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ギフトホールディングスのニュース
*12:38JST ギフトHD Research Memo(8):出店順調、国内外でFC展開もスタート
■ギフトホールディングス<9279>の業績動向
3. 2023年10月期第3四半期の事業別動向
直営店事業部門の売上高は前年同期比37.1%増の13,890百万円、プロデュース事業部門の売上高は前年同期比31.3%増の2,741百万円となった。直営店、プロデュース店合わせて59店舗の純増で、2023年10月期第3四半期末時点の店舗数は741店舗(国内直営店181店舗、海外直営店3店舗、業務委託店9店舗、国内プロデュース店533店舗、海外プロデュース店15店舗)となった。出店は通期で62店舗を予定しており、非常に順調な進捗だったと言えよう。
国内の直営店事業部門については、既存店が前年同期比17.5%増(客数11.6%増、客単価5.2%増)、出店純増が22店舗となり、ブランド別では「町田商店」で11店舗、「町田商店」以外で12店舗とバランスよく出店を行うことができた。特に第3四半期に「町田商店」の中部地区への出店を加速させ、岩手県盛岡市では同社グループ国内最北端のロードサイド店を出店した。第2ブランドである「豚山」は首都圏地区2店舗を含め関西地区から東北地区まで計6店舗と、首都圏地区以外の新たなエリアへの出店も積極的に行うことができた。拡大フェーズに入った「元祖油堂」の第3ブランドとしての確立に向け、マーケティングデータの蓄積を図るため繁華街や住宅街など駅近の異なる特性の立地4ヶ所に出店した。同社が近年ローンチしたブランドは、「豚山」や「元祖油堂」に加え、新潟県長岡市発祥の生姜醤油ラーメン「長岡食堂」や濃厚味噌ラーメン「いと井」など、いずれも一定の評価を受けており、同社のブランド開発力が非常に強まってきた証左と言えよう。また、米国でニューヨーク3号店がオープンしたが、スポーツの殿堂マディソンスクエアガーデンに近接する、集客力の高いペンシルベニア駅施設内のフードコートへの出店だったため、順調な路面の既存2店舗を凌ぐ売上を確保している模様である。
プロデュース事業部門は店舗純増数が37店舗となり、この結果、店舗数は国内533店舗、海外15店舗となった。国内プロデュース事業部門では、オーナー支援や事業ラインナップの充実を図る一方、既出店地域で従来通り直営店との間の出店調整をきめ細かく行う一方、直営店出店の予定がない未出店地域では新規オーナーの開拓を精力的に行った。既存のプロデュース店は、コロナ禍の影響で来客数や売上高の減少が続いていたが、宅配など直営店の成功ノウハウを基に積極的に支援してきた結果、今期に入って復調の兆しを見せている。また、既存プロデュース店オーナーが新業態の展開を検討する場面が増えてきたため、同一のブランドによるFC事業の展開も新たに開始した。海外プロデュース事業部門では、2022年11月にハノイにベトナム1号店(プロデュース店)、ペンシルベニアにニューヨーク3号店(直営店)、2023年1月にはプーケットにタイ1号店(FC店)、7月と8月にはホーチミンにベトナム2号店と3号店(いずれもFC店)を出店した。ニューヨーク3号店のフードコートへの出店と東南アジアでのFC契約は、いずれも新たな取り組みである。FC事業については、各国で契約の締結が進んでいることから、今後、米国や東南アジアなどにおいて「町田商店」「豚山」といったブランドによるFC展開を強化していく方針である。なお、出店で先行し2ケタの店舗数のあった台湾で、親会社倒産に伴う連鎖倒産によりプロデュース店5店舗を閉鎖することとなった。
客足好調、2023年10月期は上方修正の可能性も
4. 2023年10月期の業績見通し
2023年10月期業績について同社は、売上高が前期比20.5%増の20,500百万円、営業利益が同30.4%増の2,050百万円、経常利益が同14.9%減の2,080百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.3%減の1,380百万円を見込んでいる。前提は期初と変わらず、国内直営店既存店売上が前期比4.7%増、出店は国内直営店が39店、海外直営店が1店、プロデュース店が23店(国内20店、海外3店)である。なお、前期の営業外収益に計上した時短協力金など補助金収入847百万円の反動により、通期でも経常利益以下が減益見込みになっている。
期初計画では、地政学リスクの長期化や円安基調の継続により原材料価格の高止まりを懸念、コロナ禍に関しては収束時期を依然として見通せないため、引き続き予断を許さない状況が続くものと考えていた。こうした環境を前提に、同社はQSCAの維持・向上とともに、購買・製造・物流の各体制の強化により品質の向上やコスト上昇の抑制に取り組んだ。また、「2025年10月期に国内1,000店舗体制」の実現に向けて、出店体制のさらなる強化を図るべく人材の確保及び物件の取得に引き続き注力し、既存事業の拡大、新業態の開発・展開、デジタル技術の活用などを進める方針であった。海外事業では、事業展開を加速させるため、営業力の強化と体制の構築にも取り組む計画であった。
こうした計画が順調に進んだことで、第3四半期までの業績は好進捗となったのだが、先行きを慎重に見ている同社は期初計画を変更しなかった。しかし、第4四半期に入った8月は国内直営既存店売上高が前年同月比17.0%増(客数10.3%増、客単価6.1%増)と好調に推移した。平均気温が高くなった地域が多かったため厳しい環境となったものの、7月の価格改定による客足への影響はなく、気温が下がるディナー帯を中心に多数の来店があった。また、足元9月も、近隣に出店して間引く必要があるくらい客足の強い状況に変わりないようだ。第3四半期までの好進捗や足元8月~9月の業況などを考慮すると、通期業績が上振れる可能性は高まったと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 2023年10月期第3四半期の事業別動向
