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カチタスのニュース
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家大野芳政氏(ブログ「証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2019年2月1日22時に執筆
国内の上場企業の多くは年に数回、アナリストや機関投資家向けに決算説明会を開催しています。
実はテンバガー(10倍株)など長期上昇株のトレジャーハンティングには、経営者の生の声を聞ける決算説明会は非常に有効なツールとなります。
将来大きく成長する会社を探すには、経営者の人物像や、長期的なビジョンに沿った具体的な経営戦略などが重要となるからです。
決算短信等の財務諸表の分析もいいですが、どうしても近視眼的になってしまいがちです。
そこで、1回1~2時間程度の決算説明会の内容を3分程度で読めるよう、アナリストの視点からポイントを絞り込んで紹介していきます。
■カチタス<8919>
少子高齢化と人口減少に伴い、全国の空き家が増加しています。私の家の周りにも数件あり、身近な問題として危惧しています(空き家は泥棒なんかが拠点にしてしまう場合なんかもあるみたいです)。
そんな空き家に目をつけてビジネスにしている企業がカチタスです。同社は地方中心に、築年数の古い空き家となった戸建住宅をリフォームして販売するというビジネスモデルが特徴的な企業です。
足元の業績も、19年3月期2Q累計(4-9月期)の営業利益は前年同期比+28.6%の45.0億円と好調に推移。前期からの期ズレによるプラス影響があるものの、足元の伸びを考慮すれば、通期の会社予想である+15%の85億円を上回る可能性が高いと考えられます。
株価は昨年6月に4700円台まで上昇した後、秋以降は全体相場の調整などの影響もあり、2500円~3500円での往来が続いています。こうした中、FRBが金融引き締め路線を修正し、円高への警戒感が高まるなか、同社のような為替に左右されない内需株への注目が集まることが予想されます。
それでは決算説明会の内容を見ていきましょう。
■注目度
★★★★☆
2018年11月8日「2019年3月期第2四半期決算説明会」
■トピックス
・売上高及び営業利益(調整後営業利益)の推移
・2019年3月期 第2四半期決算ハイライト
・2019年3月期 第2四半期 連結貸借対照表及びキャッシュフロー計算書
・調整項目表
・前年同期比の売上高・利益の上振れの要因(2018年1Q再掲)
・2019年3月期 連結事業計画に対する進捗率
・カチタスの成長戦略:営業人員増強(2018年3月期実績)
・リプライスについて(2018年3月期実績)
・年度末時点での営業人員数の推移
・当社ビジネスモデルについて
・株主還元について
・自己株式の取得の概要(2018年11月6日開催の取締役会決議)
・カチタスのビジネスモデル
・ユニークなポジショニングによる実現する当社グループ合計で2位以下に10倍超の差を付ける業界No.1の販売件数
・付加価値の事例(1)~(3)
・累計4万戸超の実績で蓄積したノウハウを活用し、面倒なことを丁寧にやり続け、失敗を最小化するためのリスクマネジメントを実施
・カチタスの特徴
・全国をカバーするグループ店舗網(全て直営)と高い認知度
・仕入れにおける買取比率の上昇によって売上・粗利益双方の拡大を実現
・空き家に価値(カチ)を足す(タス)ユニークなビジネスモデル
・ニトリホールディングスとの資本・業務提携(2017年4月28日公表)
・ニトリとの業務提携の進捗状況
・会社概要
・カチタスグループの店舗一覧(全て直営)
・2016年度~2018年度 中期経営計画(2016年12月1日公表)
・空き家共有増加による仕入れ機会の中長期的拡大
・戸建のリフォーム済中古住宅という地方における住まいの新しい「第4の選択肢」のポテンシャル
・安価で高品質なリフォーム済み中古住宅を供給
・拡大する中古住宅市場規模
・更なる市場開拓余地と当社グループの取り組み
・安価で高品質なリフォーム済み中古住宅を供給する仕組み
・「地方・築古・戸建」と「都市部・築浅・マンション」の比較
・(参考)仕入れにおける競売から買取への移行(2017年3月実績)
・政府の施策による後押し
・各国の中古住宅流通シェア
・地方・三大都市別住宅地地価前年比推移
・免責事項
■会社解説からポイント抜粋
<独特なビジネスモデル>
