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サンゲツのニュース
■要約
ウェーブロックホールディングス<7940>は、防虫網や農業用、建設資材用各種シート等のマテリアルソリューション事業と、金属調加飾フィルムを中心としたアドバンストテクノロジー事業を展開する樹脂加工メーカーである。2021年3月に主力事業の1つであったインテリア事業(住宅用壁紙)を主要取引先のサンゲツ<8130>に譲渡し、成長事業に経営リソースを集中し、収益拡大を目指す方針を明らかにした。東京証券取引所(以下、東証)市場区分見直しに伴い、2022年4月よりスタンダード市場に移行している。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.3%増の11,427百万円、営業利益で同16.5%減の448百万円となり、おおむね会社計画(売上高12,000百万円、営業利益450百万円)どおりの進捗となった。売上高は、マテリアルソリューション事業における売価転化値上げや新たに連結子会社化した(株)エイゼンコーポレーションの売上寄与、アドバンストテクノロジー事業における自動車向け金属調加飾フィルムの販売好調により増収となった。一方、営業利益についてはアドバンストテクノロジー事業が増益となったものの、原材料価格高騰の影響でマテリアルソリューション事業が減益となり、全体の足を引っ張る格好となった。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比16.2%増の24,400百万円、営業利益で同9.2%減の590百万円とする期初計画を据え置いた。原材料価格の指標となるナフサ価格については、下期の前提価格81,800円/kl(前期は50,200円/kl※)に対して、第3四半期に入り7万円/kl台まで低下するなどピークアウト感が出ているものの、為替前提レート135円/米ドルに対して円安水準で推移しており、市場環境そのものはまだ不透明感が強い。こうしたなか、下期はマテリアルソリューション事業において値上げ交渉を進めながら収益の改善に取り組むほか、アドバンストテクノロジー事業では金属調加飾フィルムのさらなる成長を図ることで計画達成を目指していく。金属調加飾フィルムについては、米国のEV車向けに採用が相次いだことで、売上高も本格的に伸び始めている。旺盛な需要に対応するため、2022年9月に名古屋第二工場を立ち上げ、同フィルムを利用した自動車用樹脂部品の生産能力を4割増強した。また、今後の需要拡大を見据えて、フィルムの生産能力も2022年内に6割増強する計画となっている。金属調加飾フィルムは透過性が高く電波を遮断しないこと、環境負荷が低いことなどが長所となっており、今後は国内外でEV車向けを中心に採用が広がり、収益をけん引していくものと予想される。
※2021年1月~12月の平均値。
3. 中期経営計画
2021年6月に発表した中期3か年計画では、成長事業と位置付けているアドバンストテクノロジー事業に積極的な投資を行っていくほか、マテリアルソリューション事業については「事業構造の転換」を進め、差別化が可能な製品やソリューションに注力していくことで収益力の強化を図る。また、新規事業にも積極的に投資していく考えで、既存事業で同社が進出していない分野を手掛けている企業や、同社とは異なるビジネスモデルで展開している企業などへの出資やM&Aを検討している。2022年9月に出資した(株)チームライク※もその一例となる。そのほか、同社が強みを発揮できるアグリ分野への展開も進める予定だ。アグリ分野については、マテリアルソリューション事業において各種樹脂製品を製造販売しているほか地中熱ビジネスを展開していく予定だが、AIやIoTを活用して農業の生産性向上を支援するベンチャー企業などへの出資も検討しており、様々なソリューションを提供していくことで日本の農業を支援する考えだ。
※工場・倉庫などのユーザーに向けた業務用ビニールカーテン・シートの専門ECサイト「ビニプロ.Com」を運営。加工工場も持っており、短納期・小ロットでの納品が可能なオーダーメイド加工体制を構築していることが特長。出資比率は11.21%。
■Key Points
・M&A戦略により事業基盤の強化と領域拡大を進める樹脂加工メーカー、環境関連ビジネスも展開
・2023年3月期業績は、原材料価格高騰の影響を受け増収営業減益計画であるものの、金属調加飾フィルムが引き続き好調に推移する見込み
・金属調加飾フィルムの成長により、将来的にアドバンストテクノロジー事業で売上高100億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NS>
