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三信電気のニュース
―NISA拡充で高配当銘柄に熱視線、足の速さも魅力の有望株をロックオン―
週末16日の東京株式市場はリスクオフの波に洗われる格好で主力株中心に大きく売り込まれる展開となった。日経平均株価は500円を超える下落で再び2万7000円台半ばまで押し戻されたが、ここは逃げる場面ではなく買いの好機到来と強気に構えなければならない。仮にもう一段の下げがあったとしてもそこは買い下がる方針で臨み、その結果大きな果実を手にすることができるだろう。
●波乱を好機と捉えるのが勝ち組の思考
米国株市場はFOMCを契機に金融引き締め長期化を懸念したという解釈だが、冷静に見ればFOMC前も今も走っているレールは全く一緒で、ポイント切り替えが行われたような形跡はない。すべては想定通りに進んでおり、乱れが生じているのは“投資家の心”のみである。センチメントに振り回されるのではなく、それを逆に利用するのが株式投資における勝ち組の思考といえる。
では、どのような銘柄を買いの対象とすればよいのか。投資家が元来、株を保有するうえで大きな魅力となるのが企業の配当金である。当該企業の実力や成長性に期待して投資を行い、その投資の見返りとして企業が生み出した利益の一部を分配してもらうというのは、投資のコンセプトとして理にかなっている。株式投資は株価の値上がりによるキャピタルゲインばかりがクローズアップされがちだが、その原点は企業の株主への還元である。株価が上昇するということはその企業が成長期待を担っていることにほかならないが、成長の先に株主への利益還元があるからこその投資であり、そこを見失ってはいけない。
●国策が生む「シン・NISA」で変わる景色
増税内閣として国民の支持を落としている岸田政権だが、その一方で株式市場にポジティブな政策的支援も行っている。政府は2024年1月から、18歳以上を対象とした新しい少額投資非課税制度、いわゆる新「NISA」を導入する方針にあることが伝えられている。新たなNISAは、指定した投資信託だけを対象に投資できる「つみたて投資枠」と、ハイリスクの投資信託を除いて株式や投資信託に幅広く投資できる「成長投資枠」を設け、「つみたて」で年間120万円、「成長」で同240万円、それぞれ投資が可能となる。投資総額の上限は1800万円で無期限非課税というものだ。
成人年齢の引き下げに伴い23年から現行のNISAも18歳以上が対象となる。また、新たなNISAで投資額を増額し期間も拡張したことは個人のニューマネーを呼び込むうえで力強い追い風となる。この一連の動きは、株式投資において原点回帰の潮流を生む可能性がある。具体的には高配当利回り銘柄を見直す動きである。例えば、机上論ではあるが、仮に配当利回り5%の銘柄を20年間保有すればコストゼロで持ち株数が2倍になったに等しい資産効果が生まれる。もちろん、その過程で株価が値上がりすれば、キャピタルゲインという形で投資家は恩恵を享受することができるのだ。
●成長力と高株主還元を併せ持った妙味株を探せ
高配当銘柄はいつの時代も投資家からの関心が高いが、これからは一段と人気素地を開花させる銘柄が増えそうだ。全体相場が荒れた時にはむしろ株主還元に積極的な企業を安く買えるチャンスと心得たい。また、高配当利回り銘柄は成長株と対極の関係にあるわけでは決してない。成長力と高株主還元を併せ持った妙味株も東京市場には数多く眠っている。現在、プライム、スタンダード、グロース3市場合計約3790銘柄のうち、配当利回りが5%を超えている銘柄が140銘柄あまり存在する。そこから更に魅力的な株を選りすぐってみたい。
今回のトップ特集では配当利回りが5%以上で、なおかつ成長性と急騰力を兼ね備えた“キャピタル・インカム両取り可能”な有望株を10銘柄エントリーした。
●急騰力に富む5%超の高配当利回り株はこれだ!
