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【QAあり】ブシロード、ライブエンタメ&MDユニットで歴代最高通期売上高達成 グローバルへの展開でさらなる成長を目指す
要約損益計算書(連結)
村岡敏行氏(以下、村岡):ブシロード取締役・経理財務本部長・経営管理本部長の村岡です。本日はお忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございます。それでは、2024年6月期の通期決算概要をご説明します。
まず、損益計算書はスライドに記載のとおりです。2024年6月期は売上高462億円、営業利益8億8,200万円、経常利益18億9,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億400万円となりました。
四半期 連結業績推移 - 販売管理費
四半期の販管費の推移は、スライドに記載のとおりです。2025年6月期も、2024年6月期と同程度の販管費がかかると見込んでいます。
2024年6月期 業績ハイライト
ユニット別の通期売上高の推移についてです。TCGユニットは概ね堅調に推移しましたが、『Shadowverse EVOLVE』が軟調となったことが影響するなど、前年比10億円の減収となりました。デジタルコンテンツユニットは、赤字縮小のためモバイルゲームを5タイトルクローズし、1タイトルを運営移管したため、前年比25億円の減収となりました。
対して、ライブエンタメユニットとMDユニットは好調に推移し、それぞれ前年比8億円と10億円の増収となり、歴代最高の通期売上高を記録しました。アドユニットとスポーツユニットも、それぞれ堅調に推移しました。
ユニット別ハイライト
こちらのスライドは、各ユニットの四半期のトピックスです。また、スライド13ページ以降には各ユニットの通期のトピックスもまとめていますので、あわせてご確認ください。
2025年6月期 業績予想 - 配当方針の変更に関するお知らせ -
株主配当についてご説明します。これまでは「親会社株主に帰属する当期純利益に対して10パーセント」を目途に、経営成績に応じた利益還元を行ってきましたが、安定した配当を継続することが重要と考え、「業績も勘案した、安定した利益還元を継続的に行う」という方針に変更しました。
したがって、2024年6月期の配当金は、2023年6月期と同額の4円50銭に決定しました。2025年6月期についても、4円50銭を予定しています。
私からのご説明は以上です。続いて、各ユニットの第4四半期の動向についてご説明します。
TCGユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
木谷高明氏(以下、木谷):ブシロード代表取締役社長の木谷です。まず、TCGユニットからご説明します。『ヴァイスシュヴァルツ』は引き続き、前年と同レベルの売上高をキープし、堅調に推移しています。
内訳を見ると東アジア、特に中国向けは好調です。国内売上と英語版の売上が若干昨年より落ちていますが、簡体字版がスタートしたこともあり、これらすべてを合算すると、前年と同程度の数字になりました。
今後は、弱い部分をサポートしつつ、強い部分をさらに伸ばす戦略を取っていきます。具体的には、国内のシェアを上げ、中国市場で日本語版と簡体字版ともにさらに攻め込んでいきたいと思っています。
『カードファイト!! ヴァンガード』は順調です。国内が回復軌道に乗っており、この5年間ほどで一番良い数字が出始めています。海外では中国が少し伸びていますが、それ以外の地域ではほぼ横ばいです。
『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』に関しては、計画に対して初動としてはやや軟調ですが、特筆すべき点としてはコンビニエンスストアのローソン約1万2,000店舗で販売を実施することができたことで、消化率もかなり良い状況です。
ただし、想定と違った部分が2点あります。1点目は、10代から20代の男性のうち、野球のルールを知らない人が意外と多いということです。小さい頃からテレビで野球を見ていていた人は、知らないうちにルールを覚えるので気づかないと思うのですが、20歳くらいになって初めて真面目に野球の試合を見る人にとっては、相当ルールが難しいスポーツだと感じると思います。このカードゲームは、野球のルールを知っているととても簡単なのですが、そこはかなり想定外でした。
