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キヤノンマーケティングジャパンのニュース
―AI-OCR・タイムスタンプ、デジタル革命加速で物色テーマの更なる広がりに期待―
デジタルトランスフォーメーション(DX)へのマーケットの関心が継続している。年初からの政府の新型コロナウイルス対応をめぐっては、給付金の支給に時間がかかるなど行政におけるデジタル化の遅れが改めて浮き彫りとなった。そうしたなか、9月にデジタル庁創設を掲げる菅政権が誕生したこともあり、DXは息の長いテーマとして注目されている。デジタル化に絡む銘柄は、新型コロナ感染拡大初期はテレワークをはじめとするオンライン関連株、つれてマイナンバー関連株などが注目され、その時期からDXが投資テーマとして強く意識され始めた。菅政権の発足でこの流れに弾みがつくと、その後も脱ハンコや電子署名などが次々と話題に上っており、デジタル化加速で恩恵を受ける銘柄のすそ野は広い。今後、佳境入りが予想されるDX相場で一段と活躍が期待される銘柄を探った。
●手書き文字読み取りでAI-OCRに注目
情報のデジタル化が進むなか、これまで紙でやり取りし、保管していた書類の電子化の動きも活発化しそうだ。書類をそのままスキャンする方法もあるが、その場合手書き文字の筆跡はそのまま記録されるため、あとで見返した際に読み間違えや判読ができないといったことが起こる可能性がある。また、紙に書かれた文字を文書ソフトなどに手入力する方法もあるが、さまざまな筆跡を判読しながらのデータ入力は膨大な作業量となり、それに伴いミスが起きる頻度も高くなる。
こうした場面で活躍が期待できるのが、AI-OCR(AIを用いた光学文字認識)だ。OCRは、書類をスキャナーで読み取ることで、そこに書かれている手書き文字をデジタル化する技術。これは従来からあったが、ここに人工知能(AI)を組み合わせることで文字の認識率向上や書式の異なる文書にも対応することが可能となる。
この分野の代表的な銘柄であるAI inside <4488> [東証M]は、昨年12月の新規上場以来、一貫した上昇トレンドに乗っており注目したい。同社が手掛けるAI-OCRサービス「DX Suite(ディーエックス・スイート)」は、多くの企業とパートナー契約を締結しサービス連携を進めており、販売が急拡大している。同サービスの第1四半期(4-6月)時点での契約数は5823で、21年3月期通期の契約数見通しである3546を大きく超過。収益も好調で、8月には通期の売上高、利益ともに期初予想を大幅に上方修正している。
●独自開発サービス展開するダブスタやエデュラボ、アイリック
企業向けビッグデータ活用、業務改善支援などを行うダブルスタンダード <3925> は、2017年から同社開発のAI搭載型OCRの提供を行っている。提供先企業には、資本業務提携を行っているSBIグループをはじめ、野村証券やマネックス証券、クレディセゾン <8253> などがある。SBIホールディングス <8473> は、ここ地銀再編に絡み注目を集めていることから、ダブスタも折に触れ株価が刺激されそうだ。
教育ICT関連株に位置づけられるEduLab <4427> は、18年にディープラーニングに基づくAIを活用した手書き文字のテキストデータ化サービス「DEEP READ」の販売を始めた。直近では9月、オリックス生命(東京都港区)が開始する診療明細書自動読み取り機能を搭載した「給付金請求ウェブ手続きサービス」に、同サービスを提供している。今月6日に、20年9月期通期の決算発表を控えている。
アイリックコーポレーション <7325> [東証M]は、来店型保険ショップ「保険クリニック」の運営が主力だが、独自の保険分析・検索システムを銀行や生命保険会社に提供するなどシステム開発にも強みを持つ。同社のシステム事業を担う子会社インフォディオが開発した「スマートOCR」は、定型・非定型のさまざまなフォーマットの帳票をデータ化することが可能で、請求書や領収書、レシート、名刺、運転免許証などに対応している。今後、保険業界以外への技術提供も行うとしており、同サービスを武器に更なる成長を目指す。
