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サンワテクノスのニュース
■業績の動向
3. 2022年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2022年3月期の業績は売上高で前期比10.3%増の148,700百万円、営業利益で同95.1%増の4,200百万円、経常利益で同69.0%増の4,340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同70.2%増の3,040百万円と2ケタ増収増益となる見通しだ。売上高と営業利益については4期ぶりに過去最高を更新することになる。コロナ禍の影響や半導体をはじめとする部材の供給不足、中国における電力不足に起因する生産活動への影響など先行きに関して依然不透明な状況が続くものの、第2四半期までの進捗状況や今後の市場環境の動向も踏まえて、期初会社計画から上方修正している。地域別では、特に中国向けの売上高が想定を上回っており、上方修正の主たる要因となっている。
2022年3月期より収益認識に関する会計基準の変更に伴い、自動車(車載)の有償支給品を売上高及び売上原価から除外する純額表示となったことにより、その影響額として16,185百万円の減収要因になると同社では見込んでいる。従来と同一基準で比較すれば、売上高は前期比22.3%増の164,885百万円となる見通しだ。経常利益の増減要因を見ると、売上増に伴う売上総利益の増加で1,476百万円、売上総利益率の上昇による売上総利益の増加で2,174百万円となり、販管費の増加1,597百万円と営業外収支の悪化280百万円を吸収する。
売上総利益率は2022年3月期第2四半期累計の12.3%から通期では12.0%(前期実績10.6%)と若干低下することを想定している。下期に売上総利益率が下がる要因は特に見当たらないが、市場環境が不透明なことから保守的に想定しているものと思われる。また、販管費率については第2四半期累計の9.4%から通期は9.2%(前期実績9.0%)に低下する見込み。下期に売上高が増加することが低下要因となっている。なお、旧会計基準ベースにおいて売上総利益率は10.8%と前期比で0.2ポイント上昇し、販管費率は8.3%と逆に0.7ポイント低下することになる。
なお、販管費の増加要因として人件費や荷造運搬費の増加に加えて、2021年10月から出張を全面解禁したことによる出張費等の増加も織り込んでいる。また、在宅勤務率についても緊急事態宣言下において70%の水準を維持してきたが、同年10月より20%に引き下げ、新規顧客開拓等の営業活動を強化していくことにしている。
2021年10月の受注状況については中国向けを中心に引き続き高水準を維持しているようで、中国景気減速の影響は同社の顧客先では現時点では出ていないようだ。引き続き電気自動車や太陽光パネル関連メーカーの設備投資意欲が旺盛なほか、現地日系企業からの受注も高水準を維持している。受注案件の中には1年先納期の案件が入り始めているほか、引き合いベースでは2年先の納期分の商談も出始めているようで、半導体や部材不足の生産への影響を懸念した動きが続いている。このため、受注ベースでは、一旦減速する局面が出てくる可能性があるものの、市場環境に大きな変化がなければ、豊富な受注残を背景に通期業績は会社計画に対して上振れする可能性があると弊社では見ている。
なお、海外売上高(現地法人ベース)は為替レート111.9円/米ドル(前期は110円/米ドル)を前提に前期比35.2%増の48,489百万円、売上構成比で32.6%(前期は26.6%)を見込んでいる。すべての地域で2ケタ増収を見込んでおり、68%を占める中国では自動車や半導体、環境・エネルギー業界向けの需要拡大が続く見通し。また、そのほかアジアではグローバルSCMソリューションの売上増を、欧米についてはコロナ禍の影響が一巡したとして設備投資関連の需要回復を見込んでいる。海外向けに関しては主に米ドル建てで販売しており、1円/米ドルの円安による業績への影響額は、売上高で約5億円、経常利益で5千万円程度のプラス要因になると見られる。また海外子会社13社はすべて12月決算となっており、これら子会社の2021年10~12月の業績は、2022年3月期第4四半期の連結業績に反映されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 2022年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2022年3月期の業績は売上高で前期比10.3%増の148,700百万円、営業利益で同95.1%増の4,200百万円、経常利益で同69.0%増の4,340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同70.2%増の3,040百万円と2ケタ増収増益となる見通しだ。売上高と営業利益については4期ぶりに過去最高を更新することになる。コロナ禍の影響や半導体をはじめとする部材の供給不足、中国における電力不足に起因する生産活動への影響など先行きに関して依然不透明な状況が続くものの、第2四半期までの進捗状況や今後の市場環境の動向も踏まえて、期初会社計画から上方修正している。地域別では、特に中国向けの売上高が想定を上回っており、上方修正の主たる要因となっている。
2022年3月期より収益認識に関する会計基準の変更に伴い、自動車(車載)の有償支給品を売上高及び売上原価から除外する純額表示となったことにより、その影響額として16,185百万円の減収要因になると同社では見込んでいる。従来と同一基準で比較すれば、売上高は前期比22.3%増の164,885百万円となる見通しだ。経常利益の増減要因を見ると、売上増に伴う売上総利益の増加で1,476百万円、売上総利益率の上昇による売上総利益の増加で2,174百万円となり、販管費の増加1,597百万円と営業外収支の悪化280百万円を吸収する。
売上総利益率は2022年3月期第2四半期累計の12.3%から通期では12.0%(前期実績10.6%)と若干低下することを想定している。下期に売上総利益率が下がる要因は特に見当たらないが、市場環境が不透明なことから保守的に想定しているものと思われる。また、販管費率については第2四半期累計の9.4%から通期は9.2%(前期実績9.0%)に低下する見込み。下期に売上高が増加することが低下要因となっている。なお、旧会計基準ベースにおいて売上総利益率は10.8%と前期比で0.2ポイント上昇し、販管費率は8.3%と逆に0.7ポイント低下することになる。
なお、販管費の増加要因として人件費や荷造運搬費の増加に加えて、2021年10月から出張を全面解禁したことによる出張費等の増加も織り込んでいる。また、在宅勤務率についても緊急事態宣言下において70%の水準を維持してきたが、同年10月より20%に引き下げ、新規顧客開拓等の営業活動を強化していくことにしている。
2021年10月の受注状況については中国向けを中心に引き続き高水準を維持しているようで、中国景気減速の影響は同社の顧客先では現時点では出ていないようだ。引き続き電気自動車や太陽光パネル関連メーカーの設備投資意欲が旺盛なほか、現地日系企業からの受注も高水準を維持している。受注案件の中には1年先納期の案件が入り始めているほか、引き合いベースでは2年先の納期分の商談も出始めているようで、半導体や部材不足の生産への影響を懸念した動きが続いている。このため、受注ベースでは、一旦減速する局面が出てくる可能性があるものの、市場環境に大きな変化がなければ、豊富な受注残を背景に通期業績は会社計画に対して上振れする可能性があると弊社では見ている。
なお、海外売上高(現地法人ベース)は為替レート111.9円/米ドル(前期は110円/米ドル)を前提に前期比35.2%増の48,489百万円、売上構成比で32.6%(前期は26.6%)を見込んでいる。すべての地域で2ケタ増収を見込んでおり、68%を占める中国では自動車や半導体、環境・エネルギー業界向けの需要拡大が続く見通し。また、そのほかアジアではグローバルSCMソリューションの売上増を、欧米についてはコロナ禍の影響が一巡したとして設備投資関連の需要回復を見込んでいる。海外向けに関しては主に米ドル建てで販売しており、1円/米ドルの円安による業績への影響額は、売上高で約5億円、経常利益で5千万円程度のプラス要因になると見られる。また海外子会社13社はすべて12月決算となっており、これら子会社の2021年10~12月の業績は、2022年3月期第4四半期の連結業績に反映されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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