2点目は、第1弾のブースターパックをお買い求めいただいた方が第2弾以降のブースターパックもお買い求めいただく継続率が低かった点です。各々好きな球団のデッキだけを買って満足してしまうという方も多く、ブースターパックを継続的に購入するという、動機づけが弱かったと反省しています。したがって、今秋から2年目にかけては、いかに継続的に購入をしていただくかという点に注力してまいります。そしてプレイヤー、コレクターともに、もう少し尖ったかたちでアプローチします。
良かった点は、企業向け講習会にかなり申し込みが来たことです。野球のカードゲームということで実施できた会社が多かったのかなと思っています。今度は、このカードゲームを使って企業対抗戦のようなものを実施します。どれほどのマーケットになるかわかりませんが、アニメ系のカードゲームとは異なり、野球のカードゲームだからこそ取れそうなターゲット層です。
また、『Shadowverse EVOLVE』に関しては、現在ようやく底を打ったかなという状況にはなっています。原作のアプリゲーム『Shadowverse』の新作タイトルである『Shadowverse: Worlds Beyond』のリリースとともにあらためて盛り上がりを作るべく、準備している次第です。
TCGユニット 2024年6月期 第4四半期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』はスライドに記載のとおりの状況です。スライド右上の写真は愛知で開催した大会の様子です。本当に濃いファンの方の中には、ユニフォームを着て参加してくださる方もいます。やり方次第では濃いユーザーを作れるのではないかという感触は得ています。
その他、プロ野球のOB選手を起用した企画や、企業向けの講習会、また今後は大会も開催していきますが、他のカードゲームでは試せないような新しいことを、このカードゲームではいろいろと試しています。
TCGユニット 2024年6月期 通期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
『カードファイト!! ヴァンガード』に関しては、先ほど一言で順調とお伝えしましたが、7月から始まっているTVアニメシリーズの内容も非常に好評です。キャラクターの人気も出始めて、盛り上がりを見せています。
さらに、『月刊コロコロコミック』で昨年12月からマンガの連載が始まりましたが、最近人気がけっこう上がってきました。大会やイベントでも小中学生のプレイヤーが少しずつ増え始めてきているようです。
子ども向けコンテンツは浸透まで時間を要するため、もう1年くらいかかるのではないかと思っています。売上への反映はまだまだこれからだとは思いますが、少しずつ目に見えるかたちで成果が出始めています。
小学生、中学生ユーザーの開拓の意義は非常に大きいと考えています。ここ1年から2年で弊社に来る就活生の中で、「小学生の時に『ヴァンガード』をやっていた」という学生がけっこういます。これは日本人だけではありません。台湾や香港、中国人の学生でも「『ヴァンガード』をやっていたからカードゲーム作りに関わりたい」と言って入ってくるケースもあるため、自社IPは非常に大事だとあらためて思っています。
以上の要因により、なだらかではありますが『カードファイト!! ヴァンガード』は2年連続くらいで順調に上向きになっています。
TCGユニット 2025年6月期 第1四半期以降の展開
今期に関しては既存のカードゲームに加え、複数の新規のカードゲームの積み上げにより、増収増益を見込んでいます。すでに発表済みのタイトルは2つあり、1つは販売・運営協力ですが『ホロライブ』のカードゲームが今年9月に出ます。前評判は非常に高いです。
もう1つは、今年10月に発売する『五等分の花嫁』のカードゲームです。こちらも前評判は非常に良いです。9月後半から一気にプロモーションを開始します。これ以外にも複数用意していますので、順次発表していきたいと思います。
2025年の既存のカードゲームの見通しとしては、特にシンガポールにある子会社Bushiroad Internationalの売上が為替で左右されることもあり、少し保守的な予想をしています。
続いて、デジタルコンテンツから名称変更をしたコンテンツユニットと、ライブエンタメユニットの責任者である根本からご説明します。
デジタルコンテンツユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
根本雄貴氏(以下、根本):ブシロード取締役・コンテンツユニット長・ライブエンタメユニット長の根本です。まずは名称が変わりましたが、前期のデジタルコンテンツユニットについてご説明します。
第4四半期のデジタルコンテンツユニットは引き続き低調となりましたが、赤字は縮小しました。モバイルゲームでは、1タイトルの運営移管を発表、2タイトルのサービスを終了し、引き続き収益性の改善を図りながら、ユニットのリソースを他ユニットなどへ移行しています。また、コンソールゲームでは2タイトルを発売しましたが、開発費先行のため赤字が継続しています。