そのほか、独自開発のOCRシステムや校正システムによって高品質なテキストデータを生成するサービスを手掛ける凸版印刷 <7911> 、紙やPDFの請求書・納品書を文字データ化するクラウド型AI帳票認識OCRソリューション「RICOH Cloud OCR シリーズ」を提供しているリコー <7752> 、「CLOVA OCR」を展開するLINE <3938> などがある。
●サイバーリンの株価急上昇でタイムスタンプに脚光
AI-OCRなどによって書類の電子化は更に加速していくと予想されるが、領収書や請求書、契約書をはじめ、国税関係の書類などを電子データとして保存する際には、法律によってタイムスタンプの付与が義務付けられている(10月の電子帳簿保存法改正で一部緩和)。タイムスタンプとは、ある時刻にその電子データが存在し、かつそれ以降改ざんされていないことを証明する技術のこと。タイムスタンプに記載されている情報と元の電子データの情報を比較することで、改ざんの有無を確認することができる。
株式市場では、関連銘柄としてサイバーリンクス <3683> の注目度が高く、株価は9月中旬以降大きく動意し、足もとは調整を入れているものの10月16日に4745円の上場来高値をつけた経緯がある。同社は、流通業や官公庁向けにクラウドサービスを提供しており、政府のデジタル化推進に絡み人気化、株価は急上昇した。これにより、タイムスタンプ自体の関心も高まっており、同社以外の関連株にも着目したい。
●大きなシェア握るセイコーHD、アマノやTKCなども
タイムスタンプで大きなシェアを握るのがセイコーホールディングス <8050> だ。同社は時計メーカー大手だが、傘下のシステム子会社セイコーソリューションズがタイムスタンプ事業を行っており、会社側の発表ではおよそ6割のシェア(17年1月~19年6月の期間における値)を占めているという。セイコーHDの21年3月期通期の業績予想は、新型コロナの影響により大幅な減収減益を余儀なくされるが、事業別にみるとウオッチ事業・電子デバイス事業は減収としている一方、セイコーソリューションズが属するシステムソリューション事業は増収としており、第1四半期(4-6月)決算においても同事業が唯一のプラスとなっている。もちろん、全体業績に占めるシステムソリューション事業の割合は高くはないが、同事業はここ数年、堅調に成長を続けていることから、中長期目線でマークしてみたい。
また、アマノ <6436> やTKC <9746> も関連銘柄として注目。アマノは02年から、TKCは16年からタイムスタンプ事業を手掛けている(TKCは4日に決算発表を控える)。そのほか、三菱電機 <6503> 傘下の三菱電機インフォメーションネットワークも同事業を行っている。
●書類電子化に絡むソリューションにも商機
データ・アプリケーション <3848> [JQ]は8月、紙文書をAI-OCRでデジタル化し、シームレスに業務システムへ連携するソリューション「OCRtran」を発売した。同サービスは、同社開発のエンタープライズ・データ連携基盤と、企業向けソフト開発などを行うウイングアーク1st(東京都港区)のAI-OCRクラウドサービス「SPA Cloud」を連携させたものでマーケットの視線を集める可能性がある。
そのほか、領収書の読み取りやタイムスタンプ付与機能なども搭載されているクラウド型経費精算システム「楽楽精算」を主力とするラクス <3923> [東証M]をはじめ、AI-OCRとクラウド型RPAによるデータ入力サービス「Robotics BPO for Smart Work」を手掛けるコニカミノルタ <4902> 、クラウド型AI-OCRソリューション「CaptureBrain(キャプチャーブレイン)」を提供するキヤノンマーケティングジャパン <8060> 、e-文書保存ソリューションを展開するJFEシステムズ <4832> [東証2]なども商機拡大に期待が持てそうだ。
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