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アートネイチャーのニュース
*16:32JST アートネイチャ Research Memo(2):業界トップポジションを誇る総合毛髪企業
■会社概要
1. 会社概要
アートネイチャー<7823>は、男性向け・女性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を主力とした日本初の総合毛髪企業で、毛髪業界でトップポジションを誇っている。「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、トータル・ヘアコンサルタントとして、より美しく輝きのあるライフスタイルを提案していくことを使命としている。オーダーメイドウィッグは、店舗で3D型取りシステムを用いて顧客頭部の形状を型取りし、作成したデータをもとに海外の自社工場においてハンドメイドで製造される。毛髪に関する顧客ニーズは時代を追って多様化・高度化しており、現在ではオーダーメイドウィッグのほか、既製品ウィッグや増毛商品、育毛ケア・サービス、アフターサービスなど、毛髪に関連する商品・サービスを広範に展開し、男女を問わず一人ひとりの個性に合わせた最適なソリューションを提供している。
厳しい業界環境のなかでも積極経営を継続
2. 沿革
1965年に個人営業の「アートネイチャー」として創業された同社は、1967年に株式会社となり、1969年には男性向けウィッグ販売を目的に、顧客相談からアフターサービスまでを一貫して提供できる理容室を備えた店舗体制を確立した。そして1980年には全国販社体制を構築し、「MRP(マープ)」増毛法のヒットや広告展開もあって広くブランドが浸透した。こうしたブランド力を背景に、1987年に「レディースアートネイチャー」など女性向けの市場に本格進出、2002年には全国の販売会社を合併・統合して総合力を十分に発揮できる体制を構築するとともに、フィリピンの製造委託先を子会社化して自社製造を開始した。2007年に株式市場への上場を果たした同社は、その後生産体制を拡充するとともに、それまでのノウハウを生かして女性向け既製品ウィッグや医療用ウィッグの分野に進出、自社通販サイトも開設するなど業容を広げていった。2019年以降は、比較的安い価格帯のウィッグ事業会社のM&Aや第1類医薬品である発毛剤の販売などによる隣接市場への参入、医療機関のサポート業務を受託する子会社の設立など、さらなる成長を求めて新領域への進出も強めている。一方、想定外に長期化した新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により業界全体が厳しい環境にあるなか、同社は年に2回コンスタントに新製品を市場へ投入するなど積極的な経営を続けている。現在、長期ビジョンに向かって新たな中期経営計画を策定し、成長戦略を推進している。
コロナ禍後の毛髪業界は着実な成長が見込まれる
3. 毛髪業界
ウィッグなどの毛髪市場は、2008年秋のリーマンショック以降の消費低迷に加え、ヘアケア剤や発毛・育毛剤などの隣接市場との競争激化やスキンヘッドスタイルの社会的認知向上などを背景に低迷していたが、毛髪業界各社による女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び、2012年度以降は拡大に転じた。しかし、2016年度になると中小事業者による低価格ウィッグの新規参入企業が増え、また隣接業界との競合激化もあり、毛髪市場は一転して長期縮小傾向となった。その後、新規参入や低価格ウィッグも一巡して市場が沈静化する一方、高齢化などを背景に1,300億円程度と言われる市場はいったん縮小が止まった。しかし2020年度になると、コロナ禍による外出機会の減少などの影響を受け、業界はさらに厳しい状況となった。
こうした厳しい時代を乗り越える際、一般に体力のある大手企業が優位性を発揮してシェアを伸ばすことが多い。毛髪業界でも、男性市場でシェア第1位、女性市場で第2位と言われる同社が、ライバル企業の業況などを考慮すると男女ともに着実にシェアを伸ばしていると見ることができ、男女合わせてトップポジションを固めたと推測される。2021年度以降はコロナ禍からの回復プロセスに入り、毛髪業界は、中期的には景気の回復やシニアのアクティブ化を背景に着実に成長すると見られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
1. 会社概要
アートネイチャー<7823>は、男性向け・女性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を主力とした日本初の総合毛髪企業で、毛髪業界でトップポジションを誇っている。「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、トータル・ヘアコンサルタントとして、より美しく輝きのあるライフスタイルを提案していくことを使命としている。オーダーメイドウィッグは、店舗で3D型取りシステムを用いて顧客頭部の形状を型取りし、作成したデータをもとに海外の自社工場においてハンドメイドで製造される。毛髪に関する顧客ニーズは時代を追って多様化・高度化しており、現在ではオーダーメイドウィッグのほか、既製品ウィッグや増毛商品、育毛ケア・サービス、アフターサービスなど、毛髪に関連する商品・サービスを広範に展開し、男女を問わず一人ひとりの個性に合わせた最適なソリューションを提供している。
厳しい業界環境のなかでも積極経営を継続
2. 沿革
1965年に個人営業の「アートネイチャー」として創業された同社は、1967年に株式会社となり、1969年には男性向けウィッグ販売を目的に、顧客相談からアフターサービスまでを一貫して提供できる理容室を備えた店舗体制を確立した。そして1980年には全国販社体制を構築し、「MRP(マープ)」増毛法のヒットや広告展開もあって広くブランドが浸透した。こうしたブランド力を背景に、1987年に「レディースアートネイチャー」など女性向けの市場に本格進出、2002年には全国の販売会社を合併・統合して総合力を十分に発揮できる体制を構築するとともに、フィリピンの製造委託先を子会社化して自社製造を開始した。2007年に株式市場への上場を果たした同社は、その後生産体制を拡充するとともに、それまでのノウハウを生かして女性向け既製品ウィッグや医療用ウィッグの分野に進出、自社通販サイトも開設するなど業容を広げていった。2019年以降は、比較的安い価格帯のウィッグ事業会社のM&Aや第1類医薬品である発毛剤の販売などによる隣接市場への参入、医療機関のサポート業務を受託する子会社の設立など、さらなる成長を求めて新領域への進出も強めている。一方、想定外に長期化した新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により業界全体が厳しい環境にあるなか、同社は年に2回コンスタントに新製品を市場へ投入するなど積極的な経営を続けている。現在、長期ビジョンに向かって新たな中期経営計画を策定し、成長戦略を推進している。
コロナ禍後の毛髪業界は着実な成長が見込まれる
3. 毛髪業界
ウィッグなどの毛髪市場は、2008年秋のリーマンショック以降の消費低迷に加え、ヘアケア剤や発毛・育毛剤などの隣接市場との競争激化やスキンヘッドスタイルの社会的認知向上などを背景に低迷していたが、毛髪業界各社による女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び、2012年度以降は拡大に転じた。しかし、2016年度になると中小事業者による低価格ウィッグの新規参入企業が増え、また隣接業界との競合激化もあり、毛髪市場は一転して長期縮小傾向となった。その後、新規参入や低価格ウィッグも一巡して市場が沈静化する一方、高齢化などを背景に1,300億円程度と言われる市場はいったん縮小が止まった。しかし2020年度になると、コロナ禍による外出機会の減少などの影響を受け、業界はさらに厳しい状況となった。
こうした厳しい時代を乗り越える際、一般に体力のある大手企業が優位性を発揮してシェアを伸ばすことが多い。毛髪業界でも、男性市場でシェア第1位、女性市場で第2位と言われる同社が、ライバル企業の業況などを考慮すると男女ともに着実にシェアを伸ばしていると見ることができ、男女合わせてトップポジションを固めたと推測される。2021年度以降はコロナ禍からの回復プロセスに入り、毛髪業界は、中期的には景気の回復やシニアのアクティブ化を背景に着実に成長すると見られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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