直営店事業部門の売上高は前年同期比37.1%増の13,890百万円、プロデュース事業部門の売上高は前年同期比31.3%増の2,741百万円となった。直営店、プロデュース店合わせて59店舗の純増で、2023年10月期第3四半期末時点の店舗数は741店舗(国内直営店181店舗、海外直営店3店舗、業務委託店9店舗、国内プロデュース店533店舗、海外プロデュース店15店舗)となった。出店は通期で62店舗を予定しており、非常に順調な進捗だったと言えよう。
国内の直営店事業部門については、既存店が前年同期比17.5%増(客数11.6%増、客単価5.2%増)、出店純増が22店舗となり、ブランド別では「町田商店」で11店舗、「町田商店」以外で12店舗とバランスよく出店を行うことができた。特に第3四半期に「町田商店」の中部地区への出店を加速させ、岩手県盛岡市では同社グループ国内最北端のロードサイド店を出店した。第2ブランドである「豚山」は首都圏地区2店舗を含め関西地区から東北地区まで計6店舗と、首都圏地区以外の新たなエリアへの出店も積極的に行うことができた。拡大フェーズに入った「元祖油堂」の第3ブランドとしての確立に向け、マーケティングデータの蓄積を図るため繁華街や住宅街など駅近の異なる特性の立地4ヶ所に出店した。同社が近年ローンチしたブランドは、「豚山」や「元祖油堂」に加え、新潟県長岡市発祥の生姜醤油ラーメン「長岡食堂」や濃厚味噌ラーメン「いと井」など、いずれも一定の評価を受けており、同社のブランド開発力が非常に強まってきた証左と言えよう。また、米国でニューヨーク3号店がオープンしたが、スポーツの殿堂マディソンスクエアガーデンに近接する、集客力の高いペンシルベニア駅施設内のフードコートへの出店だったため、順調な路面の既存2店舗を凌ぐ売上を確保している模様である。
プロデュース事業部門は店舗純増数が37店舗となり、この結果、店舗数は国内533店舗、海外15店舗となった。国内プロデュース事業部門では、オーナー支援や事業ラインナップの充実を図る一方、既出店地域で従来通り直営店との間の出店調整をきめ細かく行う一方、直営店出店の予定がない未出店地域では新規オーナーの開拓を精力的に行った。既存のプロデュース店は、コロナ禍の影響で来客数や売上高の減少が続いていたが、宅配など直営店の成功ノウハウを基に積極的に支援してきた結果、今期に入って復調の兆しを見せている。また、既存プロデュース店オーナーが新業態の展開を検討する場面が増えてきたため、同一のブランドによるFC事業の展開も新たに開始した。海外プロデュース事業部門では、2022年11月にハノイにベトナム1号店(プロデュース店)、ペンシルベニアにニューヨーク3号店(直営店)、2023年1月にはプーケットにタイ1号店(FC店)、7月と8月にはホーチミンにベトナム2号店と3号店(いずれもFC店)を出店した。ニューヨーク3号店のフードコートへの出店と東南アジアでのFC契約は、いずれも新たな取り組みである。FC事業については、各国で契約の締結が進んでいることから、今後、米国や東南アジアなどにおいて「町田商店」「豚山」といったブランドによるFC展開を強化していく方針である。なお、出店で先行し2ケタの店舗数のあった台湾で、親会社倒産に伴う連鎖倒産によりプロデュース店5店舗を閉鎖することとなった。
客足好調、2023年10月期は上方修正の可能性も
4. 2023年10月期の業績見通し
2023年10月期業績について同社は、売上高が前期比20.5%増の20,500百万円、営業利益が同30.4%増の2,050百万円、経常利益が同14.9%減の2,080百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.3%減の1,380百万円を見込んでいる。前提は期初と変わらず、国内直営店既存店売上が前期比4.7%増、出店は国内直営店が39店、海外直営店が1店、プロデュース店が23店(国内20店、海外3店)である。なお、前期の営業外収益に計上した時短協力金など補助金収入847百万円の反動により、通期でも経常利益以下が減益見込みになっている。
期初計画では、地政学リスクの長期化や円安基調の継続により原材料価格の高止まりを懸念、コロナ禍に関しては収束時期を依然として見通せないため、引き続き予断を許さない状況が続くものと考えていた。こうした環境を前提に、同社はQSCAの維持・向上とともに、購買・製造・物流の各体制の強化により品質の向上やコスト上昇の抑制に取り組んだ。また、「2025年10月期に国内1,000店舗体制」の実現に向けて、出店体制のさらなる強化を図るべく人材の確保及び物件の取得に引き続き注力し、既存事業の拡大、新業態の開発・展開、デジタル技術の活用などを進める方針であった。海外事業では、事業展開を加速させるため、営業力の強化と体制の構築にも取り組む計画であった。
こうした計画が順調に進んだことで、第3四半期までの業績は好進捗となったのだが、先行きを慎重に見ている同社は期初計画を変更しなかった。しかし、第4四半期に入った8月は国内直営既存店売上高が前年同月比17.0%増(客数10.3%増、客単価6.1%増)と好調に推移した。平均気温が高くなった地域が多かったため厳しい環境となったものの、7月の価格改定による客足への影響はなく、気温が下がるディナー帯を中心に多数の来店があった。また、足元9月も、近隣に出店して間引く必要があるくらい客足の強い状況に変わりないようだ。第3四半期までの好進捗や足元8月~9月の業況などを考慮すると、通期業績が上振れる可能性は高まったと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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