・北海道から沖縄までの5万人から30万人ぐらいの地方都市を中心に、小口分散して展開している。地方における住宅の地価は過去40年間、バブルの時期を通じてもそれ程変化しておらず、都市圏よりも相対的に安定しているため、不動産が抱える地価・マーケット・相場に絡んだ在庫リスクはほとんどない。
・取り扱い物件は、カチタス・リプライスともに築年数が古く、相続等により空き家となった戸建住宅である。マンションと違って取り扱いが難しく、他社が参入しにくい物件を扱う。都市部・マンション・大規模な新築や収益不動産・収益アパートを扱う不動産会社とは明らかに異なるビジネスモデルに特徴。
・平均の販売価格は1440万円(土地・建物込み)同じエリアで同じ広さの新築と比べて半額程度。買主にとって月々支払いのアパートローンや家賃よりも安い金額で住宅ローンを組めるところが、非常に大きな魅力。居住用として100%実需になっており、収益用不動産を扱う企業とは一線を画している。
・日本全国の総世帯数5243万世帯のうち、地方の総世帯数は約46%の2419万世帯。そのうち約37%(約902万世帯)が年収200~500万円であり、さらにその中の約37%(約333万世帯)が借家世帯数。その借家世帯数の約42%(約138万世帯)が持家志向がある同社の主要ターゲット層となる。カチタスの18年3月期の販売件数は3692件とターゲット比率で約0.3%であり「潜在顧客は多く存在する」との見解を示した。
<好調な足元の業績>
・19年3月期2Q累計(4-9月期)の営業利益は前年同期比+29.9%の45.03億円。通期は前期比+15%の85億円を計画するなど、上期の成長率は通期を上回っており、同社は「順調に推移している」と捉えているという。
・リプライスの期ズレや、カチタスも昨年の大雪に伴う引き渡しのズレ込みもあり、1Qが大きく伸長した。1Qの営業利益は前年同期比+35%だが、上期累計としても+29.9%と大きく伸びていることから、同社は「1Qの影響要因を外したとしても順調に伸びてきている」との見方を示した。
・棚卸資産回転率は1.91ヶ月と前年の2.03ヶ月から-0.12ヶ月低下しているが、成長フェーズで引き続き在庫を積み増しているためであり、「大きな問題とは捉えていない」という。ただし、全資産では効率的に運用できており、ROAは22.8%と前年より+1.8ポイントアップとなった。
・棚卸資産の中身は、海道から沖縄まで全国で3000物件ほどが小口分散されている。また地方の不動産は、都心部と違い大きな価格変動はほとんどないことから、「在庫は非常にリスクが限定されている」とした。
・借入については、年2回転する在庫対して、長期の借入で充当するなど「安定した資金調達ができている」とのこと。
<カチタス>
・仕入の中心となる空き家は日本全国に820万戸あり、毎年60万戸ずつ増加している。これに対して、「昨年、今年の取り扱いは4000~5000戸ベースであることから、依然として大きなマーケットがある」との強気な見方を示した。こうした中、大企業の競合が少ないことから、「優秀な人材を採用しながら、生産性・1人当たり買取・販売の件数を伸ばしていくところが、重要な成長戦略になる」とのこと。
・同社はパワービルダーや新築とは違い、一戸一戸が中古住宅であることから、それぞれ規格が違うためリフォームの企画やチェック項目を標準化しにくいところがある。「そういった意味では競合の優位性や参入障壁になっている」という。
<リプライス>
・カチタスと同様に、戸建を中心に買取をし、リフォームして販売しているが、カチタスの商圏が地方なのに対して、リプライスは三大都市圏及び政令指定都市近郊を中心に事業展開している。営業の生産性については、カチタスの2倍程度と高く、「同じように人を採用して投下した場合に、カチタス以上に成長が期待できる」とのこと。業績面では、「競売から買取にシフト、マンションから戸建により注力という、仕入の戦略をよりシャープにすることによって、順調に売上・利益ともに伸びてきている」との見解を示した。
<営業人員数>
2019年4月に入社予定の内定者はカチタス94名、リプライス22名で、計116名。昨年の新卒入社社員はカチタス81名、リプライス22名、計103名であり、昨年よりも増加するなど採用は順調。こうした中、「1人当たりの生産性」を伸ばすことができるかが重要なポイント。営業人員の採用・営業力の強化の両面から各営業エリアにおける占有率の拡大を図る方針。
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執筆者名:大野芳政