ウェーブロックホールディングス<7940>は、防虫網や農業用、建設資材用各種シート等のマテリアルソリューション事業と、金属調加飾フィルムを中心としたアドバンストテクノロジー事業を展開する樹脂加工メーカーである。2021年3月に主力事業の1つであったインテリア事業(住宅用壁紙)を主要取引先のサンゲツ<8130>に譲渡し、成長事業に経営リソースを集中し、収益拡大を目指す方針を明らかにした。東京証券取引所(以下、東証)市場区分見直しに伴い、2022年4月よりスタンダード市場に移行している。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.3%増の11,427百万円、営業利益で同16.5%減の448百万円となり、おおむね会社計画(売上高12,000百万円、営業利益450百万円)どおりの進捗となった。売上高は、マテリアルソリューション事業における売価転化値上げや新たに連結子会社化した(株)エイゼンコーポレーションの売上寄与、アドバンストテクノロジー事業における自動車向け金属調加飾フィルムの販売好調により増収となった。一方、営業利益についてはアドバンストテクノロジー事業が増益となったものの、原材料価格高騰の影響でマテリアルソリューション事業が減益となり、全体の足を引っ張る格好となった。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比16.2%増の24,400百万円、営業利益で同9.2%減の590百万円とする期初計画を据え置いた。原材料価格の指標となるナフサ価格については、下期の前提価格81,800円/kl(前期は50,200円/kl※)に対して、第3四半期に入り7万円/kl台まで低下するなどピークアウト感が出ているものの、為替前提レート135円/米ドルに対して円安水準で推移しており、市場環境そのものはまだ不透明感が強い。こうしたなか、下期はマテリアルソリューション事業において値上げ交渉を進めながら収益の改善に取り組むほか、アドバンストテクノロジー事業では金属調加飾フィルムのさらなる成長を図ることで計画達成を目指していく。金属調加飾フィルムについては、米国のEV車向けに採用が相次いだことで、売上高も本格的に伸び始めている。旺盛な需要に対応するため、2022年9月に名古屋第二工場を立ち上げ、同フィルムを利用した自動車用樹脂部品の生産能力を4割増強した。また、今後の需要拡大を見据えて、フィルムの生産能力も2022年内に6割増強する計画となっている。金属調加飾フィルムは透過性が高く電波を遮断しないこと、環境負荷が低いことなどが長所となっており、今後は国内外でEV車向けを中心に採用が広がり、収益をけん引していくものと予想される。
※2021年1月~12月の平均値。
3. 中期経営計画
2021年6月に発表した中期3か年計画では、成長事業と位置付けているアドバンストテクノロジー事業に積極的な投資を行っていくほか、マテリアルソリューション事業については「事業構造の転換」を進め、差別化が可能な製品やソリューションに注力していくことで収益力の強化を図る。また、新規事業にも積極的に投資していく考えで、既存事業で同社が進出していない分野を手掛けている企業や、同社とは異なるビジネスモデルで展開している企業などへの出資やM&Aを検討している。2022年9月に出資した(株)チームライク※もその一例となる。そのほか、同社が強みを発揮できるアグリ分野への展開も進める予定だ。アグリ分野については、マテリアルソリューション事業において各種樹脂製品を製造販売しているほか地中熱ビジネスを展開していく予定だが、AIやIoTを活用して農業の生産性向上を支援するベンチャー企業などへの出資も検討しており、様々なソリューションを提供していくことで日本の農業を支援する考えだ。
※工場・倉庫などのユーザーに向けた業務用ビニールカーテン・シートの専門ECサイト「ビニプロ.Com」を運営。加工工場も持っており、短納期・小ロットでの納品が可能なオーダーメイド加工体制を構築していることが特長。出資比率は11.21%。
■Key Points
・M&A戦略により事業基盤の強化と領域拡大を進める樹脂加工メーカー、環境関連ビジネスも展開
・2023年3月期業績は、原材料価格高騰の影響を受け増収営業減益計画であるものの、金属調加飾フィルムが引き続き好調に推移する見込み
・金属調加飾フィルムの成長により、将来的にアドバンストテクノロジー事業で売上高100億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NS>
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