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ブックオフグループホールディングスのニュース
■会社概要
1. 会社概要
SOU<9270>は、ブランド品や貴金属など高額なラグジュアリーリユース品の買取と販売を行っている。買取は、買取専門店における店頭買取が中心で、大半を一般消費者から買い取っている。Webマーケティングを駆使した、看板やチラシに頼らない集客で先駆したため、短期間で急速に買取量を伸ばすことができ、また、膨大な買取情報を蓄積することができた。販売は、自社オークションを主要販路に国内外の業者へ向けた卸販売がメインである。オークションでは大量の取引が高速で行われており、ここでも市場トレンドなど膨大な販売情報を蓄積することができる。こうして集積した膨大なデータを、自社開発の商品管理システム「SOU Brain」で分析することで、精度の高いプライシングを実現している。このように同社は、IT技術や買取専門店、オークションを背景にデジタルとリアルの融合を進めており、レガシーなリユース業界において極めて特徴的で強く差別化されたビジネスモデルとなっている。足元では買取専門店の積極出店や海外展開、小売のオムニチャネル化など業容の拡大を推進している。さらに2020年8月期以降を第2創業期と位置付け、新たな成長へ向けて成長戦略を加速させている。
Jリーグ引退後7年で同社設立、その後7年で上場
2. 沿革
同社の代表取締役社長である嵜本晋輔(さきもとしんすけ)氏は元Jリーガーである。ガンバ大阪に所属していたが、2003年に戦力外通告を受け、2004年に引退した。引退後に兄2人と(株)MKSコーポレーションを立ち上げ、父親の経営していた家電などのリユース店を引き継ぐ傍ら、洋菓子店の経営も開始した。嵜本氏はそのなかでブランド品のリユースに目をつけ、2007年にブランド買取事業を開始し、難波に「なんぼや」1号店を開店した。2011年には洋菓子の事業とブランドリユースの事業を切り離し、嵜本氏がブランドリユース事業を担う同社を設立した。Jリーガー時代に突如戦力外通告を受けた経験から、常に改善し進化し続けなければ生き残れないとの強い危機感を持って事業に臨んだことが奏功し、同社設立後は事業エリアの拡大、オークションの開始、機能子会社のM&A、アプリ開発などを次々と実現し、設立後わずか7年にして株式上場に至った。
ラグジュアリーリユースをけん引する
3. 日本のラグジュアリーリユース業界
リユースとは元来アンティークや古着、質(しち)に付随した概念だったが、現在では自動車やバイクなどのように新品の時から持っている再利用価値を指す。そして再利用価値は、バブル崩壊後30年にわたるデフレの進行や供給過剰の時代を反映して、徐々にだが広く認められ利用されるようになってきた。2015年の環境省調査によるとリユース市場は3兆1,425億円であり、これはリユース意識の高まりから増加傾向にある。市場の6割を占める自動車やバイクを除くと1兆1,237億円、その中で衣類・服飾を除くブランド品のリユース市場は1,887億円で、街中でよく目にする衣服・服飾品のリユース市場(866億円)や書籍(787億円)、ソフト・メディア類(734億円)と比べて2倍以上の規模の最大カテゴリーとなっている。
希少性は再利用価値を構成する重要な要素であり、再利用価値が新品の価値を上回ることも少なくない。そうした希少性が最も強く表れるカテゴリーが同社の扱うブランドや宝飾品のカテゴリーで、そうしたブランドのリユースにおいて、同社は売上高で2位というポジションにあり、オークションでは20%のシェアを誇っている。また買取面では、世界でもトップクラスのポジションにあると推測される。同社以外にもブランドのリユースには、コメ兵<2780>や大黒屋ホールディングス<6993>(以下、大黒屋)のように比較的大きくビジネスを展開する企業がある。また、近年、ゲオホールディングス<2681>(以下、ゲオ)やブックオフグループホールディングス<9278>(以下、ブックオフ)のようなゲームや書籍といった低価格カテゴリーのリユース企業が、生き残りをかけてブランドのリユースに参入している。
ブランド品のリユース流通は、個人間のCtoCや、個人または企業から仕入れて個人へ売るC(B)toBtoC※、個人から仕入れて企業へ売るCtoBtoBに大きく分けられる。CtoCはフリーマーケット(フリマ)やヤフオク(Zホールディングス<4689>)などネットオークション、メルカリ<4385>などフリマアプリが該当する。出品する個人が言い値で値付けすることができるが、即金性は期待できない。一方で、CtoBtoCは一般的なリユース店舗に多い立地完結型のビジネスで、売却を希望する顧客にとって即金性は高いが、販売が小売メインのため、企業にとっては在庫期間の長期化などのリスクがある。同社が展開するCtoBtoBは消費者から買い取った商品を、オークションなどを使って卸販売する形態で、同社のように高度なWebマーケティングやビッグデータの収集・分析力などIT技術がないと事業化は難しい。現在、ブランドリユース市場が伸びているといわれるが、それはメルカリなどCtoCと同社がけん引しているためで、それ以外は横ばいもしくは微減と言われている。
※C:Consumer、B:Business。toCは小売、toBは卸売を表すことが多い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