デジタルコンテンツユニット 2024年6月期 通期トピックス
デジタルコンテンツユニットについて、2024年6月期で約25億円の損失がありました。モバイルゲームの収益性の急激な悪化への対応として、デジタルコンテンツユニット全体の体制を変更したことで、一時的な費用が増加したことや、コンソールゲームの発売に先行した研究開発費の計上があったことが主な原因です。損失幅は通期で減少傾向にあり、特にモバイルゲームについて、通期で5タイトルをクローズし、1タイトルの運営移管を発表するなど、運営のコンパクト化を実現してきました。
コンテンツユニット 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
2025年6月期も引き続き赤字を縮小し、黒字転換できるよう努めていきます。研究開発費は、2024年6月期並みの15億円を予定していますが、新規コンソールゲームを各四半期で平均して2本から3本のペースで出していくこと、リリース済みのコンソールゲームの売上が積み上がっていくことで、黒字転換を目指していきます。
ライブエンタメユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
ライブエンタメユニットについてご説明します。第4四半期は、『バンドリ!』プロジェクトにおいて、中規模から大規模会場でのライブイベントに多数のお客さまにご来場いただくことができ、好調に推移しました。
ライブエンタメユニット 2024年6月期 通期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
2024年6月期は、2023年夏放送のTVアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』が国内外、特に国内と中国で大ヒットし、『バンドリ!』のバンド『MyGO!!!!!』を中心に、イベントやパッケージ商品などが好調に推移し、通期最高売上を達成することができました。来期には、2025年1月からTVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』の放送を予定しており、アニメ展開に合わせたさらなる飛躍を目指していきます。
続いて、MDユニットについて、木谷からご説明します。
TCGユニット (参考)2024年6月期 通期トピックス
木谷:MDユニットの前に、先ほどのTCGユニットのご説明を少し補足させてください。「ブシナビ」とは、お客さまがカードゲームショップを中心としたブシロードTCGの大会に参加する際に、登録するアプリです。例えば今回、『ホロライブ』のカードゲームの講習会を行いましたが、その講習会に参加する際にも「ブシナビ」に登録していただいていました。
その英語版を1年遅れでリリースしまして、前期末時点で日本語版と英語版を含めて、世界中で登録者数10万人を突破しました。現在(2024年8月13日時点)は10万5,000人くらいです。「ブシナビ」を使用して1ヶ月に1度でも大会に参加している人の数は、だいたい40パーセント台であるため、現状では4万5,000人から5万人ほどが、全世界で弊社のカードゲームに参加しているといえます。
この数字は、順調に増加しています。中身のバージョンアップもどんどん実施しており、「ブシナビ」を伸ばすことで、世界中のカードゲームのお客さまとつながることができると考えております。どのカードゲームの公認大会に月間何人参加したかもすべて正確にわかりますし、登録している人にアプリ内メッセージでイベントや新商品の情報をお知らせすることもできます。
「ブシナビ」は順調に登録者が増えて10万人を超えていますが、20万人ほどにまで持っていけたら、非常に大きな武器になるのではないかと考えています。このように、世界中のカードゲームのお客さまをネットワーク化している最中です。
MDユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
MDユニットに戻ります。スライド左側のグラフからわかるように、第4四半期で一気にフィギュアブランド『PalVerse』などが開花しました。ライブ回数が多く、ライブグッズが売れたことも要因ですが、四半期ベースでは過去最高の売上高を達成することができました。
MDユニット 2024年6月期 通期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス①
各MD商品は非常に好調です。特に、デフォルメフィギュアブランドの『PalVerse』と『PalVerse Palé.』の立ち上げが順調に進んでいます。
