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シノケングループのニュース
■今後の見通し
1. 2019年12月期の業績見通し
シノケングループ<8909>の2019年12月期の連結業績は、売上高が前期比19.2%減の90,000百万円、営業利益が同27.4%減の8,600百万円、経常利益が同25.2%減の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.5%減の5,600百万円と期初計画を据え置いているが、第2四半期までの進捗率は売上高で56.4%、営業利益で70.8%に達していること、アパートメント販売については現状の引き合い状況から上期並みの販売水準を維持できそうなこと、ストックビジネスについては下期も着実に成長していく見通しであることから、通期業績についても会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
事業セグメント別で見れば、不動産セールス事業についてはアパートメント販売で2ケタ減収減益を見込む一方、マンション販売については安定的に利益を創出する事業基盤と位置付けており、リノベーションマンションの区分販売等にも注力しながら、前期並みの利益水準を維持していく方針となっている。また、不動産サービス事業やエネルギー事業については引き続きストックビジネスとしてアパートメント販売棟数の拡大による契約件数の積み上げを図り、2ケタ増収増益を目指す。
ゼネコン事業については国内で対外顧客向け受注の拡大が続くほか、海外展開についてもインドネシアにおけるアパートメント開発が進むことから、増収増益基調が続く見通し。また、ライフケア事業については既存の介護施設やサ高住施設の入居率が高水準となっていることから、サービス領域を高齢者・要介護者だけにとどまらず、その家族や同社物件の入居者向けに広げ、生涯を通した生活支援サービスを展開するプラットフォームの構築を進めていく方針となっている。さらに、業界の慢性的な人材不足を国内外で補うべく、介護人材の確保・育成、育成した人材のグループ内外への派遣等、教育や人材ビジネスもライフケア事業の一環として視野に入れており、M&Aの活用も視野に入れながら検討を進めてく考えだ。
インドネシアで不動産ファンド運営ライセンスを取得、積極的に事業拡大を推進していく
2. 2019年12月期下期のトピックス
(1) インドネシアでの不動産ファンド運営ライセンス取得
同社は2019年7月に、インドネシアで不動産ファンド運営ライセンスを取得したことを発表した。外資系企業としては初となる。これにより、今後インドネシアで自社開発物件である「桜テラス」だけでなく、現地デベロッパーや企業が保有するオフィスビルやレジデンス、商業施設等を買い取り、運営していくことが可能となる。インドネシアでも不動産の証券化ニーズは強く、既に現地日系企業などを中心に数百億円規模の案件も出てきているようだ。運用利回りとして5~7%は可能と見ており、家賃の上昇も見込めるため投資魅力は高い。同社では3年を目途に400~500億円規模のREITを組成し、インドネシア証券取引所へ上場、世界の投資家に向けて販売していく計画を立てている。必要資金はローンや投資家からの出資を募って賄っていく意向だ。また、同社業績へのインパクトとしては、ファンド運営手数料収入や管理収入のほか、物件売却によるキャピタルゲインを獲得していくことになる。
また、インドネシアではグループ子会社で建設事業を展開しているほか、不動産賃貸・販売・運営、アパートメント・ホテル運営等の事業ライセンスを取得しており、今回、投資運用業のライセンスも取得したことで、不動産ビジネスの一気通貫体制が構築され、事業展開を加速していくと言う点においても強固な体制を構築できたと言える。人口世界第4位のインドネシアでは首都のジャカルタを中心に不動産開発ニーズも強く、今後の展開が注目される。
(2) アパートメント用地仕入の再強化
国内のアパートメント販売事業では、2018年下期以降、用地仕入を抑制してきたが、2019年7月より用地仕入を再強化していく方針に転換した。同社のアパートメントに対する需要は底堅く推移しており、このままの状況で行くと2020年12月期に販売できる在庫が不足する状況になりかねないためだ。受注から引き渡しまで8~12ヶ月のタイムラグがあるため、2019年9月時点で受注している物件については引渡しが2020年5月以降となる。現状、同業他社の買い意欲は鈍く、仕入環境としては2018年前半よりも大きく改善している状況にある。同社では目線を高く設定して、好立地・好条件の物件を仕入れ、2020年以降の販売増に備えていくことになる。
(3) インテリジェントアパートの標準化
アパートメント販売における同業他社との差別化戦略として、2019年7月受注分よりすべての物件を「インテリジェントアパート」仕様とした。具体的には、建物全体・全部屋にIoTセンサーを標準装備し、スマートロック機能や外出先からの家電・住設機器の遠隔操作といった付加機能のサービスを、入居者が毎月の費用負担なしで利用可能なアパートメントを販売する。現状、他社では有料でスマートロック機能等を提供しているが、入居率を向上させるためには無料でこれらのサービスを提供できる仕組みが必要と判断した。また、今後はアパートメントだけでなくマンションも含めて先進技術を用いた様々なサービスを提供し、オンラインでデータを収集・連携していくことで、新たな付加価値サービスの創出も目指していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2019年12月期の業績見通し
