905円
飯野海運のニュース
■今後の見通し
1. 2023年3月期連結業績予想の概要
飯野海運<9119>の2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比7.6%増の112,000百万円、営業利益が7.0%減の7,000百万円、経常利益が25.8%減の7,000百万円、親会社株主帰属当期純利益が44.1%減の7,000百万円としている。前提の平均為替レートは120円/米ドル(2022年3月期実績は112.06円/米ドル)、適合燃料油平均価格(補油地:シンガポール)は760米ドル/MT (上期860米ドル/MT 、下期660米ドル/MT、2022年3月期通期実績は558米ドル/MT)、市況はPanamaxが20,000米ドル(2022年3月期実績は27,416米ドル)、Small Handyが19,000米ドル(2022年3月期実績は23,029米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額)は年間114百万円の見込みである。
ケミカルタンカーやドライバルク船の市況は堅調推移を見込むが、不透明感、海運業におけるコロナ禍に伴う船員交代の制限による費用増加、先行投資などを考慮して、増収ながら減益予想としている。営業利益の2022年3月期比5億円減の増減分析(計画)は、増益要因として、大型ガス船がLPG船の市況上昇、新造船の稼働、LNG船入渠費用の剥落で8億円増、ドライバルク船が市況の堅調推移で0億円増、小型ガス船が近海市況の上昇で1億円増、減益要因として、大型原油タンカーが船費の増加で3億円減、ケミカルタンカーが入渠費用の増加などで8億円減、不動産が高稼働率だが営繕費の増加で2億円減、その他が1億円減としている。営業外収益・費用や特別利益・損失の一過性利益・損失は織り込んでいない。
海運業の市況変動に注意が必要だが、同社予想には上振れの可能性があると弊社では見ている。
なお半期ベースに分解すると、上期は売上高56,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,200百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円、下期は売上高56,000百万円、営業利益3,400百万円、経常利益3,800百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円となる。
2. 2022年度市況見通し
ウクライナ情勢による影響については、ケミカルタンカーでは石油製品の物流変化に伴って、プロダクトタンカーがケミカルタンカー市場からの退出、ロシア発の代替として中東・米国・アジアからの欧州向け輸送需要の増加を見込んでいる。ドライバルク船では、短期的には黒海発着の荷動きに悪影響があるが、荷動きパターンの変化(中南米発の荷動き活発化など)によるトンマイル増が市況にプラス要因となる可能性もあるとしている。大型ガス船では、LPGに関してはロシアの存在感が小さいため、対ロシア制裁に伴う直接的な影響は限定的な見込みとしている。
上述のウクライナ情勢の影響も含めて、2022年度の海運業の市況見通しとして、ケミカルタンカーは新造船の竣工数が依然として少ないため市況は底堅く推移する見込みとしている。大型ガス(LPG)船は、市場全体で25隻程度の新造VLGCの竣工が見込まれているため、需給バランスの悪化要因として懸念されるが、一方でインド・東南アジアでの民生需要の増加や、パナマ運河での滞船の影響などで、市況は比較的安定して推移する見込みとしている。ドライバルク船は、2022年度の新造船供給量が限定的であり、輸送需要増加で市況は堅調に推移する見込みとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
1. 2023年3月期連結業績予想の概要
飯野海運<9119>の2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比7.6%増の112,000百万円、営業利益が7.0%減の7,000百万円、経常利益が25.8%減の7,000百万円、親会社株主帰属当期純利益が44.1%減の7,000百万円としている。前提の平均為替レートは120円/米ドル(2022年3月期実績は112.06円/米ドル)、適合燃料油平均価格(補油地:シンガポール)は760米ドル/MT (上期860米ドル/MT 、下期660米ドル/MT、2022年3月期通期実績は558米ドル/MT)、市況はPanamaxが20,000米ドル(2022年3月期実績は27,416米ドル)、Small Handyが19,000米ドル(2022年3月期実績は23,029米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額)は年間114百万円の見込みである。
ケミカルタンカーやドライバルク船の市況は堅調推移を見込むが、不透明感、海運業におけるコロナ禍に伴う船員交代の制限による費用増加、先行投資などを考慮して、増収ながら減益予想としている。営業利益の2022年3月期比5億円減の増減分析(計画)は、増益要因として、大型ガス船がLPG船の市況上昇、新造船の稼働、LNG船入渠費用の剥落で8億円増、ドライバルク船が市況の堅調推移で0億円増、小型ガス船が近海市況の上昇で1億円増、減益要因として、大型原油タンカーが船費の増加で3億円減、ケミカルタンカーが入渠費用の増加などで8億円減、不動産が高稼働率だが営繕費の増加で2億円減、その他が1億円減としている。営業外収益・費用や特別利益・損失の一過性利益・損失は織り込んでいない。
海運業の市況変動に注意が必要だが、同社予想には上振れの可能性があると弊社では見ている。
なお半期ベースに分解すると、上期は売上高56,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,200百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円、下期は売上高56,000百万円、営業利益3,400百万円、経常利益3,800百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円となる。
2. 2022年度市況見通し
ウクライナ情勢による影響については、ケミカルタンカーでは石油製品の物流変化に伴って、プロダクトタンカーがケミカルタンカー市場からの退出、ロシア発の代替として中東・米国・アジアからの欧州向け輸送需要の増加を見込んでいる。ドライバルク船では、短期的には黒海発着の荷動きに悪影響があるが、荷動きパターンの変化(中南米発の荷動き活発化など)によるトンマイル増が市況にプラス要因となる可能性もあるとしている。大型ガス船では、LPGに関してはロシアの存在感が小さいため、対ロシア制裁に伴う直接的な影響は限定的な見込みとしている。
上述のウクライナ情勢の影響も含めて、2022年度の海運業の市況見通しとして、ケミカルタンカーは新造船の竣工数が依然として少ないため市況は底堅く推移する見込みとしている。大型ガス(LPG)船は、市場全体で25隻程度の新造VLGCの竣工が見込まれているため、需給バランスの悪化要因として懸念されるが、一方でインド・東南アジアでの民生需要の増加や、パナマ運河での滞船の影響などで、市況は比較的安定して推移する見込みとしている。ドライバルク船は、2022年度の新造船供給量が限定的であり、輸送需要増加で市況は堅調に推移する見込みとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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