◎三信電気 <8150> [東証P]
三信電は民生用半導体商社でゲーム機向けに強みを持っており、主要取引先として任天堂 <7974> [東証P]やソニーグループ <6758> [東証P]を有する。売上高の65%を海外で占めており、円安効果も反映し23年3月期営業利益は従来予想の30億3000万円から2倍以上となる62億円(前期比47%増)に増額修正。前期の営業利益も前々期比でほぼ倍増しており、業績変化率の高さが際立つ。今期配当は前期実績に35円上乗せの135円を計画し、来期業績はいったん伸び悩みが予想されるものの配当は維持されそうだ。【配当利回り6.15%】
◎伯東 <7433> [東証P]
伯東は半導体 や電子機器を扱う商社で、化合物半導体関連機器などに強みを持つ。株主還元に極めて前向きで、最新の中期経営計画では総還元性向100%を目標に置いている。23年3月期業績は営業利益段階で従来予想の70億円から120億円(前期比64%増)に大幅増額修正した。車載関連機器の需要が底堅く推移しているほか、産業機器分野も設備投資の動きが活発。また、旺盛な半導体設備投資需要も製造装置需要を喚起している。抜群の利益成長力で今期配当は前期実績比90円増の250円に。【配当利回り6.19%】
◎アバールデータ <6918> [東証S]
アバールは半導体製造装置用の電子制御装置を製造する。受託製品が高水準で収益に貢献している。レーザーテック <6920> [東証P]の大株主としても知られ、23年3月期は政策保有株式の見直しにより資産効率向上を図る目的で一部を売却、最終利益を従来予想から24億円あまり増額修正し、前期比2.7倍の40億8600万円と高変化を見込んでいる。株価は11月中旬から急騰トレンドに突入、同月25日には4025円の年初来高値をつけた。今期配当は94円予想から234円に大幅増額した。【配当利回り5.92%】
◎シキボウ <3109> [東証P]
シキボウは時価総額こそ110億円強と小さいが、紡績業界の名門で上場後既に73年半の月日が流れている。その強みともいえるのが豊富な土地含み益で財務基盤は盤石といってよい。本業では航空機向け複合材料が回復色をみせるほか、抗ウイルス加工技術「フルテクト」は新型コロナウイルスに対する効果も確認されるなど、素材分野の展開力が同社の強みとなっている。23年3月期は株式売却に伴い最終利益予想を増額、16億円(前期実績4900万円)と急拡大見込みにある。【配当利回り5.13%】
◎NEW ART HOLDINGS <7638> [東証S]
NEWARTはブライダルダイヤ指輪を主力とするブライダルジュエリー事業のほか、フィンテック事業としてアートファンドの組成・運営なども行う。足もとの業績もコロナ禍の逆風を乗り越え好調を堅持、23年3月期は最終利益段階で前期比10%増の16億3000万円と3期ぶりに過去最高を更新する見通し。株主還元にも前向きで毎期増配を続けるほか、自社株買いに積極的な姿勢をみせる。ITbookホールディングス <1447> [東証G]の上位株主でもあり事業アライアンスを目指している。【配当利回り6.61%】
◎ディア・ライフ <3245> [東証P]
ディアライフは都内を中心に投資用マンション や商業ビルの開発を手掛ける。都心部のターミナル駅から30分以内のエリアなどを対象に厳選した仕入れを行い、高収益に反映させている。同社は9月期決算だが、22年9月期は売上高が前の期比97%増の519億500万円と倍増、経常利益も同38%増の56億6600万円と急拡大した。23年9月期は経常利益が前期比6%増の60億円と増益基調を堅持する見込み。25年9月期に経常利益100億円を目標とした中期経営計画を策定している。【配当利回り6.03%】
◎新日本建物 <8893> [東証S]
新日建物は東京23区を中心に首都圏でマンション事業や不動産ソリューション事業を展開、このほか戸建て分譲も手掛ける。収益の柱を担う資産運用型マンション事業は富裕層向けに好調な需要を開拓している。11月29日には資産運用型マンション「ルネサンスコート平和島Forest Park」を竣工させた。23年3月期業績は単独から連結決算に移行するため単純比較はできないが、営業利益段階で前期実績17億3400万円に対し、21億7000万円と25%の高い伸びを予想している。【配当利回り5.63%】
◎サンコール <5985> [東証P]
サンコールは自動車向けを中心とする部品メーカーで精密ばねを主力とし、HDD用など電子・情報機器向けも手掛ける。材料から精密加工品までの一貫生産を特長としている。自動車向けは電気自動車(EV)シフトの動きにも対応し新たな製品開発を推進。更に医療分野では介護用ロボットの開発にも取り組んでいる。23年3月期営業利益は前期比3倍の20億円を計画する。若干下振れる可能性もあるが大幅増益に変わりなく、来期も増益基調は継続する公算が大きい。PBR0.5倍前後は超割安。【配当利回り6.04%】
◎三ツ星ベルト <5192> [東証P]
三星ベは動力伝動で使われるVベルトの大手メーカーで自動車や産業機械向けを主力としている。自動車用ベルトは東南アジアの二輪車向けや北米向けバギーなどの受注活発で収益に反映されている。23年3月期業績は期初予想を上方修正しており、売上高は従来計画の775億円から830億円(前期比11%増)、営業利益は80億円から87億円(同14%増)に増額し、ともに2ケタ成長を確保する見込み。今期配当は前期実績比100円近い増配で240円を計画。【配当利回り7.03%】
◎有沢製作所 <5208> [東証P]
有沢製はプリント基板向けを主力に樹脂加工製品主体の電子材料 を製造する。海外売上比率が60%と高いが、中国のゼロコロナ政策による経済活動への影響を背景に電子材料の需要が想定を下回り、23年3月期営業利益は従来計画の34億円から26億円(前期比22%減)に減額した。これを受けて株価はいったん大きく下押したものの、その後は来期の業績回復を先取りする形で切り返している。新潟に新製品の研究開発拠点を設立予定にあり思惑を内包。株式需給面では取組妙味も。【配当利回り6.86%】
株探ニュース
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