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NIPPON EXPRESS ホールディングスのニュース
NIPPON EXPRESS ホールディングスのニュース一覧
■業界分析・競合比較
1. 物流事業の事業環境動向とSWOT分析
日新<9066>の物流事業を取り巻く事業環境と現状について、SWOT分析を行った。
(1) 主な機会・脅威要因とその対応
a) 中国リスクの高まりとASEAN経済圏の成長
中国では2022年11月末よりゼロコロナ政策に対する抗議デモが拡大しているほか、米中対立の激化など、中国リスクが高まっている。このため、部品調達などで中国に頼らないサプライチェーンを構築する動きが日本企業で見られている。部品調達の代替先としては国内が多数を占めている。国内製造業を顧客とする同社でも、中国情勢や中国工場の移転動向を注視し、必要に応じて調達先の変更や工場移転(東南アジアや日本)などへの対策を講じる柔軟性が必要であると弊社では見ている。
b) 物流Tech革命
Society5.0時代に向けて、政府が主導となり、製造・物流と流通の効率的サプライチェーン構築を目指したスマート物流サービスが推進されている。港湾分野では、IoTなどで収集・蓄積される物流ビッグデータとAIを活用した、「コンテナターミナルの生産性革命」の検討が始まっている。同社では、物流業務の「見積もり」「発注」「作業進捗」を一元管理できるデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」の開設や高度なデジタル技術で個別商品の開発を推進している。
2. 内部環境分析
同社の内部環境について、強みと弱みを分析した。
主な強みは以下のとおり。
(1) 顧客構造
同社は業界トップの得意先との取引を長年継続しており、安定した市場・顧客構造となっている。特に重点分野の顧客とは協力パートナーとしてWin-Winの関係を築き、利益貢献している。
(2) 海外展開
同社グループの海外拠点は24ヶ国・地域、37現地法人(一部合弁会社含む)にわたる。豊富な海外拠点によってきめ細かなグローバル・ロジスティクス・ネットワークを構築し、航空貨物、海上貨物、港湾・倉庫、国内までワンストップで多様な顧客ニーズに対応している。物流事業における海外の子会社・関連会社については、米州地域4社、欧州地域7社、東南アジア・インド地域17社、東アジア9社(2022年3月期末時点)となり、優れた海外ネットワーク力を有している点は大きな強みとなっている。
(3) 多様な輸送手段
同社は、世界各国・海上・航空すべてに対応しているうえ、港湾・倉庫までワンストップで取り扱っているが、このような大手総合物流会社はNIPPON EXPRESSホールディングス<9147>などに限られている。同社は京浜地区(千葉、東京、横浜)及び大阪、神戸の5ヶ所に港湾拠点があり、顧客のニーズに応じてあらゆる輸送手段を提案できる。直近ではこの強みを生かし、海上コンテナ不足と米国西海岸の混雑による航空シフト需要を着実に捉えることができた。
(4) 経験豊富な人材
同社の営業スタッフは、物流の専門知識や国内外での豊富な経験など、高い専門性を有している。これに加え同社では、人材育成カリキュラムなどの育成体制を整えている。一例を挙げると、スキルアップ分野(全社員を対象としたeラーニングの実施や社内外での各種セミナーへの参加)や女性活躍分野(キャリア形成支援研修の実施)、グローバル人材育成分野(若手社員を対象とした海外研修員派遣制度、語学研修の実施)、ノウハウの継承分野(ベテラン社員を社内研修講師として活用)、自己啓発など幅広い。このほかにも、評価制度や自己申告・ローテーションなども実施しており、人材育成に積極的であることが窺える。
3. 競合比較
同社と競合他社5社との財務分析を行ったところ、同社の特長や課題として以下の3点が挙がった。
(1) 収益力の改善
同社の営業利益率は4.7%(2022年3月期)※となっており、物流他社と比較してやや見劣りする。これに対し同社では、第7次中期経営計画で事業ポートフォリオの見直しや業務効率化を推進し、改善を図っている。
※2023年3月期第2四半期の営業利益率は7.1%であるが、物流の混乱による特需に起因しており、イレギュラー要素が強い期とみなしている。
(2) 経営安全性
安全性を示す指標である自己資本比率は49.4%(2022年3月期末)であり、安全水準にあると言える。自己資本と外部調達(借入金など)の適正バランスが図られていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<NS>
