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三井倉庫ホールディングスのニュース
*15:35JST IXナレッジ Research Memo(5):「大手顧客からの安定受注」と「人材マネジメント力」が強み
■強み
1. 大手顧客からの安定受注
アイエックス・ナレッジ<9753>の強みは、コンサルティングからシステム開発、運用・保守に至るまで総合的かつ一貫的なサービスを提供できる体制を整えていることである。加えて、創業以来長年にわたり構築してきた強固でバランスの取れた顧客基盤も安定した成長を支える大きな強みである。2024年3月期第2四半期における主要顧客の動向を見ると、構成比の大きいトップ10社の顔触れに変動はなく、顧客構成は安定している。トップ5社の売上構成比は57.9%に達し、5社の内訳はNTTデータグループ(産業分野など多様なエンドユーザーの案件)、日立グループ(産業、社会公共分野など多様なエンドユーザーの案件)、KDDIグループ(システム検証案件など)、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井倉庫ホールディングス<9302>となっている。大手10社の構成比も72.4%と、上位集中度は高い。また、過去には売上構成比で11位以降だった顧客が大手10社にランクインしていることから、顧客の新陳代謝やポートフォリオ管理が健全に行われていると言える。
さらに、これらのユーザーとの取引で業務知識やノウハウを蓄積してきたことも強みとなっている。システム開発等で、ユーザーから同社の実績が評価され、大手システムインテグレーターを経由せずにエンドユーザーとの直接取引があるのは、その表れと言える。
2. 人材マネジメント力
同社は、人材の「採用」「育成」「処遇」における人材マネジメント力が奏功し、人材不足が叫ばれる業界においても計画どおりの人材確保を実現している。
(1) 採用
同社にとって、「人材」が差別化の源泉であることに疑いの余地はない。人材獲得競争が厳しいなか、これまで毎年継続的に50~100名の新卒採用を行っており、2020年4月に77名、2021年4月に84名、2022年4月に82名、2023年4月に74名が入社した。システムインテグレーター間の人材獲得競争はもちろん、近年では、事業会社(ユーザー企業)もIT人材の採用に積極的に取り組んでおり、競争は厳しくなる傾向にある。このような状況で同社は、オンライン採用方式を活用し、距離の壁により採用が難しかった地方の優秀な人材の獲得にも成功している。数年前からは中途採用にも力を入れており、即戦力の補強手段として定着してきた。
一方、同社のパートナー企業は全国に40社以上あり、プロジェクトの組成や需要の変動への対応に不可欠な存在となっている。同社とパートナー企業は、プロジェクトのなかでは一心同体であり、同社はパートナー企業の従業員を含めて教育を行う。同社の外注費は7,865百万円(2023年3月期)であり、売上原価の48.8%に相当することからも、その存在の大きさがわかる。
(2) 育成
新入社員は半年間の研修(集合研修3ヶ月、OJT3ヶ月)を経て各部門に配属されるが、同社の手厚い研修・新人サポートは“人を育てる環境が整った会社”として学生の間でも評価が高い。また、事業部によりプレゼンテーションが行われ、自ら配属希望を提出できる形式になっている。さらに配属後のスキルアップ研修などを充実させることにより、モチベーションの維持・向上を図っている。
また、同社は「DXニーズへの対応」を戦略として掲げており、クラウドネイティブ人材の育成にも注力している。AWSの技術者育成では、2022年12月にAWS認定資格取得数が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に認定されるなど、積極的な人材投資を行っている。近年では、Azure(マイクロソフトアジュール)の技術者育成にも注力している。また、クラウド以外でも、RPAやアジャイル開発、ブロックチェーンなど先進技術の習得に力を入れている。今後も年間100名以上のペースで資格取得者を育成する計画である。
(3) 処遇
働き方改革にも積極的に取り組んでいる。新規採用に占める女性の比率は約半数、全体でも女性SE比率は約2割となっている。女性の育児休業取得率100%が示すように、女性にとって働きやすい環境を整えている。2022年4月には「おかえりなさい制度」を開始した。一度退社した人材を復帰しやすくする制度で、特に子育てや介護などを理由に退職した人材を復帰しやすくした。既にこの制度で4名が復帰を果たしている。数年前から残業削減にも取り組んでおり、平均残業時間は約14時間と業界平均を下回る。テレワークも管理部門を中心に以前から導入しているが、コロナ禍でさらに全社的な動きへと加速した。また、同社は「健康経営」にも積極的だ。特に活発なのはスポーツで、野球、サッカー、フットサル、バスケットボール、テニスなどのチームが組成され、同業種内で競うリーグ戦で優勝を争うレベルのチームも多い。活発なクラブ活動は横断的な社員のつながりを築き、健康経営のみならず社員の生きがいの創出にも貢献している。社内にストレッチルームを開設するなど、健康維持による生産性の向上にも積極的だ。このような取り組みが認められ、2021年3月には健康優良企業「金の認定」を取得した(2023年3月も継続取得)。ちなみに、同社の平均勤続年数は15年2ヶ月に達しており、その定着率の高さが職場の魅力を表している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SI>