『PalVerse』は税込1,100円とフィギュアとしては手に取りやすい価格帯のトレーディング商品ではありますが、クオリティが非常に高いです。国内だけでなく中国からも注文が多数来ていますし、世界中から注文が集まるタイトルもあります。
また、スライドに記載のとおり、原型も100パーセントではありませんが、一部内製化しています。弊社の近所と、金沢にサテライトオフィスを作り、原型を作っています。
原型を内製するメリットの一つとして、開発から製造までの時間が非常に短縮できることが挙げられます。フィギュアの原型は立体物のため確認する点が多く、外の工場で製作したものを自社に送ってもらい、自社内でまず確認し、版元様にも確認していただき、というやり取りの時間が非常にかかりますので、原型を内製することによって、かなりの時間短縮になっています。
この点が、他社に比べて非常に競争力のあるところかと思っています。加えてこのクオリティですので、今後、順調にシェアを拡大できるのではないかと考えています。
MDユニット 2024年6月期 通期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス②
『バンドリ!』プロジェクトのライブイベントについても先ほどご説明があったように、伸びています。ライブイベントの好調に合わせて、グッズ販売の機会も増え、参加人数も増えています。そのため販売数も増加しています。加えて、現在『MyGO!!!!!』が中国でブレイクしており、日本以上の人気になっていることから、中国への輸出も非常に増えています。
アドユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
アドユニットについてです。スライド右側にあるように、「インフルエンサーの可能性を広げる」と銘打って、インフルエンサーマーケティングを行うプラットフォームを新規で立ち上げました。グループ全体のコンテンツのやりくりだけでなく、グループ外の売上もうまく取り込み、成長していっています。
スポーツユニット 2024年6月期 第4四半期トピックス
続いてスポーツユニットについてです。みなさまご存じのとおり、昨年末から今年の前半にかけて、スターダムの分裂騒動などがあり、体制の変革を行いました。また、弊社から、新日本プロレスリングの100パーセント子会社へ移行し、ようやく体制がしっかりできてきたところです。
現在、その成果が徐々に表れており、ようやく軌道に乗りつつあります。追いかけていただいているファンの方でしたら、よくわかるのではないかと思います。
また、新日本プロレスリングも、昨年末から棚橋弘至選手が社長に就任し、若手の抜てきを旗印にしてきました。「G1 CLIMAX」によって、その成果もようやく目に見えるかたちで出始めていると思っています。目先の観客動員は少し苦しんでいますが、今秋から来春にかけて、必ず集客や視聴会員の増加につながってくるのではないかと考えています。
スポーツユニット 2024年6月期 第4四半期 & 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
新日本プロレスリングの子会社になったスターダムとの関係強化はもちろん、新たにアメリカの「AEW」という世界で2番手の団体とかなり強力な提携関係を結んでいます。5月にラスベガスで、私と棚橋社長でAEWのオーナーであるトニー・カーン氏と会談をしてきました。
関係の表れの1つとして、毎年「Forbidden Door」という合同興行を行っており、2025年1月5日に東京ドームにて開催の「WRESTLE DYNASTY」にはAEWの選手が参戦します。1月4日の新日本プロレスリングの興行に加え、その翌日にAEWも加えた興行を開催し、2日連続での東京ドーム興行を予定しています。
スポーツユニット (参考) 2025年6月期 第1四半期以降トピックス
2024年12月29日のスターダムの両国国技館大会から、2025年1月6日の新日本プロレスリングの「NEW YEAR DASH!!」大田区総合体育館大会までの9日間を「WRESTLE KINGDOM WEEK」としました。1月4日・5日を中心として、1月2日は「プロレス祭り」をベルサール羽田空港で実施し、1月3日にはスターダムの東京ガーデンシアター大会があります。
プロレスの場合は欧米にファンが多いため、この9日間でインバウンドのお客さまをたくさん呼びたいと考えています。コロナ禍前の2018年、2019年には、アメリカやイギリスから集客がありました。それを呼び戻したいと思っています。
