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三栄コーポレーションのニュース
■要約
三栄コーポレーション<8119>は、70年以上の歴史を持ち高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には18ヶ所の拠点、国内直営小売店64店舗を持つ。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。ビジネスモデル面ではOEMが売上高の約7割を占める。事業セグメント別では家具家庭用品事業(2022年3月期第2四半期売上比62.7%)、服飾雑貨事業(同21.7%)、家電事業(同10.8%)の3事業が柱となっている。
1. 2022年3月期第2四半期の連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が16,279百万円(前年同期比14.0%増)、営業損失が358百万円(前年同期は810百万円の損失)、経常損失が242百万円(同751百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が375百万円(同794百万円の損失)となった。期初の上期予想を上回り、順調に折り返した。第2四半期単独では、第1四半期比で営業損失が縮小しており、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響から回復基調にあることが分かる。売上高に関しては、家具家庭用品事業セグメントが前年同期比で3,029百万円増となり増収をけん引した。海外における経済活動の一早い回復や国内における巣ごもり需要を背景に、OEM事業の受注状況が改善したことが主な要因である。また、同社が注力する家具・インテリアのネットショップ「MINT(ミント)」なども伸長した。営業利益に関しては、前年同期比で451百万円増となり、大幅に改善した。これは、原材料価格の上昇などにより売上総利益率は低下したものの、ブランド事業での店舗集約等が進み販管費が削減できたことが要因である。
2. 2022年3月期の連結業績(予想)
2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.9%増の36,000百万円、営業利益が100百万円(前期は709百万円の損失)、経常利益が100百万円(前期は446百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が10百万円(前期は717百万円の損失)と、コロナ禍の影響は残るものの一定の回復を予想している。売上高に関しては上期で期初予想を上回る増収となったが、通期の予想は据え置いた。通期売上高に関しては、第2四半期進捗率は45.2%となっており、達成も十分可能であると考えられる。なお、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の小売りを担う子会社の(株)ベネクシーでは、2022年3月期の不採算店舗の削減計画を完了しており、これ以上の減収要因にはならない見込みである。営業利益面では、下期が利益予想458百万円(前年同期は利益100百万円)となり、期を通して増益基調が鮮明となる予想となっている。弊社では、原材料価格の上昇などの多少の経済波乱は予想されるものの、足元の消費マインドの回復傾向、ベネクシーの対策が進捗していること、eコマースの成長ぶりなどから、同社の通期黒字化は十分に妥当性があると考えている。
3. トピック
同社は、近年、環境配慮やサステナブルな価値を訴求する多数のブランドの取り扱いを開始している。そして、 “より地球にやさしい”をコンセプトとした“Our EARTH Project”を推進し、持続可能な社会の実現に向け「サステナブル」「エシカル」というキーワードに合致するブランドや商品、素材、サービスの提供を行っている。その一環として、無水染色技術に優位性を持つe.dye Ltd.(本社:香港)と日本国内における独占販売契約を締結し、国内販売を開始した。e.dyeの技術は、生地の染色過程で使用する水を 85%削減し、化学品を90%削減するなど環境負荷が小さく、また独自のデジタルカラーマネージメントシステムの採用で5,000色以上の色レシピを有しており、幅広い色を再現することができる。同社によると、2021年10月に開催された「サステナブルファッションEXPO」にて展示・紹介が行われた際には、大きな反響が得られたと言う。同社にとっては環境素材の卸売販売という新しい分野への本格進出となり、今後の発展が期待される。
4. 株主還元策
同社では、株主に対する適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けている。配当に関しては同社の財政状態、今後の業績動向や資金需要などを総合的に判断し決定する。また、株主が安心して株式を長期保有できるよう可能な限り継続的に配当を実施することを方針とする。2022年3月期の配当金は、中間配当10円、期末配当10円とし、年間配当20円を予想する。なお、東京証券取引所(以下、東証)が2022年4月より3市場に再編する計画に伴い、同社は取締役会において「スタンダード市場」の選択申請を行うことを決議した。
■Key Points
・2022年3月期第2四半期業績は、家具家庭用品事業におけるOEM及びeコマースがけん引し2けた増収。ブランド店舗集約による販管費削減で収益性大幅改善
・2022年3月期業績は、売上高8.9%増の360億円及び黒字化を予想
・環境に配慮した新ブランドの導入が進展。無水染色技術「e.dye」、ずっと使える子ども家具「Formio(フォルミオ)」などに注目集まる
・2022年3月期は年間配当20円(中間10円、期末10円)を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
