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サンワテクノスのニュース
■業績の動向
1. 2019年3月期決算の概要
サンワテクノス<8137>の2019年3月期は、売上高145,410百万円(前期比0.9%減)、営業利益3,410百万円(同17.5%減)、経常利益3,627百万円(同16.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,628百万円(同14.8%減)と減収減益で着地した。
同社は2019年1月30日付で通期見通しの下方修正を行ったが、その修正予想に対しては売上高、利益ともに若干上回った。
売上高は、期初予想は157,500百万円だったが第2四半期決算に際して150,000百万円へと微調整された。この時点までは受注の入り方も順調で下期も堅調な推移が予想された。しかし第3四半期(2018年10月−12月)に入ると受注が急減し、それが売上高に反映される第4四半期の業績が懸念される事態となった。こうした状況受けて2019年1月30日の第3四半期決算発表に際して通期見通しを再度修正し、売上高の見通しを142,000百万円へと引き下げた。最終的には、第4四半期に追い上げた効果もあって、直前予想を2.4%(3,410百万円)上回って着地した。
売上高が期初計画から下方修正となったのは、地域的にはアジア(なかでも中国)、需要先業界としては主力のFA・産業機器業界向けの販売が低下したため。その背景には米中貿易摩擦や中国での自動車販売の減少をトリガーに、中国において設備投資や生産活動が急速に冷え込んだことがある。一方で、日本においては自動車の車載品向けに電子部門の販売が堅調で、前期比増収を確保するなど、地域や需要分野で明暗が分かれた。
利益面では、売上高同様、2019年1月の修正によって、営業利益見通しがそれまでの4,400百万円から2,700百万円へと引き下げられた。最終的には、売上高同様に修正予想を上回り、営業利益3,410百万円、営業利益率2.3%での着地となった。
営業利益率は上期が3.0%だったのに対し、下期は1.7%に大きく低下した。これは一言で言えば製品ミクスの悪化が要因だ。具体的には、前述のように中国でのFA・産業機器業界向けが低下する一方で国内の自動車・車載機器向けの販売が堅調だった結果、製品ミクスが悪化したということだ。機械部門において低採算性の大型案件の計上があったことも利益率低下に拍車をかけた。
同社が利益率改善への突破口として取り組むエンジニアリング事業は、2019年3月期の売上高は11,985百万円(前期比5%減)となった。売上高は大型案件の有無等で左右されるため年ごとの変動が大きいが、2019年3月期は不安定な事業環境にあっても100億円の大台を維持した。同社がエンジニアリング事業で最も重視するのは売上総利益率だが、2019年3月期は12.6%と、前期の13.4%から悪化した。利益率低下の要因は、全社動向と同様、製品ミクスの悪化とみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
1. 2019年3月期決算の概要
サンワテクノス<8137>の2019年3月期は、売上高145,410百万円(前期比0.9%減)、営業利益3,410百万円(同17.5%減)、経常利益3,627百万円(同16.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,628百万円(同14.8%減)と減収減益で着地した。
同社は2019年1月30日付で通期見通しの下方修正を行ったが、その修正予想に対しては売上高、利益ともに若干上回った。
売上高は、期初予想は157,500百万円だったが第2四半期決算に際して150,000百万円へと微調整された。この時点までは受注の入り方も順調で下期も堅調な推移が予想された。しかし第3四半期(2018年10月−12月)に入ると受注が急減し、それが売上高に反映される第4四半期の業績が懸念される事態となった。こうした状況受けて2019年1月30日の第3四半期決算発表に際して通期見通しを再度修正し、売上高の見通しを142,000百万円へと引き下げた。最終的には、第4四半期に追い上げた効果もあって、直前予想を2.4%(3,410百万円)上回って着地した。
売上高が期初計画から下方修正となったのは、地域的にはアジア(なかでも中国)、需要先業界としては主力のFA・産業機器業界向けの販売が低下したため。その背景には米中貿易摩擦や中国での自動車販売の減少をトリガーに、中国において設備投資や生産活動が急速に冷え込んだことがある。一方で、日本においては自動車の車載品向けに電子部門の販売が堅調で、前期比増収を確保するなど、地域や需要分野で明暗が分かれた。
利益面では、売上高同様、2019年1月の修正によって、営業利益見通しがそれまでの4,400百万円から2,700百万円へと引き下げられた。最終的には、売上高同様に修正予想を上回り、営業利益3,410百万円、営業利益率2.3%での着地となった。
営業利益率は上期が3.0%だったのに対し、下期は1.7%に大きく低下した。これは一言で言えば製品ミクスの悪化が要因だ。具体的には、前述のように中国でのFA・産業機器業界向けが低下する一方で国内の自動車・車載機器向けの販売が堅調だった結果、製品ミクスが悪化したということだ。機械部門において低採算性の大型案件の計上があったことも利益率低下に拍車をかけた。
同社が利益率改善への突破口として取り組むエンジニアリング事業は、2019年3月期の売上高は11,985百万円(前期比5%減)となった。売上高は大型案件の有無等で左右されるため年ごとの変動が大きいが、2019年3月期は不安定な事業環境にあっても100億円の大台を維持した。同社がエンジニアリング事業で最も重視するのは売上総利益率だが、2019年3月期は12.6%と、前期の13.4%から悪化した。利益率低下の要因は、全社動向と同様、製品ミクスの悪化とみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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