このように先にスケジュールを発表することで、他団体も周辺のスケジュールを埋めてくると思います。そうすることによって、プロレス界全体が盛り上がればよいと考えています。これだけ日程があれば、地方からも「じゃあ4日と5日に見に行くか」「5日と6日に見に行くか」という人が出てくるのではないかと考えています。この「WRESTLE KINGDOM WEEK」を今回以降も毎年実施することで、お客さまにとって毎年恒例の習慣になってほしいと考えています。
2025年6月期 業績予想
業績予想についてです。今期は売上高490億円、営業利益20億円、経常利益20億円、当期純利益10億円を計画しています。ここ数年、営業外収益である為替差益や各種補助金による助成金収入の影響により経常利益のほうが営業利益より多かったのですが、今期はそれらがなくなりつつあることを考慮し、その結果、営業利益及び経常利益は同額の見込みとなりました。
売上高は前期比5パーセント増と予想しています。TCGユニットを中心に、MDユニットやスポーツユニットで増収となる見込みです。もちろん全部門で増収を目指しています。また、利益についてはコンテンツユニットの赤字が縮小し、前年比で増益となる見込みです。
2025年6月期 業績予想 - 中期経営計画取り下げについて -
このたび、中期経営計画を取り下げることを本日の取締役会で決議しました。今後の市場環境の検証と弊社の事業構成の見直し等を行い、その後に新たな中期経営計画をあらためて策定した上で、来年のこの時期に発表したいと考えています。そのため、今期1年は調整期間として時間をいただきたく思います。
ここで海外展開の映像をご覧ください。弊社は「Bushiroad EXPO」という海外のイベントを主催しています。こちらの映像は、7月に上海で行われた「Bushiroad EXPO 2024 in Shanghai」の模様です。
他の国と比べて、物販の売上だけでも桁違いでした。ほとんどの方が日本語あるいは中国語や英語で「もっとライブをやってくれ」「イベントをやってくれ」と熱いご要望を沢山いただいて、弊社のコンテンツがものすごく盛り上がっていると感じました。
そのため、今までは海外に対しては、「アメリカ3、中国3、その他4」という比率で考えていたのですが、私の中では現在、「中国5、アメリカ2、その他3」という比率を考えています。したがって、これからの海外出張の半分は中国になるかと思います。すでに今年に入って2回、中国に行っていますが、あと2回くらい行くのではないかと予想しています。
「ブシロードファン感謝ゴールデンウィーク」開催決定
こちらのスライドは、本日プレスリリースを出した「ブシロードファン感謝ゴールデンウィーク」について記載しています。先ほど、プロレスの「WRESTLE KINGDOM WEEK」についてお伝えしましたが、こちらは主に『バンドリ!』とカードゲームのイベント週間です。
まず『バンドリ!』の『MyGO!!!!!』と『Ave Mujica』の合同ライブがあります。この『Ave Mujica』というバンドのストーリーは、2025年1月から放送予定のTVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』の中で描かれます。合同ライブは2025年4月26日・27日にKアリーナ横浜で行います。集客は、各日1万6,000人から1万8,000人ほどとなる見込みです。
「カードゲーム祭」に関しては、2024年は2日間で1万7,000人が来場しました。来年は2日間で2万人超を目指しています。「ブシロードファン感謝ゴールデンウィーク」のイベント期間は9日間あります。そのうち2日間が「カードゲーム祭」となっており、先ほどの合同ライブに参加した人が「カードゲーム祭」にも来てもらえるよう打ち出しているところです。
各イベントの間の空いているところにも他のイベントを入れたり、タイアップのキャンペーンを実施したりして、海外や地方からも東京に来て楽しく遊んでほしいと思っています。
今後については、弊社の売上のうち4割を占めるTCGユニットを主力に強化しつつ、グローバルに拡大したいと考えています。TCGユニットは現時点ですでに海外比率4割を超えていますが、グローバル拡大の方針に変更はなく、引き続き進めていきたいと思っています。
通期決算のご説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』の初動売上とターゲットについて
質問者:『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』についてです。資料の中に「初動としてはやや軟調」と記載されていますが、外部調査会社などのデータを見ると、この4月から6月で売上高13億円という数字が出ています。仮に13億円だとすれば、単純に4倍にすると50億円を超え、それほど悪くない数字に思いますが、この「やや軟調」というのは、何に対して軟調なのでしょうか?
