931円
FJネクストホールディングスのニュース
■要約
1. 会社概要
FJネクスト<8935>は、東京都心を基盤とした資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」、ファミリー向けマンション「ガーラ・レジデンスシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大してきた。足元ではコロナ禍による影響(進捗中案件の遅れなど)を受けているものの、追い風となっている外部環境(入居者ニーズや金融環境など)に本質的な変化は見られず、今後も持続的な成長を目指していく。
2. 2020年3月期の業績
2020年3月期の業績は、売上高が前期比4.1%増の84,840百万円、営業利益が同3.2%増の10,412百万円と増収増益となり、過去最高業績を更新した。ただ、計画に対してはコロナ禍の影響などにより下回る着地となっている。好調な外部環境などを追い風として、売上面では、すべての事業がそれぞれ伸長した。計画を下回ったのは、主力の「不動産開発事業」において、マンション販売戸数が2,555戸(前期比93戸増)に増加したものの、消費税の引き上げの影響や年度末のコロナ禍による物件引渡しのずれ込みが重なり計画(2,800戸)に届かなかったことが理由である。一方、安定収益源である「不動産管理事業」については、賃貸管理戸数の積み上げにより順調に拡大。「建設事業」「旅館事業」も総じて堅調に推移している。また、今後の業績の伸びに影響する用地仕入れなども計画どおりに確保できているようだ。
3. 2021年3月期の業績予想
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比16.3%減の71,000百万円、営業利益を同28.0%減の7,500百万円と現時点で減収減益を見込んでいる。減収予想となっているのは、「不動産開発事業」において、コロナ禍による影響が第2四半期末ごろまで一定程度継続するものと仮定し、販売戸数の計画を1,900戸(前期比655戸減)に設定したことが理由である。もっとも、コロナ禍のなか、不動産の物件タイプのなかでも商業施設やホテルなどは厳しい環境が続くが、同社が手掛ける「賃貸用不動産」は総じて安定していることから下振れリスクは限定的と言えるだろう。営業利益率も10.6%(前期は12.3%)に低下するが、それでも利益率の高い「不動産管理事業」の下支えにより2ケタの営業利益率水準を維持する想定である。また、配当については、減益予想となっているにもかかわらず、前期と同額の1株当たり44円配(中間22円、期末22円)を予定している(予想配当性向28.8%)。
4. 成長戦略
同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では、大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られるが、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。足元でのコロナ禍の影響が気になるものの、コンテンツマーケティング(会員基盤約20万人)の活用など、将来を見据えた営業展開により、市場全体の発展を自らの成長に結び付けていく活動を続けていくことが重要となるだろう。
■Key Points
・2020年3月期業績も増収増益により過去最高業績を更新(売上高は5期連続)
・人口回帰の進む首都圏の賃貸需要拡大に加え、資産運用手段としての認知度向上が同社成長を後押し
・2021年3月期はコロナ禍の影響(進捗中案件の遅れなど)を踏まえ、一旦減収減益を見込む(配当は前期と同額を予定)。商業施設やホテルなどに比べ、同社が手掛ける「賃貸用不動産」は総じて安定しており、下振れリスクは限定的と言える。
・今後もリーディングカンパニーとして市場全体の発展を自らの成長に結び付ける戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
1. 会社概要
FJネクスト<8935>は、東京都心を基盤とした資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」、ファミリー向けマンション「ガーラ・レジデンスシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大してきた。足元ではコロナ禍による影響(進捗中案件の遅れなど)を受けているものの、追い風となっている外部環境(入居者ニーズや金融環境など)に本質的な変化は見られず、今後も持続的な成長を目指していく。
2. 2020年3月期の業績
2020年3月期の業績は、売上高が前期比4.1%増の84,840百万円、営業利益が同3.2%増の10,412百万円と増収増益となり、過去最高業績を更新した。ただ、計画に対してはコロナ禍の影響などにより下回る着地となっている。好調な外部環境などを追い風として、売上面では、すべての事業がそれぞれ伸長した。計画を下回ったのは、主力の「不動産開発事業」において、マンション販売戸数が2,555戸(前期比93戸増)に増加したものの、消費税の引き上げの影響や年度末のコロナ禍による物件引渡しのずれ込みが重なり計画(2,800戸)に届かなかったことが理由である。一方、安定収益源である「不動産管理事業」については、賃貸管理戸数の積み上げにより順調に拡大。「建設事業」「旅館事業」も総じて堅調に推移している。また、今後の業績の伸びに影響する用地仕入れなども計画どおりに確保できているようだ。
3. 2021年3月期の業績予想
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比16.3%減の71,000百万円、営業利益を同28.0%減の7,500百万円と現時点で減収減益を見込んでいる。減収予想となっているのは、「不動産開発事業」において、コロナ禍による影響が第2四半期末ごろまで一定程度継続するものと仮定し、販売戸数の計画を1,900戸(前期比655戸減)に設定したことが理由である。もっとも、コロナ禍のなか、不動産の物件タイプのなかでも商業施設やホテルなどは厳しい環境が続くが、同社が手掛ける「賃貸用不動産」は総じて安定していることから下振れリスクは限定的と言えるだろう。営業利益率も10.6%(前期は12.3%)に低下するが、それでも利益率の高い「不動産管理事業」の下支えにより2ケタの営業利益率水準を維持する想定である。また、配当については、減益予想となっているにもかかわらず、前期と同額の1株当たり44円配(中間22円、期末22円)を予定している(予想配当性向28.8%)。
4. 成長戦略
同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では、大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られるが、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。足元でのコロナ禍の影響が気になるものの、コンテンツマーケティング(会員基盤約20万人)の活用など、将来を見据えた営業展開により、市場全体の発展を自らの成長に結び付けていく活動を続けていくことが重要となるだろう。
■Key Points
・2020年3月期業績も増収増益により過去最高業績を更新(売上高は5期連続)
・人口回帰の進む首都圏の賃貸需要拡大に加え、資産運用手段としての認知度向上が同社成長を後押し
・2021年3月期はコロナ禍の影響(進捗中案件の遅れなど)を踏まえ、一旦減収減益を見込む(配当は前期と同額を予定)。商業施設やホテルなどに比べ、同社が手掛ける「賃貸用不動産」は総じて安定しており、下振れリスクは限定的と言える。
・今後もリーディングカンパニーとして市場全体の発展を自らの成長に結び付ける戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
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