ブログ名:証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」
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※2019年2月1日22時に執筆
国内の上場企業の多くは年に数回、アナリストや機関投資家向けに決算説明会を開催しています。
実はテンバガー(10倍株)など長期上昇株のトレジャーハンティングには、経営者の生の声を聞ける決算説明会は非常に有効なツールとなります。
将来大きく成長する会社を探すには、経営者の人物像や、長期的なビジョンに沿った具体的な経営戦略などが重要となるからです。
決算短信等の財務諸表の分析もいいですが、どうしても近視眼的になってしまいがちです。
そこで、1回1~2時間程度の決算説明会の内容を3分程度で読めるよう、アナリストの視点からポイントを絞り込んで紹介していきます。
■カチタス<8919>
少子高齢化と人口減少に伴い、全国の空き家が増加しています。私の家の周りにも数件あり、身近な問題として危惧しています(空き家は泥棒なんかが拠点にしてしまう場合なんかもあるみたいです)。
そんな空き家に目をつけてビジネスにしている企業がカチタスです。同社は地方中心に、築年数の古い空き家となった戸建住宅をリフォームして販売するというビジネスモデルが特徴的な企業です。
足元の業績も、19年3月期2Q累計(4-9月期)の営業利益は前年同期比+28.6%の45.0億円と好調に推移。前期からの期ズレによるプラス影響があるものの、足元の伸びを考慮すれば、通期の会社予想である+15%の85億円を上回る可能性が高いと考えられます。
株価は昨年6月に4700円台まで上昇した後、秋以降は全体相場の調整などの影響もあり、2500円~3500円での往来が続いています。こうした中、FRBが金融引き締め路線を修正し、円高への警戒感が高まるなか、同社のような為替に左右されない内需株への注目が集まることが予想されます。
それでは決算説明会の内容を見ていきましょう。
■注目度
★★★★☆
2018年11月8日「2019年3月期第2四半期決算説明会」
■トピックス
・売上高及び営業利益(調整後営業利益)の推移
・2019年3月期 第2四半期決算ハイライト
・2019年3月期 第2四半期 連結貸借対照表及びキャッシュフロー計算書
・調整項目表
・前年同期比の売上高・利益の上振れの要因(2018年1Q再掲)
・2019年3月期 連結事業計画に対する進捗率
・カチタスの成長戦略:営業人員増強(2018年3月期実績)
・リプライスについて(2018年3月期実績)
・年度末時点での営業人員数の推移
・当社ビジネスモデルについて
・株主還元について
・自己株式の取得の概要(2018年11月6日開催の取締役会決議)
・カチタスのビジネスモデル
・ユニークなポジショニングによる実現する当社グループ合計で2位以下に10倍超の差を付ける業界No.1の販売件数
・付加価値の事例(1)~(3)
・累計4万戸超の実績で蓄積したノウハウを活用し、面倒なことを丁寧にやり続け、失敗を最小化するためのリスクマネジメントを実施
・カチタスの特徴
・全国をカバーするグループ店舗網(全て直営)と高い認知度
・仕入れにおける買取比率の上昇によって売上・粗利益双方の拡大を実現
・空き家に価値(カチ)を足す(タス)ユニークなビジネスモデル
・ニトリホールディングスとの資本・業務提携(2017年4月28日公表)
・ニトリとの業務提携の進捗状況
・会社概要
・カチタスグループの店舗一覧(全て直営)
・2016年度~2018年度 中期経営計画(2016年12月1日公表)
・空き家共有増加による仕入れ機会の中長期的拡大
・戸建のリフォーム済中古住宅という地方における住まいの新しい「第4の選択肢」のポテンシャル
・安価で高品質なリフォーム済み中古住宅を供給
・拡大する中古住宅市場規模
・更なる市場開拓余地と当社グループの取り組み
・安価で高品質なリフォーム済み中古住宅を供給する仕組み
・「地方・築古・戸建」と「都市部・築浅・マンション」の比較
・(参考)仕入れにおける競売から買取への移行(2017年3月実績)
・政府の施策による後押し
・各国の中古住宅流通シェア
・地方・三大都市別住宅地地価前年比推移
・免責事項
■会社解説からポイント抜粋
<独特なビジネスモデル>
・北海道から沖縄までの5万人から30万人ぐらいの地方都市を中心に、小口分散して展開している。地方における住宅の地価は過去40年間、バブルの時期を通じてもそれ程変化しておらず、都市圏よりも相対的に安定しているため、不動産が抱える地価・マーケット・相場に絡んだ在庫リスクはほとんどない。