2023年8月に発表した中期経営計画では、TCGユニットで2027年6月期の営業利益80億円と掲げていたと思いますが、この達成に向けた想定に対して「やや軟調」なのでしょうか? それとも過去に出した『ヴァイスシュヴァルツ』や、他のトレーディングカードの初動と比べての話でしょうか?
また、10代・20代の男性が野球のルールを知らないというお話もありましたが、もともとどのような層をターゲットにしているのでしょうか? 本来のターゲットに対し、実際に買っている方の属性はどのように違うのでしょうか?
木谷:正確に言うと、初動はそこそこでしたが、その後の展開が軟調といったほうがよいかもしれません。ブースターパック第1弾はまずまずの滑り出しでしたが、第2弾が伸び悩みました。何に対しての軟調かというと、「会社としてこれくらい行く」と考えていた売上計画の範囲を下回ってしまったということです。この思惑違いの部分を現在修正中です。
ただし、プロ野球は年間イベントの動員が2,500万人あり、日本一のビッグIPであると思っていますので、手段はまだあるのではないかと思っています。一例を挙げると、一部のスポーツバーで流行っています。このようなことも多少は想定していたものの、明確にターゲットに据えていたわけではなかったため、さまざまな層への開拓も一生懸命取り組んでいるところです。
これに関連して、現状のターゲットはやはり30代中心ですが、40代・50代のコレクターや10代・20代のプレイヤーがもう少しいるのではないかと期待していました。やはりカードゲームは、最初は若い人がプレイヤーとしてある程度ベースを作ってくれないと、コレクターも生まれにくいという特性があります。現状としては、ユーザーの7割が30代と言ってよいと思います。
質疑応答:コンテンツユニットの中期的な見通しについて
質問者:コンテンツユニットについて、現在7本開発しているとのことでしたが、当期はゲーム事業にいくら投資する予定ですか? また、赤字を縮小していきたいとのことでしたが、あまりうまくいっているとは思えないため、こちらの事業から撤退するという選択肢もあるのではないかと思います。現在開発中のゲームについても仮にうまくいかなければ、損失が出るリスクもありますが、中期的にはどのように考えていますか?
根本:先ほどご説明したとおり、研究開発費は約15億円を見込んでいます。また今回、デジタルコンテンツユニットから、コンテンツユニットに名称を変更しました。名称変更の主な理由は、ゲームにこだわるのではなく、ゲームはあくまでもマネタイズの1つの手段であり、コンテンツの運用として他の手段でもマネタイズしていくという意味があります。
一例を挙げると、『バンドリ!』は『MyGO!!!!!』を中心に、中国をはじめとしたアジア圏で人気があるため、そこでライセンスの話をいただきます。例えば先月には、中国国内でデジタルグッズを試すなど、ゲーム以外でのマネタイズの手段を模索しています。自社IPにおいてはゲームにこだわらず、ライセンスの運用を行い、あらゆる手段でマネタイズをしていく考えです。
また、ゲームに関しては、これ以上本数を増やすというよりは、今期発表するタイトルの中で、芽が出てヒットするものがあれば、そのジャンルを中心にして伸ばしていく可能性があります。現在はビジュアルノベルのタイトルが増えていますが、ゲームというよりは原作を創出するという観点で取り組んでいます。
木谷:費用をかけている作品はかなり投資を行っています。例えば『HUNTER×HUNTER』の格闘ゲームには相当な費用を投じています。
以前の決算発表会の時に「平均すると1億円ほど」という話がそのまま出回ってしまい、「どのタイトルも1億円しかかけていない」と誤解されてしまいました。実際は開発費をかけるタイトルには、かなりの金額を投じていて、かなりメリハリをつけて取り組んでいます。「原作作りの種として開発しているビジュアルノベルゲームについては開発費が5,000万円前後と低いものも含まれる」と捉えていただければと思います。