1. 物流事業の事業環境動向とSWOT分析
日新<9066>の物流事業を取り巻く事業環境と現状について、SWOT分析を行った。
(1) 主な機会・脅威要因とその対応
a) 中国リスクの高まりとASEAN経済圏の成長
中国では2022年11月末よりゼロコロナ政策に対する抗議デモが拡大しているほか、米中対立の激化など、中国リスクが高まっている。このため、部品調達などで中国に頼らないサプライチェーンを構築する動きが日本企業で見られている。部品調達の代替先としては国内が多数を占めている。国内製造業を顧客とする同社でも、中国情勢や中国工場の移転動向を注視し、必要に応じて調達先の変更や工場移転(東南アジアや日本)などへの対策を講じる柔軟性が必要であると弊社では見ている。
b) 物流Tech革命
Society5.0時代に向けて、政府が主導となり、製造・物流と流通の効率的サプライチェーン構築を目指したスマート物流サービスが推進されている。港湾分野では、IoTなどで収集・蓄積される物流ビッグデータとAIを活用した、「コンテナターミナルの生産性革命」の検討が始まっている。同社では、物流業務の「見積もり」「発注」「作業進捗」を一元管理できるデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」の開設や高度なデジタル技術で個別商品の開発を推進している。
2. 内部環境分析
同社の内部環境について、強みと弱みを分析した。
主な強みは以下のとおり。
(1) 顧客構造
同社は業界トップの得意先との取引を長年継続しており、安定した市場・顧客構造となっている。特に重点分野の顧客とは協力パートナーとしてWin-Winの関係を築き、利益貢献している。
(2) 海外展開
同社グループの海外拠点は24ヶ国・地域、37現地法人(一部合弁会社含む)にわたる。豊富な海外拠点によってきめ細かなグローバル・ロジスティクス・ネットワークを構築し、航空貨物、海上貨物、港湾・倉庫、国内までワンストップで多様な顧客ニーズに対応している。物流事業における海外の子会社・関連会社については、米州地域4社、欧州地域7社、東南アジア・インド地域17社、東アジア9社(2022年3月期末時点)となり、優れた海外ネットワーク力を有している点は大きな強みとなっている。
(3) 多様な輸送手段
同社は、世界各国・海上・航空すべてに対応しているうえ、港湾・倉庫までワンストップで取り扱っているが、このような大手総合物流会社はNIPPON EXPRESSホールディングス<9147>などに限られている。同社は京浜地区(千葉、東京、横浜)及び大阪、神戸の5ヶ所に港湾拠点があり、顧客のニーズに応じてあらゆる輸送手段を提案できる。直近ではこの強みを生かし、海上コンテナ不足と米国西海岸の混雑による航空シフト需要を着実に捉えることができた。
(4) 経験豊富な人材
同社の営業スタッフは、物流の専門知識や国内外での豊富な経験など、高い専門性を有している。これに加え同社では、人材育成カリキュラムなどの育成体制を整えている。一例を挙げると、スキルアップ分野(全社員を対象としたeラーニングの実施や社内外での各種セミナーへの参加)や女性活躍分野(キャリア形成支援研修の実施)、グローバル人材育成分野(若手社員を対象とした海外研修員派遣制度、語学研修の実施)、ノウハウの継承分野(ベテラン社員を社内研修講師として活用)、自己啓発など幅広い。このほかにも、評価制度や自己申告・ローテーションなども実施しており、人材育成に積極的であることが窺える。
3. 競合比較
同社と競合他社5社との財務分析を行ったところ、同社の特長や課題として以下の3点が挙がった。
(1) 収益力の改善
同社の営業利益率は4.7%(2022年3月期)※となっており、物流他社と比較してやや見劣りする。これに対し同社では、第7次中期経営計画で事業ポートフォリオの見直しや業務効率化を推進し、改善を図っている。
※2023年3月期第2四半期の営業利益率は7.1%であるが、物流の混乱による特需に起因しており、イレギュラー要素が強い期とみなしている。
(2) 経営安全性
安全性を示す指標である自己資本比率は49.4%(2022年3月期末)であり、安全水準にあると言える。自己資本と外部調達(借入金など)の適正バランスが図られていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<NS>
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