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日本ライフラインのニュース
■事業概要
3. 品目別の状況
日本ライフライン<7575>の品目領域は、リズムディバイス、EP/アブレーション、外科関連、インターベンションの4つに大別される。売上構成比は2019年3月期第2四半期で、リズムディバイス14.4%、EP/アブレーション50.5%、外科関連25.1%、インターベンション10.1%となっている。
(1) リズムディバイス
リズムディバイスでは、不整脈治療用の医療機器を扱っている。主な商品は心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)など電気刺激によって心臓の動きを正常に保つ体内植込み型機器である。そのほか、AED(自動体外式除細動器)なども扱っている。リズムディバイスはほとんどが仕入商品である。取引先のMicroPortは、脈拍が正常よりも少ない徐脈の症例に使用される体内植込み型の医療機器である心臓ペースメーカを得意としている。これは心臓の動きを常に監視し、脈が途切れたことを感知すると、電気的刺激を送って心臓の動きを正常に戻す。近年の心臓ペースメーカの市場では、MRI対応のペースメーカが急速に主流を占めるようになってきた。このため、同社も「KORA250」などMRI対応の商品を投入している。
ICD(MicroPort)は、突然起こる心室細動や心室頻拍といった危険性の高い不整脈を自動的に感知し、これも電気治療を行うことで心臓の動きを正常に戻す。CRT-D(MicroPort)は、重症心不全の場合に、心臓の左右両方の心室に電気刺激を与えることで、心臓の同期不全を整えポンプ機能を改善するとともに、ICDと同様に除細動の機能を併せ持つ。ペースメーカリード(MicroPort)は、電気的刺激を心筋に伝えるための導線で、心臓ペースメーカに接続して使用する。ICDの発する電気的刺激を心筋に伝えるためのICDリード(MicroPort)には、電気ショックによる治療を行うためのコイルがついている。イベントレコーダー(MicroPort)は、心臓のイベントを検知し記録する体外型の心電計である。心電図の変化を確認することができ、不整脈の分析などに使用される。AED(NANOOMTECH)は自動で心臓の状態を判断し、心室細動など心臓が痙攣した状態を感知すると電気ショックを与えて除細動を行い、心臓を正常な状態に戻す。
同社は現在、心臓ペースメーカと関連商品について、MicroPortから供給を受けている。ペースメーカのMRI対応の遅れにより販売台数が減少していたが、2018年3月期にはシェア15%まで回復している。しかしながら2019年3月期については、前期に対して販売数量の減少を想定している。その理由としては、今年4月に行われた診療報酬改定で遠隔診療の保険点数が増加し、遠隔モニタリングに対する医療現場のニーズが高まったものの、MicroPortの遠隔モニタリング装置の供給力が不足したことによって、そのニーズに応えられていないことが挙げられる。また、脈拍が正常よりも多い頻脈の治療に使われるICDなどのニーズが増加しているが、MicroPort製品は未だにMRI非対応であるなど商品競争力に課題があり、同社はBoston Scientific Japanに取引先を変更し独占販売契約を締結した。2019年9月以降、取扱商品の切り替えによる品ぞろえ拡大という方向性はポジティブな印象である。
(2) EP/アブレーション
EP/アブレーションでは、不整脈検査・治療用のディスポーザブル式の電極付きカテーテルを取り扱っている。2019年3月期第2四半期のAF症例数は前年同期比20%増であり、近年、急速に伸びている。なお、カテーテルとは中空の柔らかく細い管であり、皮膚の表面から血管に挿入して治療を行う医療機器を広く指す。
EPカテーテル(自社)は心臓内で電位を測定し、不整脈の原因となっている部分を特定するための電極の付いた細いカテーテルのことである。心臓の中の様々な部位を検査できるよう、先端のカーブ形状や電極の数・位置、細さなど種類が豊富にある。また、手元のグリップレバーで先端をカーブさせるシングルディレクショナル(片側に曲がる)タイプとバイディレクショナル(両側に曲がる)タイプがあり、それぞれに様々なカーブのバリエーションがある。