シノケングループ<8909>の2019年12月期の連結業績は、売上高が前期比19.2%減の90,000百万円、営業利益が同27.4%減の8,600百万円、経常利益が同25.2%減の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.5%減の5,600百万円と期初計画を据え置いているが、第2四半期までの進捗率は売上高で56.4%、営業利益で70.8%に達していること、アパートメント販売については現状の引き合い状況から上期並みの販売水準を維持できそうなこと、ストックビジネスについては下期も着実に成長していく見通しであることから、通期業績についても会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
事業セグメント別で見れば、不動産セールス事業についてはアパートメント販売で2ケタ減収減益を見込む一方、マンション販売については安定的に利益を創出する事業基盤と位置付けており、リノベーションマンションの区分販売等にも注力しながら、前期並みの利益水準を維持していく方針となっている。また、不動産サービス事業やエネルギー事業については引き続きストックビジネスとしてアパートメント販売棟数の拡大による契約件数の積み上げを図り、2ケタ増収増益を目指す。
ゼネコン事業については国内で対外顧客向け受注の拡大が続くほか、海外展開についてもインドネシアにおけるアパートメント開発が進むことから、増収増益基調が続く見通し。また、ライフケア事業については既存の介護施設やサ高住施設の入居率が高水準となっていることから、サービス領域を高齢者・要介護者だけにとどまらず、その家族や同社物件の入居者向けに広げ、生涯を通した生活支援サービスを展開するプラットフォームの構築を進めていく方針となっている。さらに、業界の慢性的な人材不足を国内外で補うべく、介護人材の確保・育成、育成した人材のグループ内外への派遣等、教育や人材ビジネスもライフケア事業の一環として視野に入れており、M&Aの活用も視野に入れながら検討を進めてく考えだ。
インドネシアで不動産ファンド運営ライセンスを取得、積極的に事業拡大を推進していく
2. 2019年12月期下期のトピックス
(1) インドネシアでの不動産ファンド運営ライセンス取得
同社は2019年7月に、インドネシアで不動産ファンド運営ライセンスを取得したことを発表した。外資系企業としては初となる。これにより、今後インドネシアで自社開発物件である「桜テラス」だけでなく、現地デベロッパーや企業が保有するオフィスビルやレジデンス、商業施設等を買い取り、運営していくことが可能となる。インドネシアでも不動産の証券化ニーズは強く、既に現地日系企業などを中心に数百億円規模の案件も出てきているようだ。運用利回りとして5~7%は可能と見ており、家賃の上昇も見込めるため投資魅力は高い。同社では3年を目途に400~500億円規模のREITを組成し、インドネシア証券取引所へ上場、世界の投資家に向けて販売していく計画を立てている。必要資金はローンや投資家からの出資を募って賄っていく意向だ。また、同社業績へのインパクトとしては、ファンド運営手数料収入や管理収入のほか、物件売却によるキャピタルゲインを獲得していくことになる。
また、インドネシアではグループ子会社で建設事業を展開しているほか、不動産賃貸・販売・運営、アパートメント・ホテル運営等の事業ライセンスを取得しており、今回、投資運用業のライセンスも取得したことで、不動産ビジネスの一気通貫体制が構築され、事業展開を加速していくと言う点においても強固な体制を構築できたと言える。人口世界第4位のインドネシアでは首都のジャカルタを中心に不動産開発ニーズも強く、今後の展開が注目される。
(2) アパートメント用地仕入の再強化
国内のアパートメント販売事業では、2018年下期以降、用地仕入を抑制してきたが、2019年7月より用地仕入を再強化していく方針に転換した。同社のアパートメントに対する需要は底堅く推移しており、このままの状況で行くと2020年12月期に販売できる在庫が不足する状況になりかねないためだ。受注から引き渡しまで8~12ヶ月のタイムラグがあるため、2019年9月時点で受注している物件については引渡しが2020年5月以降となる。現状、同業他社の買い意欲は鈍く、仕入環境としては2018年前半よりも大きく改善している状況にある。同社では目線を高く設定して、好立地・好条件の物件を仕入れ、2020年以降の販売増に備えていくことになる。
(3) インテリジェントアパートの標準化
アパートメント販売における同業他社との差別化戦略として、2019年7月受注分よりすべての物件を「インテリジェントアパート」仕様とした。具体的には、建物全体・全部屋にIoTセンサーを標準装備し、スマートロック機能や外出先からの家電・住設機器の遠隔操作といった付加機能のサービスを、入居者が毎月の費用負担なしで利用可能なアパートメントを販売する。現状、他社では有料でスマートロック機能等を提供しているが、入居率を向上させるためには無料でこれらのサービスを提供できる仕組みが必要と判断した。また、今後はアパートメントだけでなくマンションも含めて先進技術を用いた様々なサービスを提供し、オンラインでデータを収集・連携していくことで、新たな付加価値サービスの創出も目指していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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