・取り扱い物件は、カチタス・リプライスともに築年数が古く、相続等により空き家となった戸建住宅である。マンションと違って取り扱いが難しく、他社が参入しにくい物件を扱う。都市部・マンション・大規模な新築や収益不動産・収益アパートを扱う不動産会社とは明らかに異なるビジネスモデルに特徴。
・平均の販売価格は1440万円(土地・建物込み)同じエリアで同じ広さの新築と比べて半額程度。買主にとって月々支払いのアパートローンや家賃よりも安い金額で住宅ローンを組めるところが、非常に大きな魅力。居住用として100%実需になっており、収益用不動産を扱う企業とは一線を画している。
・日本全国の総世帯数5243万世帯のうち、地方の総世帯数は約46%の2419万世帯。そのうち約37%(約902万世帯)が年収200~500万円であり、さらにその中の約37%(約333万世帯)が借家世帯数。その借家世帯数の約42%(約138万世帯)が持家志向がある同社の主要ターゲット層となる。カチタスの18年3月期の販売件数は3692件とターゲット比率で約0.3%であり「潜在顧客は多く存在する」との見解を示した。
<好調な足元の業績>
・19年3月期2Q累計(4-9月期)の営業利益は前年同期比+29.9%の45.03億円。通期は前期比+15%の85億円を計画するなど、上期の成長率は通期を上回っており、同社は「順調に推移している」と捉えているという。
・リプライスの期ズレや、カチタスも昨年の大雪に伴う引き渡しのズレ込みもあり、1Qが大きく伸長した。1Qの営業利益は前年同期比+35%だが、上期累計としても+29.9%と大きく伸びていることから、同社は「1Qの影響要因を外したとしても順調に伸びてきている」との見方を示した。
・棚卸資産回転率は1.91ヶ月と前年の2.03ヶ月から-0.12ヶ月低下しているが、成長フェーズで引き続き在庫を積み増しているためであり、「大きな問題とは捉えていない」という。ただし、全資産では効率的に運用できており、ROAは22.8%と前年より+1.8ポイントアップとなった。
・棚卸資産の中身は、海道から沖縄まで全国で3000物件ほどが小口分散されている。また地方の不動産は、都心部と違い大きな価格変動はほとんどないことから、「在庫は非常にリスクが限定されている」とした。
・借入については、年2回転する在庫対して、長期の借入で充当するなど「安定した資金調達ができている」とのこと。
<カチタス>
・仕入の中心となる空き家は日本全国に820万戸あり、毎年60万戸ずつ増加している。これに対して、「昨年、今年の取り扱いは4000~5000戸ベースであることから、依然として大きなマーケットがある」との強気な見方を示した。こうした中、大企業の競合が少ないことから、「優秀な人材を採用しながら、生産性・1人当たり買取・販売の件数を伸ばしていくところが、重要な成長戦略になる」とのこと。
・同社はパワービルダーや新築とは違い、一戸一戸が中古住宅であることから、それぞれ規格が違うためリフォームの企画やチェック項目を標準化しにくいところがある。「そういった意味では競合の優位性や参入障壁になっている」という。
<リプライス>
・カチタスと同様に、戸建を中心に買取をし、リフォームして販売しているが、カチタスの商圏が地方なのに対して、リプライスは三大都市圏及び政令指定都市近郊を中心に事業展開している。営業の生産性については、カチタスの2倍程度と高く、「同じように人を採用して投下した場合に、カチタス以上に成長が期待できる」とのこと。業績面では、「競売から買取にシフト、マンションから戸建により注力という、仕入の戦略をよりシャープにすることによって、順調に売上・利益ともに伸びてきている」との見解を示した。
<営業人員数>
2019年4月に入社予定の内定者はカチタス94名、リプライス22名で、計116名。昨年の新卒入社社員はカチタス81名、リプライス22名、計103名であり、昨年よりも増加するなど採用は順調。こうした中、「1人当たりの生産性」を伸ばすことができるかが重要なポイント。営業人員の採用・営業力の強化の両面から各営業エリアにおける占有率の拡大を図る方針。
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執筆者名:大野芳政
ブログ名:証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」
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