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フォーバル Research Memo(1):2022年3月期はコロナ禍の影響が残るものの、堅調に増収増益で着地

配信元:フィスコ
投稿:2022/06/30 15:11
■要約

フォーバル<8275>は、「中小・中堅企業の利益に貢献する次世代経営コンサルタント集団」を旗印に事業展開を行っている。IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングなどを行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換した。このビジネスモデルの転換が成功し、2020年3月期まで営業利益は12期連続の増益を達成。情報化や経営改善、海外進出や事業承継など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。中小企業においてもDXが喫緊の課題となっており、同社の役割がより重くなっている。2022年4月からの東京証券取引所(以下、東証)再編においては、プライム市場へ移行した。

1. 事業概要
フォーバルビジネスグループが事業の柱である。同事業グループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。主力サービスであるアイコンサービスは、定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。直近でアイコンサービスの一環としてリリースされたサービスには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS勤怠」や業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。顧客件数と顧客単価の両方の伸びが重なり、アイコンサービスの売上高は5,724百万円(前期比22.4%増)と順調に成長している。

2. 業績動向
2022年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増の51,535百万円、営業利益が同2.6%増の2,685百万円、経常利益が同15.0%増の2,855百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.3%増の1,836百万円となり、増収増益となった。アイコンサービスが順調に増加したのに加え、過去にM&Aした子会社(株)エルコム及び(株)コーディネートが連結されたことが増収に貢献した。

2023年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.8%増の54,000百万円、営業利益が同4.2%増の2,800百万円、経常利益が同5.1%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.4%増の1,900百万円と、売上高・各利益ともに堅調に推移する予想である。

3. 成長戦略
同社は、これまで行ってきた中小企業に対するDX(デジタルトランスフォーメーション)及びGX(グリーントランスフォーメーション)の支援を融合・進化させ、“GDX(グリーンデジタルトランスフォーメーション)戦略”を発表した。長年、中小企業の経営改善に取り組んできた同社では、新たに2030年を見据えたテーマとして「中小企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位を確立」するべく、全国的に、地域の自治体や関係企業、団体、個人を巻き込みながら推進することを宣言した。主な施策として、1)GDXアドバイザーの創造、2)新たな貸出ビジネスの創造、3)「きづなPARK」の質的・量的拡充、4)中小企業のスコアリング開始の4点を掲げている。

4. 株主還元策
2022年3月期の1株当たり配当金は年間で26.00円(維持)、配当性向36.3%となった。2023年3月期は、堅調な増益予想を背景に、配当金27.00円(1円増配)、配当性向36.4%を予想する。

■Key Points
・アイコンサービスを軸にDXを支援するフォーバルビジネスグループ、新電力・保険サービスが成長するフォーバルテレコムビジネスグループが2本柱
・2022年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が残るものの、堅調に増収増益で着地。アイコンサービスの成長とM&Aによる子会社業績が貢献
・2023年3月期は売上高540億円(前期比4.8%増)、営業利益28億円(同4.2%増)を予想
・中小企業のDX及びGXを支援する“GDX戦略”が地方を起点に展開始まる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ
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