1. 大手顧客からの安定受注
アイエックス・ナレッジ<9753>の強みは、コンサルティングからシステム開発、運用・保守に至るまで総合的かつ一貫的なサービスを提供できる体制を整えていることである。加えて、創業以来長年にわたり構築してきた強固でバランスの取れた顧客基盤も安定した成長を支える大きな強みである。2024年3月期第2四半期における主要顧客の動向を見ると、構成比の大きいトップ10社の顔触れに変動はなく、顧客構成は安定している。トップ5社の売上構成比は57.9%に達し、5社の内訳はNTTデータグループ(産業分野など多様なエンドユーザーの案件)、日立グループ(産業、社会公共分野など多様なエンドユーザーの案件)、KDDIグループ(システム検証案件など)、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井倉庫ホールディングス<9302>となっている。大手10社の構成比も72.4%と、上位集中度は高い。また、過去には売上構成比で11位以降だった顧客が大手10社にランクインしていることから、顧客の新陳代謝やポートフォリオ管理が健全に行われていると言える。
さらに、これらのユーザーとの取引で業務知識やノウハウを蓄積してきたことも強みとなっている。システム開発等で、ユーザーから同社の実績が評価され、大手システムインテグレーターを経由せずにエンドユーザーとの直接取引があるのは、その表れと言える。
2. 人材マネジメント力
同社は、人材の「採用」「育成」「処遇」における人材マネジメント力が奏功し、人材不足が叫ばれる業界においても計画どおりの人材確保を実現している。
(1) 採用
同社にとって、「人材」が差別化の源泉であることに疑いの余地はない。人材獲得競争が厳しいなか、これまで毎年継続的に50~100名の新卒採用を行っており、2020年4月に77名、2021年4月に84名、2022年4月に82名、2023年4月に74名が入社した。システムインテグレーター間の人材獲得競争はもちろん、近年では、事業会社(ユーザー企業)もIT人材の採用に積極的に取り組んでおり、競争は厳しくなる傾向にある。このような状況で同社は、オンライン採用方式を活用し、距離の壁により採用が難しかった地方の優秀な人材の獲得にも成功している。数年前からは中途採用にも力を入れており、即戦力の補強手段として定着してきた。
一方、同社のパートナー企業は全国に40社以上あり、プロジェクトの組成や需要の変動への対応に不可欠な存在となっている。同社とパートナー企業は、プロジェクトのなかでは一心同体であり、同社はパートナー企業の従業員を含めて教育を行う。同社の外注費は7,865百万円(2023年3月期)であり、売上原価の48.8%に相当することからも、その存在の大きさがわかる。
(2) 育成
新入社員は半年間の研修(集合研修3ヶ月、OJT3ヶ月)を経て各部門に配属されるが、同社の手厚い研修・新人サポートは“人を育てる環境が整った会社”として学生の間でも評価が高い。また、事業部によりプレゼンテーションが行われ、自ら配属希望を提出できる形式になっている。さらに配属後のスキルアップ研修などを充実させることにより、モチベーションの維持・向上を図っている。
また、同社は「DXニーズへの対応」を戦略として掲げており、クラウドネイティブ人材の育成にも注力している。AWSの技術者育成では、2022年12月にAWS認定資格取得数が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に認定されるなど、積極的な人材投資を行っている。近年では、Azure(マイクロソフトアジュール)の技術者育成にも注力している。また、クラウド以外でも、RPAやアジャイル開発、ブロックチェーンなど先進技術の習得に力を入れている。今後も年間100名以上のペースで資格取得者を育成する計画である。
(3) 処遇
働き方改革にも積極的に取り組んでいる。新規採用に占める女性の比率は約半数、全体でも女性SE比率は約2割となっている。女性の育児休業取得率100%が示すように、女性にとって働きやすい環境を整えている。2022年4月には「おかえりなさい制度」を開始した。一度退社した人材を復帰しやすくする制度で、特に子育てや介護などを理由に退職した人材を復帰しやすくした。既にこの制度で4名が復帰を果たしている。数年前から残業削減にも取り組んでおり、平均残業時間は約14時間と業界平均を下回る。テレワークも管理部門を中心に以前から導入しているが、コロナ禍でさらに全社的な動きへと加速した。また、同社は「健康経営」にも積極的だ。特に活発なのはスポーツで、野球、サッカー、フットサル、バスケットボール、テニスなどのチームが組成され、同業種内で競うリーグ戦で優勝を争うレベルのチームも多い。活発なクラブ活動は横断的な社員のつながりを築き、健康経営のみならず社員の生きがいの創出にも貢献している。社内にストレッチルームを開設するなど、健康維持による生産性の向上にも積極的だ。このような取り組みが認められ、2021年3月には健康優良企業「金の認定」を取得した(2023年3月も継続取得)。ちなみに、同社の平均勤続年数は15年2ヶ月に達しており、その定着率の高さが職場の魅力を表している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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