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だいこう証券ビジネスのニュース
■事業概要
キャリアリンク<6070>は、1996年に創業した人材派遣会社で、短期間での大量動員・業務立ち上げを可能とする運用ノウハウを強みにBPO関連事業やCRM関連事業の事務系人材サービス分野を中心に成長を続けてきた。営業拠点は東京のほか、札幌、仙台、新横浜、大阪、福岡、沖縄の7拠点となっている。2017年3月には製造系人材サービス事業の成長加速を図るため、子会社のキャリアリンクファクトリーを新設し、同年6月に事業承継している。
また、2018年3月にだいこう証券ビジネス<8692>(以下、DSB)の子会社であったJBSの全株式を取得するとともに、DSBと資本業務提携を締結している(相互に1%の株式を取得)。JBSは大手証券会社を中心とした金融業界向けに人材サービス事業を展開しているほか、人事給与請負事業やビジネスサポート事業等も行っている。今回のDSBとの資本業務提携の狙いは、1)DSBが得意とする金融業界向けBPO案件において同社の運用ノウハウ並びに人的リソースを活用することで、BPO関連事業を拡大させる、2)金融業界以外の民間企業及び官公庁向けにおいて、より幅広い人材サービス提供を可能とし、企画提案型BPO業務処理受託を一層充実する、3)双方の経営資源を相互活用し、各々の事業成長・業務効率向上を目指す、の3点となる。
2019年2月期第2四半期累計の連結売上高構成比で見ると、BPO関連事業部門で50.6%、CRM関連事業部門で15.2%、一般事務事業部門で17.0%と事務系人材サービス事業で売上高の82.7%を占め、製造系人材サービス事業は15.9%となっている。その他として1.3%あるが、これはJBSの子会社で行っている自動車管理事業となる。各事業の内容は以下のとおり。
1. 事務系人材サービス事業
(1) BPO関連事業部門
同社の売上高の過半を占めるBPO関連事業部門では、BPO事業者※が請け負ったBPO業務への人材派遣、並びに、官公庁及び企業等の業務プロセスの一部についての企画提案型の人材派遣及び請負業務を行っており、一部最終顧客から直接受注する案件もある。
※BPO事業者…官公庁及び企業等に対して業務効率化等の企画提案を行ったうえで、BPO業務を受託する者をBPO事業者と言う。
企業や官公庁等がBPOを導入するメリットは、固定費の流動化(業務繁忙期に合わせた人員は不要)や管理コストの削減が挙げられ、また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービス品質の向上といった効果も期待できる。2006年に施行された「公共サービス改革法」を契機に、官公庁や外郭団体では「市場化テスト」という名のもとに競争入札制度を導入し、民間企業の活用を積極的に進めている。
同社の強みは、1,000人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることにある。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステム(Webシステムを活用した適正テストの実施やシフト希望確認など)によって、短期間で最適な人材を集めることを可能とし、また、社員を現場に常駐させることによって、派遣スタッフの労務管理を含めた現場での運用能力強化だけでなく、オペレーションの改善提案等による業務効率の向上に取り組むことでサービス品質を高め、顧客満足度の向上につなげていることが強みとなっている。
BPO業務の運用に関して、同社では経験豊富なSV(スーパーバイザー)をリーダーとする「チーム派遣」を行っている。事務処理・データ入力・書類発送等を中心とした業務に対して、SVをリーダーとする10人程度のチーム編成を組み日々の業務を処理している。SVを配置することによって、派遣先での業務研修の実施や派遣スタッフの勤務シフトの平準化を実施し、業務の早期立ち上げ及び円滑な運用と生産性向上を可能としている。特に大量の人員が必要とされる大型プロジェクトでは、最適な運用システムと言える。
また、大型プロジェクトでは業務工程ごとに派遣会社が複数社入っているケースが多いが、派遣会社が異なると工程間の連携がスムーズに進まず業務効率が改善されないことも多い。同社ではこれら複数工程を一括受注することで工程間のスムーズな連携を実現し、また、オペレーションの改善提案等により業務効率の向上を図ることで、同一案件内における取引シェア拡大を進めている。
(2) CRM関連事業部門
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客満足度の向上を目的に、顧客との良好な関係を構築していくための経営手法を指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。
テレマーケティング事業者への人材派遣では、BPO関連事業部門と同様にチーム派遣を行い、取引先内でのシェア拡大に取り組んでいる。
(3) 一般事務事業部門
一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。一般事務事業における人材派遣業務に関しては、パーソルホールディングス<2181>やパソナグループ<2168>など大手人材派遣会社の寡占化が進んでおり競争も激しいが、同社では、BPO案件の受注獲得につなげていくためのフック役として、CRM関連事業部門や一般事務事業部門を位置付けている。このため、CRM関連事業部門や一般事務事業部門でそれぞれ受注を獲得した案件で、その後に追加で異なる業務の受注を獲得した場合は、BPO関連事業部門の売上げとして計上されることになる。
2. 製造系人材サービス事業
子会社のキャリアリンクファクトリーで展開する事業となる。主に兵庫県を中心に展開しており、企業の製造拠点等において、組み立て梱包作業や製造に関する業務及び食品加工についての人材派遣、請負業務を行っている。顧客の業種別売上高構成比ではコンビニベンダーを中心とした食品加工業が5割強と最も高く、輸送機械や家電、医療機器、流通業界等が続く。営業拠点は姫路本社、東京、静岡、沖縄に続いて、2018年に入って熊本、埼玉に相次いで開設するなど事業エリアの拡大を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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キャリアリンク<6070>は、1996年に創業した人材派遣会社で、短期間での大量動員・業務立ち上げを可能とする運用ノウハウを強みにBPO関連事業やCRM関連事業の事務系人材サービス分野を中心に成長を続けてきた。営業拠点は東京のほか、札幌、仙台、新横浜、大阪、福岡、沖縄の7拠点となっている。2017年3月には製造系人材サービス事業の成長加速を図るため、子会社のキャリアリンクファクトリーを新設し、同年6月に事業承継している。
