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7889  東証JASDAQ(スタンダード)

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桑山 Research Memo(1):大手総合ジュエリーメーカーとして底力を見せる2019年3月期

配信元:フィスコ
投稿:2018/07/11 15:01
■要約

桑山<7889>は、貴金属チェーンからオリジナルジュエリー製品・OEM/ODM製品、ダイヤモンド・真珠などの宝飾素材まで幅広く取り扱う、国内トップの総合ジュエリーメーカーである。同社の主力は、オリジナルジュエリー製品とOEM/ODM製品で、テーマに沿って開発された自社企画の製品や、同社からの企画提案(ODM)あるいは取引先からの開発依頼(OEM)による製品群である。市場ニーズやトレンド、顧客の要望を的確に反映する企画・デザイン力、内外ネットワークを駆使する宝飾素材の調達力、最新技術と職人の技を融合した製造力などにより、同社はメーカーとして高い優位性を有する。また同社は、商品開発からアフターケアまでの充実したサービスを提供している。同社のオリジナリティあふれる企画品質、世界トップレベルの製品品質、顧客に寄り添った営業品質——は顧客ロイヤリティにつながっており、これを「桑山品質」と言う。

世界トップレベルの技術と設備を持つ基幹工場・富山工場において、インゴットから製品までを一貫生産している。コンテスト作品の制作から量産製造まで様々な製造方法に対応可能で、常に高品質なジュエリーを安定して供給している。そのために、同社は最先端の設備を積極的に導入し、一握りの職人しか持ち得なかった専門技術を広く標準化してきた。また中国の2工場は、無錫が機械編みチェーンやカットリング、広州がキャスト製品と棲み分け、中国国内向けに生産している。中国では、日本のジュエリーデザインの人気が高まっており、中国の大手小売チェーン向けにOEM/ODM製品の供給を伸ばしている。タイでは、ジュエリー全般の製造やダイヤモンドのカットを行い、日本へも供給している。同社の営業は、通常の営業と工場出身の技術営業がペアを組む。このため、商談の段階で製造に際しての技術的側面での検討も行われ商品開発からアフターサービスまで一貫した、スピーディで技術志向の強い営業が可能になっている。また、工程ごとに厳しい品質基準を設けており、安定した品質を確保することができる。

このような同社の企画・デザイン・製造技術・品質管理へのこだわりは、世界でも高く評価されている。2016年に同社作品の「Rhythm」が、世界のトップデザイナーとトップブランドがこぞって出展する米国のThe COUTURE Showで『COUTURE Design Awards』プラチナ部門の最高位Winnerに輝き、引き続き2017年、世界中からバイヤーが集まる世界最大規模のジュエリーショーであるHong Kong International Jewellery Showで『International Jewellery Design Excellence Award(IJDEA)』の最高賞Champion of the Championsを受賞した。さらに2018年、同社製品の「Ecume」が、The COUTURE Showの『COUTURE Design Awards』プラチナ部門で最高位Winnerを獲得した。日本製ジュエリーが、世界で高く評価されることは画期的なことと言える。

2018年3月期の業績は、売上高32,998百万円(前期比11.8%減)、営業利益869百万円(同32.1%減)となり、期初の計画に対して売上高で5,001百万円、営業利益で430百万円の未達となった。ダイヤモンドの調達体制の見直し、受注時期の偏重と集中による生産性の低下や商品開発の遅れ、中国での先行費用の発生などが減収減益要因で、なかでも生産性の低下や商品開発の遅れが収益未達の背景となった。2019年3月期の業績見通しについて、同社は売上高35,000百万円(前期比6.1%増)、営業利益1,100百万円(同26.5%増)を見込んでいる。前期収益未達の背景となった営業・製造体制の見直しを最優先事項とし、主要取引先と協働した年間開発計画の策定や生産管理の統合など諸施策を推進することで早期に生産性を改善、利益を回復させる計画である。好調な中国に関しては、桑山インターナショナル(Kuwayama International Co.,Ltd.)の本格稼動化によって、中国2工場との製販一体の体制構築に弾みをつける方針である。また、米国では、ショーのコンテストで最高位を勝ち取ったデザイン力・技術力を背景に、取引先拡大につなげる考えで、国内でのシェア拡大と中期的な成長ドライバーとして中国と北米での販路拡大を目指している。

■Key Points
・「桑山品質」で名高い、国内トップの総合ジュエリーメーカー
・世界最高峰のジュエリーショーで最高位、世界で高評価
・製造・営業体制を見直し、2019年3月期は収益大幅回復へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ
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