アブレーションカテーテル(自社)は、頻脈の原因となっている刺激伝導経路を、高周波電流で局所的に焼灼して治療する電極付きカテーテルである。EPカテーテルと同じく、心臓の中の様々な部分を焼灼できるよう種類が豊富にある。また、イリゲーションカテーテルはアブレーションカテーテルの1つで、カテーテルの先端に生理食塩水を射出させる穴が開いており、先端の電極を冷却しながら焼灼を行うことで体内での血栓の発生を軽減する機能を持つ。
心腔内除細動システム(自社)は、アブレーション治療中に発生した心房細動などに対し、心臓内で除細動を行うシステムである。体外からの除細動に比べて低いエネルギーで効果があるため、より低侵襲(患者の身体的負担を小さくする)に行うことができる。心房細動に対するアブレーション治療は、特に致死率が高い左房と食道が貫通する食道ろうをはじめ、食道炎や食道潰瘍といった合併症の発生率が、その他のアブレーション治療に比べて高くなる。食道温モニタリングシステム(自社)は、アブレーション治療中に連続的に食道温度のモニタリングを行うことで、このような合併症の発生を防いでいる。
(3) 外科関連
外科関連では、機能を喪失した血管などを人工の臓器に置き換えて治療する、外科手術用の医療機器を扱っている。主な自社製品は人工血管とオープンステントグラフトであり、これらは2017年4月に吸収合併したJUNKEN MEDICALが製造していたものである。主な仕入商品は胸部・腹部用ステントグラフト、人工心臓弁、人工弁輪である。腹部用ステントグラフトのAFX2ステントグラフトシステム(Endologix)は好評で、2018年3月期には15%を超えるシェアを獲得した。なお、ステントグラフトとは、人工血管と同じく大動脈瘤の治療に用いられる医療機器だが、開胸または開腹手術を行う人工血管とは異なり、外科手術を必要とせず、ステントと言われるバネ状の金属製の筒を縫い付けた人工血管を、カテーテルに収納した状態で足の付け根の血管から治療部位まで挿入し、バネの力で血管に押し付けて固定する医療機器である。治療する部位により腹部用と胸部用の商品があり、胸部用はBolton Medicalの商品を扱っている。なお、人工心臓弁関連製品については、現在の仕入先であるLivaNovaとの契約期間が満了を迎える2019年5月に取扱を終了することになった。
人工血管(自社)は、胸部や腹部の大動脈瘤などを治療するための医療機器で、血管にできた瘤の置き換えや閉塞した血管のバイパスに使用される。オープンステントグラフト(自社)は、胸部大動脈疾患を治療する医療機器であり、胸部大動脈を広範囲に人工血管で置き換える際に、従来の人工血管のみで行う治療の場合は2回の開胸手術が必要であったのに対し、オープンステントグラフトを使用すれば1回の開胸手術だけで治療が完結するため、手術時間の短縮や患者の身体的な負担の軽減につながっている。
(4) インターベンション
インターベンションでは、主に心筋梗塞や狭心症などを治療するための医療機器を扱っている。主な自社製品は、心筋梗塞の原因となる血管(冠動脈)の詰まりを治療する際に使用するガイドワイヤーとバルーンカテーテルである。主な仕入商品は、心筋梗塞の中でも特に完全閉塞を治療する際に使用するバルーンカテーテル、治療を補助する貫通カテーテルと、先天性の構造的心疾患を治療する際に用いる心房中隔欠損閉鎖器具である。末梢血管用のPTAバルーンカテーテルの市場が成長しており、同社も拡大する市場に対応して成長を取り込む考えである。
ガイドワイヤー(自社)は、バルーンカテーテルやステントなどを血管の中の治療部位に導くために使用する針金のような医療機器で、大腿部などから血管に挿入し、冠動脈や末梢動脈の狭窄部位を通過させ、このワイヤーに沿ってバルーンカテーテルなどのデバイスを運ぶ。バルーンカテーテル(自社)は、冠動脈が狭くなったり、詰まったりした場合に起こる心筋梗塞や狭心症を治療するための医療機器で、血管の内側からカテーテル(細い管)についた風船を膨らませ、血管を押し拡げることで治療する。貫通カテーテル(Vascular Solutions)は、冠動脈や末梢動脈においてガイドワイヤーの病変通過をサポートするために用いられる医療機器である。