SOU<9270>は、ブランド品や貴金属など高額なラグジュアリーリユース品の買取と販売を行っている。買取は、買取専門店における店頭買取が中心で、大半を一般消費者から買い取っている。Webマーケティングを駆使した、看板やチラシに頼らない集客で先駆したため、短期間で急速に買取量を伸ばすことができ、また、膨大な買取情報を蓄積することができた。販売は、自社オークションを主要販路に国内外の業者へ向けた卸販売がメインである。オークションでは大量の取引が高速で行われており、ここでも市場トレンドなど膨大な販売情報を蓄積することができる。こうして集積した膨大なデータを、自社開発の商品管理システム「SOU Brain」で分析することで、精度の高いプライシングを実現している。このように同社は、IT技術や買取専門店、オークションを背景にデジタルとリアルの融合を進めており、レガシーなリユース業界において極めて特徴的で強く差別化されたビジネスモデルとなっている。足元では買取専門店の積極出店や海外展開、小売のオムニチャネル化など業容の拡大を推進している。さらに2020年8月期以降を第2創業期と位置付け、新たな成長へ向けて成長戦略を加速させている。
Jリーグ引退後7年で同社設立、その後7年で上場
2. 沿革
同社の代表取締役社長である嵜本晋輔(さきもとしんすけ)氏は元Jリーガーである。ガンバ大阪に所属していたが、2003年に戦力外通告を受け、2004年に引退した。引退後に兄2人と(株)MKSコーポレーションを立ち上げ、父親の経営していた家電などのリユース店を引き継ぐ傍ら、洋菓子店の経営も開始した。嵜本氏はそのなかでブランド品のリユースに目をつけ、2007年にブランド買取事業を開始し、難波に「なんぼや」1号店を開店した。2011年には洋菓子の事業とブランドリユースの事業を切り離し、嵜本氏がブランドリユース事業を担う同社を設立した。Jリーガー時代に突如戦力外通告を受けた経験から、常に改善し進化し続けなければ生き残れないとの強い危機感を持って事業に臨んだことが奏功し、同社設立後は事業エリアの拡大、オークションの開始、機能子会社のM&A、アプリ開発などを次々と実現し、設立後わずか7年にして株式上場に至った。
ラグジュアリーリユースをけん引する
3. 日本のラグジュアリーリユース業界
リユースとは元来アンティークや古着、質(しち)に付随した概念だったが、現在では自動車やバイクなどのように新品の時から持っている再利用価値を指す。そして再利用価値は、バブル崩壊後30年にわたるデフレの進行や供給過剰の時代を反映して、徐々にだが広く認められ利用されるようになってきた。2015年の環境省調査によるとリユース市場は3兆1,425億円であり、これはリユース意識の高まりから増加傾向にある。市場の6割を占める自動車やバイクを除くと1兆1,237億円、その中で衣類・服飾を除くブランド品のリユース市場は1,887億円で、街中でよく目にする衣服・服飾品のリユース市場(866億円)や書籍(787億円)、ソフト・メディア類(734億円)と比べて2倍以上の規模の最大カテゴリーとなっている。
希少性は再利用価値を構成する重要な要素であり、再利用価値が新品の価値を上回ることも少なくない。そうした希少性が最も強く表れるカテゴリーが同社の扱うブランドや宝飾品のカテゴリーで、そうしたブランドのリユースにおいて、同社は売上高で2位というポジションにあり、オークションでは20%のシェアを誇っている。また買取面では、世界でもトップクラスのポジションにあると推測される。同社以外にもブランドのリユースには、コメ兵<2780>や大黒屋ホールディングス<6993>(以下、大黒屋)のように比較的大きくビジネスを展開する企業がある。また、近年、ゲオホールディングス<2681>(以下、ゲオ)やブックオフグループホールディングス<9278>(以下、ブックオフ)のようなゲームや書籍といった低価格カテゴリーのリユース企業が、生き残りをかけてブランドのリユースに参入している。
ブランド品のリユース流通は、個人間のCtoCや、個人または企業から仕入れて個人へ売るC(B)toBtoC※、個人から仕入れて企業へ売るCtoBtoBに大きく分けられる。CtoCはフリーマーケット(フリマ)やヤフオク(Zホールディングス<4689>)などネットオークション、メルカリ<4385>などフリマアプリが該当する。出品する個人が言い値で値付けすることができるが、即金性は期待できない。一方で、CtoBtoCは一般的なリユース店舗に多い立地完結型のビジネスで、売却を希望する顧客にとって即金性は高いが、販売が小売メインのため、企業にとっては在庫期間の長期化などのリスクがある。同社が展開するCtoBtoBは消費者から買い取った商品を、オークションなどを使って卸販売する形態で、同社のように高度なWebマーケティングやビッグデータの収集・分析力などIT技術がないと事業化は難しい。現在、ブランドリユース市場が伸びているといわれるが、それはメルカリなどCtoCと同社がけん引しているためで、それ以外は横ばいもしくは微減と言われている。
※C:Consumer、B:Business。toCは小売、toBは卸売を表すことが多い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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