また、明確に続けようと思っていることが1つあります。それは弊社が原作IPを持っているタイトルです。例えば、『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』はリリースして2年弱が経ちますが、実は今でもしっかりと利益を出しています。カードゲームと同じように追加パックを出すリリース方法をとりながら、現在6万本以上の売上を達成しています。2年間ずっと積み上げているため、この先もまだいけると思います。
このように、自社IPのものを中長期で丹念に売ることは、含み資産になるため続けたいと思っています。この『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』にたどり着くまでも、カードゲームのアプリなどいろいろと試行錯誤をしながら、ようやくここまで来ました。
オンラインゲームは24時間プレイできるため、消費速度が速く、アナログゲームの3倍、4倍のスピード感があります。そのような中で、アナログなカードゲームと同じペースで展開できるビジネスモデルにたどり着きました。まずはコンソールゲームとして「Nintendo Switch」や「Steam」でベースとなる本体を出しておいて、実際のカードゲームのように2ヶ月に1つぐらいのペースで追加パックを出していくのが一番合っていると考えています。
デジタルゲームについて、今後の方針が明確に見えた自社IPに関しては継続していきたいですし、他社IPももう少し試したいと考えています。
質疑応答:新しいカードゲームのリリース余地について
質問者:「今後新しいカードゲームを出していき、それを積み上げていく」とのことですが、運営の観点から考えると、何タイトルぐらいが御社のキャパシティになるのでしょうか?
木谷:新しくカードゲームを作る時には、新たに開発ラインを構築する必要があります。これが自社の開発ラインの場合もあれば、他社の開発ラインと共同で行う場合もあります。開発パターンはいくつかありますが、他社と共同で開発するケースが8割方です。
ユーザーサポートをしっかり行いながら大会も実施することを考えると、現状の人員体制ではあと4タイトル程度がキャパシティになると考えています。ただし、カードゲームの規模感によって数は変わるでしょうし、必要に応じてこれまで以上の人員拡充も検討していきます。
質疑応答:既出タイトルとの食い合いについて
質問者:新しいTCGについて、『ヴァイスシュヴァルツ』とのカニバリゼーションはあまり考慮しなくてもよいのでしょうか?
木谷:おっしゃるとおりカニバリゼーションはあります。食い合う側面があることは認識した上で企画開発を行っています。
『ヴァイスシュヴァルツ』で商品化させていただく作品は非常に多いため、『ヴァイスシュヴァルツ』のプラットフォームで、新しい作品で大勢のみなさまに遊んでもらいたいと思っています。その一方で、1つの作品のファンをターゲットとするTCGも必要だと考えています。
質疑応答:営業利益の増益要因について
質問者:2025年6月期予想の営業利益11億円の増益要因について、セグメント別の内訳を教えてください。
木谷:MDユニットが増収となれば、それに伴い増益となりますが、全体としてはそこまで大きな影響とまでにはなりません。TCGユニットに関しては、売上の伸びに応じて利益が上がると思いますが、やはりデジタルゲームの赤字が減る分が大きいと考えています。
業績予想に関しては、これから出る新規のカードゲームや、来年1月からのTVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』を保守的に見ている部分もあります。このあたりが跳ねると、まったく異なる展開になると思います。デジタルゲームについては、『HUNTER×HUNTER』のコンソールゲームのインパクトは大きく、このタイトルの動向によってかなり変わります。
質疑応答:ゲーム産業の展望と成功の鍵について
質問者:「『HUNTER×HUNTER』のゲームがどうなるかの影響が大きい」という話がありましたが、ここ1年のモバイルゲームやコンソールゲームの市場において、大手をはじめ各社が、市況やトレンドの変化に苦戦しているように見えます。御社は現在のゲーム産業や市場のトレンドをどう捉え、今後の事業運営上で何が成功の鍵になると考えていますか?