また、2018年3月にだいこう証券ビジネス<8692>(以下、DSB)の子会社であったJBSの全株式を取得するとともに、DSBと資本業務提携を締結している(相互に1%の株式を取得)。JBSは大手証券会社を中心とした金融業界向けに人材サービス事業を展開しているほか、人事給与請負事業やビジネスサポート事業等も行っている。今回のDSBとの資本業務提携の狙いは、1)DSBが得意とする金融業界向けBPO案件において同社の運用ノウハウ並びに人的リソースを活用することで、BPO関連事業を拡大させる、2)金融業界以外の民間企業及び官公庁向けにおいて、より幅広い人材サービス提供を可能とし、企画提案型BPO業務処理受託を一層充実する、3)双方の経営資源を相互活用し、各々の事業成長・業務効率向上を目指す、の3点となる。
2019年2月期第2四半期累計の連結売上高構成比で見ると、BPO関連事業部門で50.6%、CRM関連事業部門で15.2%、一般事務事業部門で17.0%と事務系人材サービス事業で売上高の82.7%を占め、製造系人材サービス事業は15.9%となっている。その他として1.3%あるが、これはJBSの子会社で行っている自動車管理事業となる。各事業の内容は以下のとおり。
1. 事務系人材サービス事業
(1) BPO関連事業部門
同社の売上高の過半を占めるBPO関連事業部門では、BPO事業者※が請け負ったBPO業務への人材派遣、並びに、官公庁及び企業等の業務プロセスの一部についての企画提案型の人材派遣及び請負業務を行っており、一部最終顧客から直接受注する案件もある。
※BPO事業者…官公庁及び企業等に対して業務効率化等の企画提案を行ったうえで、BPO業務を受託する者をBPO事業者と言う。
企業や官公庁等がBPOを導入するメリットは、固定費の流動化(業務繁忙期に合わせた人員は不要)や管理コストの削減が挙げられ、また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービス品質の向上といった効果も期待できる。2006年に施行された「公共サービス改革法」を契機に、官公庁や外郭団体では「市場化テスト」という名のもとに競争入札制度を導入し、民間企業の活用を積極的に進めている。
同社の強みは、1,000人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることにある。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステム(Webシステムを活用した適正テストの実施やシフト希望確認など)によって、短期間で最適な人材を集めることを可能とし、また、社員を現場に常駐させることによって、派遣スタッフの労務管理を含めた現場での運用能力強化だけでなく、オペレーションの改善提案等による業務効率の向上に取り組むことでサービス品質を高め、顧客満足度の向上につなげていることが強みとなっている。
BPO業務の運用に関して、同社では経験豊富なSV(スーパーバイザー)をリーダーとする「チーム派遣」を行っている。事務処理・データ入力・書類発送等を中心とした業務に対して、SVをリーダーとする10人程度のチーム編成を組み日々の業務を処理している。SVを配置することによって、派遣先での業務研修の実施や派遣スタッフの勤務シフトの平準化を実施し、業務の早期立ち上げ及び円滑な運用と生産性向上を可能としている。特に大量の人員が必要とされる大型プロジェクトでは、最適な運用システムと言える。
また、大型プロジェクトでは業務工程ごとに派遣会社が複数社入っているケースが多いが、派遣会社が異なると工程間の連携がスムーズに進まず業務効率が改善されないことも多い。同社ではこれら複数工程を一括受注することで工程間のスムーズな連携を実現し、また、オペレーションの改善提案等により業務効率の向上を図ることで、同一案件内における取引シェア拡大を進めている。
(2) CRM関連事業部門
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客満足度の向上を目的に、顧客との良好な関係を構築していくための経営手法を指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。
テレマーケティング事業者への人材派遣では、BPO関連事業部門と同様にチーム派遣を行い、取引先内でのシェア拡大に取り組んでいる。
(3) 一般事務事業部門
一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。一般事務事業における人材派遣業務に関しては、パーソルホールディングス<2181>やパソナグループ<2168>など大手人材派遣会社の寡占化が進んでおり競争も激しいが、同社では、BPO案件の受注獲得につなげていくためのフック役として、CRM関連事業部門や一般事務事業部門を位置付けている。このため、CRM関連事業部門や一般事務事業部門でそれぞれ受注を獲得した案件で、その後に追加で異なる業務の受注を獲得した場合は、BPO関連事業部門の売上げとして計上されることになる。
2. 製造系人材サービス事業
子会社のキャリアリンクファクトリーで展開する事業となる。主に兵庫県を中心に展開しており、企業の製造拠点等において、組み立て梱包作業や製造に関する業務及び食品加工についての人材派遣、請負業務を行っている。顧客の業種別売上高構成比ではコンビニベンダーを中心とした食品加工業が5割強と最も高く、輸送機械や家電、医療機器、流通業界等が続く。営業拠点は姫路本社、東京、静岡、沖縄に続いて、2018年に入って熊本、埼玉に相次いで開設するなど事業エリアの拡大を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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