アドクリ Research Memo（4）：財務状況は健全な水準を維持、収益性向上が課題

■アドバンスクリエイト<8798>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2018年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比76百万円増加の7,792百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では未収入金の回収により現預金が389百万円増加し、売上債権が95百万円、未収入金が437百万円それぞれ減少した。また、固定資産では減価償却の進展に伴い有形固定資産が105百万円、無形固定資産が82百万円それぞれ減少した一方で、投資その他資産が249百万円増加した。

負債合計は前期末比141百万円増加の3,279百万円となった。有利子負債が147百万円、未払法人税等が145百万円それぞれ減少した一方で、未払金が231百万円、預り金が121百万円増加した。また、純資産合計は前期末比64百万円減少の4,512百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益785百万円を計上した一方で、配当金の支払いで545百万円、自己株式の取得で407百万円を支出したことによる。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は配当金支出や自己株式取得による株主資本の減少を主因として、前期末の59.3%から57.9%と若干低下したものの、有利子負債比率も同12.1%から9.0%に低下しており、財務の健全性は十分保たれている水準にあると判断される。収益性に関してはROAが前期比0.6ポイント、ROEが同1.1ポイント上昇したものの、売上高経常利益率は同0.6ポイント低下した。再保険事業の収益性が前期から低下したことが主因だ。同社は経常利益率の目標として20%以上の水準を目指しており、同水準を達成していくためには、主力事業の保険代理店事業の収益性向上や、付加価値の高い新規事業の創出・育成が課題となる。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　佐藤　譲）

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