三栄コーポレーション<8119>は、70年以上の歴史を持ち高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には18ヶ所の拠点、国内直営小売店64店舗を持つ。欧州の差別化されたブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表されるこだわりある商品のOEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。ビジネスモデル面ではOEMが売上高の約7割を占める。事業セグメント別では家具家庭用品事業(2022年3月期第2四半期売上比62.7%)、服飾雑貨事業(同21.7%)、家電事業(同10.8%)の3事業が柱となっている。
1. 2022年3月期第2四半期の連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が16,279百万円(前年同期比14.0%増)、営業損失が358百万円(前年同期は810百万円の損失)、経常損失が242百万円(同751百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が375百万円(同794百万円の損失)となった。期初の上期予想を上回り、順調に折り返した。第2四半期単独では、第1四半期比で営業損失が縮小しており、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響から回復基調にあることが分かる。売上高に関しては、家具家庭用品事業セグメントが前年同期比で3,029百万円増となり増収をけん引した。海外における経済活動の一早い回復や国内における巣ごもり需要を背景に、OEM事業の受注状況が改善したことが主な要因である。また、同社が注力する家具・インテリアのネットショップ「MINT(ミント)」なども伸長した。営業利益に関しては、前年同期比で451百万円増となり、大幅に改善した。これは、原材料価格の上昇などにより売上総利益率は低下したものの、ブランド事業での店舗集約等が進み販管費が削減できたことが要因である。
2. 2022年3月期の連結業績(予想)
2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.9%増の36,000百万円、営業利益が100百万円(前期は709百万円の損失)、経常利益が100百万円(前期は446百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が10百万円(前期は717百万円の損失)と、コロナ禍の影響は残るものの一定の回復を予想している。売上高に関しては上期で期初予想を上回る増収となったが、通期の予想は据え置いた。通期売上高に関しては、第2四半期進捗率は45.2%となっており、達成も十分可能であると考えられる。なお、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の小売りを担う子会社の(株)ベネクシーでは、2022年3月期の不採算店舗の削減計画を完了しており、これ以上の減収要因にはならない見込みである。営業利益面では、下期が利益予想458百万円(前年同期は利益100百万円)となり、期を通して増益基調が鮮明となる予想となっている。弊社では、原材料価格の上昇などの多少の経済波乱は予想されるものの、足元の消費マインドの回復傾向、ベネクシーの対策が進捗していること、eコマースの成長ぶりなどから、同社の通期黒字化は十分に妥当性があると考えている。
3. トピック
同社は、近年、環境配慮やサステナブルな価値を訴求する多数のブランドの取り扱いを開始している。そして、 “より地球にやさしい”をコンセプトとした“Our EARTH Project”を推進し、持続可能な社会の実現に向け「サステナブル」「エシカル」というキーワードに合致するブランドや商品、素材、サービスの提供を行っている。その一環として、無水染色技術に優位性を持つe.dye Ltd.(本社:香港)と日本国内における独占販売契約を締結し、国内販売を開始した。e.dyeの技術は、生地の染色過程で使用する水を 85%削減し、化学品を90%削減するなど環境負荷が小さく、また独自のデジタルカラーマネージメントシステムの採用で5,000色以上の色レシピを有しており、幅広い色を再現することができる。同社によると、2021年10月に開催された「サステナブルファッションEXPO」にて展示・紹介が行われた際には、大きな反響が得られたと言う。同社にとっては環境素材の卸売販売という新しい分野への本格進出となり、今後の発展が期待される。
4. 株主還元策
同社では、株主に対する適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けている。配当に関しては同社の財政状態、今後の業績動向や資金需要などを総合的に判断し決定する。また、株主が安心して株式を長期保有できるよう可能な限り継続的に配当を実施することを方針とする。2022年3月期の配当金は、中間配当10円、期末配当10円とし、年間配当20円を予想する。なお、東京証券取引所(以下、東証)が2022年4月より3市場に再編する計画に伴い、同社は取締役会において「スタンダード市場」の選択申請を行うことを決議した。
■Key Points
・2022年3月期第2四半期業績は、家具家庭用品事業におけるOEM及びeコマースがけん引し2けた増収。ブランド店舗集約による販管費削減で収益性大幅改善
・2022年3月期業績は、売上高8.9%増の360億円及び黒字化を予想
・環境に配慮した新ブランドの導入が進展。無水染色技術「e.dye」、ずっと使える子ども家具「Formio(フォルミオ)」などに注目集まる
・2022年3月期は年間配当20円(中間10円、期末10円)を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
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