根本:確かにモバイルゲーム、コンソールゲームともに、海外の企業を中心に開発費が青天井になっており、リッチなゲームが増えている状態だと思っています。その中で、『ヴァンガード』のデジタルTCGゲームなど、我々の強みが活かせるジャンルに注力していきたいと考えています。現在のゲーム市場で、他の海外メーカーも含めて真っ向勝負していくよりは、自社IPの強みや一部他社IPのジャンルの中で、強みを出せるものに取り組みたいと思います。
木谷:補足です。現在、デジタルゲームに取り組んでいる理由は、過去の流れを踏襲している部分もかなりあり、そのため軌道修正しているところです。残すものは残し、残した中で伸ばせそうであれば伸ばすということを着実に行っていくべきだと思っています。こちらが全体的な方針であり、社内でもコンセンサスは取れています。
オリジナルIPの続編を作る時に、プロデューサーは「オリジナルIPでメディアミックスするのであればアプリゲームも必要だ」と思い込みがちです。そのような時に、私は「あえてアプリゲームを作らなくても、お客さまにいろいろな商品を楽しんでもらって回収する手段を他に考えればよいのではないか」と提案します。
社員はみな真面目ですので、今までのやり方に固執しがちですが、実際にはいろいろな方法があります。偶然生まれるものもありますが、自社IPとタイアップしたいという話がでてきたり中国でデジタルガチャを作りたいという会社が出てきたりするなど、いろいろな可能性があります。その中で「このプロジェクトが始まるのだから、必ずアプリゲームを作らなければいけない」という考え方に固執してしまうと、さらに穴を大きくしてしまいます。ただし、アニメは非常に重要だと考えています。
カードゲームについては、開発領域が限られているところが良いのです。例えば、スタートデッキとブースターパックを1弾ずつ出すとしても、これらにかけられる開発費は1,000万円から多く見積もっても2,000万円の間くらいに収まります。イラストをすべて描き下ろしにすれば、加えて1,000万円前後の予算が増えることもありますが、お金をかけられる範囲が決まっているのが非常に良いところだと思います。
アニメも同じことが言えます。今のアニメの1クールの予算としては、2,500万円程度からアニメーションの動きが多いもので1億円程度の間に収まることが良い点です。一方、ゲームは画面の中に100億円をかけることも可能です。
質疑応答:アニメ関連ビジネスについて
質問者:アニメ関連のビジネスについて、委員会に出資していますが、御社がカードゲームに展開しているような有力な原作を主幹事として積極的に取りに行くという考えはありますか? 特に大手出版社の作品などで、アニメプロデュースを強化する考えがあるかどうかをお聞きしたいです。
木谷:アニメの委員会に関して、基本的には自社IPの収益を優先しています。大手出版社の作品は、弊社が主幹事を取ろうとしても取ることは難しいと考えています。スタジオの準備や条件面でも非常に高いハードルがあります。ただ、最近では原作を獲得するためのプレゼンテーションに「海外展開をどうするか」といった要素を含める必要があると考えており、その点について、弊社はまだ獲得余地があるほうかもしれません。
アニメに投資するとしたら、今までもこれからも自社IPを重視することを、基本方針としています。ただし、他社IPも含めましてアニメに関する投資はしっかりと行っていきたいと思っています。
木谷氏からのご挨拶
本日は夏の暑い時季ということもあり、スーツではなく新日本プロレスのジャージを着てみました。今週末に行われる「G1 CLIMAX」の決勝戦をアピールする意味も込めています。
みなさま、本日はわざわざ弊社の説明会に来ていただきまして、本当に感謝しています。まだまだ試行錯誤しているところもありますが、先行きがかなり見えてきたと個人的には思っていますので、その方向に向かって、しっかりと進んでいきたいと考えています。投資家のみなさまなりの解釈で、このことをぜひ伝えていただければと思います。どうもありがとうございました。
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