲得)動向に注目
・得意領域のアニメ番組関連では、幅広い事業展開(イベント等)が順調に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
日本BS放送<9414>は無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)を運営する独立系BS放送局。BS放送は地上波放送と比較して、放送衛星を介して全国の4,300万世帯超の視聴者に全時間帯に同一放送を提供できるという特長がある。同社はこの特長と独立系としての強みを生かして高収益体質を実現している。
1. 業界環境の変化もあり個別売上高は前年同期比減収で着地。利益は期初計画を超過達成
同社の2019年8月期第2四半期の個別業績は、売上高5,752百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益927百万円(同42.3%減)と減収減益で着地した。期初計画に対しては、連結同様に売上高は未達だったものの営業利益以下の各利益は計画を上回った。売上高が計画未達となった要因は、ショッピング業界からの広告出稿量がBS放送業界全般にわたって減少したことによる。同社は自社制作番組やアニメ番組の強化などで収益拡大を図ってきたが、ショッピング業界からのスポンサー収入の落ち込みの影響を吸収できなかった。利益面では高いコストコントロール力を生かして戦略的な費用の投下を着実に実行する傍らで不要不急の経費を削減し、期初計画の達成につなげた。
2. 中長期の成長に向けた取り組みは順調に進捗。自社制作番組での“回収”実現に注目
同社は先行するキー局系BS放送5社の一角に割って入るべく、個別売上高150億円の早期達成を目指している。「4つの“力”」と「5本の矢」の基本戦略のもと、戦略・先行的な投資を行いながら、自社制作番組の充実やアニメ番組の強化などに取り組んでいる。自社制作番組については2018年秋の改編で投入した自社制作番組が“回収期”を迎えることに手応えと自信を強めている状況だ。アニメ番組については2018年に創設した専門営業部隊の「アニメbiZ局」を中心にラジオやイベントなど、多面的な事業展開が順調に進捗している状況だ。ほかにもビックカメラ<3048>グループとのシナジー追求への取り組みなどを進めている。2018年にBS放送市場がマイナス成長となった主因とされるショッピング業界からの広告出稿量の変化については商品の一巡によるシクリカル要因が原因であるとして、早期の増収基調への回帰に自信を見せている。
3. 2019年8月期下期の個別売上高が前年同期比増収となるかどうかに注目
2019年8月期通期の業績予想については、連結・個別ともに期初予想を維持している。同社が最重要視する売上高については、今第2四半期(上期)が計画比未達となったため、通期予想達成のための下期のハードルが一段上昇した。今下期の売上高計画の達成はゼロではないが、未達となることも視野に入れておくと同時に、新たな評価軸も想定しておくべきだろう。弊社では今下期の個別売上高が前年同期比増収を達成することに第1に注目している。その結果として、上期の減収を吸収して通期ベースでも前期比増収を達成すれば、ポジティブに評価できると考えている。同時にまた、それが達成されれば来期以降の個別売上高150億円達成に向け、大きな弾みが付くと考えている。
■Key Points
・「4つの“力”」と「5本の矢」の基本戦略のもと、自社制作番組やアニメ番組の強化で売上高150億円を達成し、先頭集団入りを目指す
・自社制作番組による「投資回収」(スポンサー収入獲得)動向に注目
・得意領域のアニメ番組関連では、幅広い事業展開(イベント等)が順調に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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