心房中隔欠損閉鎖器具(Occlutech)は、心房中隔欠損症という心臓の左右の心房を隔てる壁である心房中隔に、先天的に欠損孔という穴が開いている疾患を治療するための医療機器である。外科手術を行うことなく、カテーテルを用いて閉鎖栓という円盤状の器具により欠損孔を塞いで治療するため、非常に低侵襲と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 品目別の状況
日本ライフライン<7575>の品目領域は、リズムディバイス、EP/アブレーション、外科関連、インターベンションの4つに大別される。売上構成比は2019年3月期第2四半期で、リズムディバイス14.4%、EP/アブレーション50.5%、外科関連25.1%、インターベンション10.1%となっている。
(1) リズムディバイス
リズムディバイスでは、不整脈治療用の医療機器を扱っている。主な商品は心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)など電気刺激によって心臓の動きを正常に保つ体内植込み型機器である。そのほか、AED(自動体外式除細動器)なども扱っている。リズムディバイスはほとんどが仕入商品である。取引先のMicroPortは、脈拍が正常よりも少ない徐脈の症例に使用される体内植込み型の医療機器である心臓ペースメーカを得意としている。これは心臓の動きを常に監視し、脈が途切れたことを感知すると、電気的刺激を送って心臓の動きを正常に戻す。近年の心臓ペースメーカの市場では、MRI対応のペースメーカが急速に主流を占めるようになってきた。このため、同社も「KORA250」などMRI対応の商品を投入している。
ICD(MicroPort)は、突然起こる心室細動や心室頻拍といった危険性の高い不整脈を自動的に感知し、これも電気治療を行うことで心臓の動きを正常に戻す。CRT-D(MicroPort)は、重症心不全の場合に、心臓の左右両方の心室に電気刺激を与えることで、心臓の同期不全を整えポンプ機能を改善するとともに、ICDと同様に除細動の機能を併せ持つ。ペースメーカリード(MicroPort)は、電気的刺激を心筋に伝えるための導線で、心臓ペースメーカに接続して使用する。ICDの発する電気的刺激を心筋に伝えるためのICDリード(MicroPort)には、電気ショックによる治療を行うためのコイルがついている。イベントレコーダー(MicroPort)は、心臓のイベントを検知し記録する体外型の心電計である。心電図の変化を確認することができ、不整脈の分析などに使用される。AED(NANOOMTECH)は自動で心臓の状態を判断し、心室細動など心臓が痙攣した状態を感知すると電気ショックを与えて除細動を行い、心臓を正常な状態に戻す。
同社は現在、心臓ペースメーカと関連商品について、MicroPortから供給を受けている。ペースメーカのMRI対応の遅れにより販売台数が減少していたが、2018年3月期にはシェア15%まで回復している。しかしながら2019年3月期については、前期に対して販売数量の減少を想定している。その理由としては、今年4月に行われた診療報酬改定で遠隔診療の保険点数が増加し、遠隔モニタリングに対する医療現場のニーズが高まったものの、MicroPortの遠隔モニタリング装置の供給力が不足したことによって、そのニーズに応えられていないことが挙げられる。また、脈拍が正常よりも多い頻脈の治療に使われるICDなどのニーズが増加しているが、MicroPort製品は未だにMRI非対応であるなど商品競争力に課題があり、同社はBoston Scientific Japanに取引先を変更し独占販売契約を締結した。2019年9月以降、取扱商品の切り替えによる品ぞろえ拡大という方向性はポジティブな印象である。
(2) EP/アブレーション
EP/アブレーションでは、不整脈検査・治療用のディスポーザブル式の電極付きカテーテルを取り扱っている。2019年3月期第2四半期のAF症例数は前年同期比20%増であり、近年、急速に伸びている。なお、カテーテルとは中空の柔らかく細い管であり、皮膚の表面から血管に挿入して治療を行う医療機器を広く指す。
EPカテーテル(自社)は心臓内で電位を測定し、不整脈の原因となっている部分を特定するための電極の付いた細いカテーテルのことである。心臓の中の様々な部位を検査できるよう、先端のカーブ形状や電極の数・位置、細さなど種類が豊富にある。また、手元のグリップレバーで先端をカーブさせるシングルディレクショナル(片側に曲がる)タイプとバイディレクショナル(両側に曲がる)タイプがあり、それぞれに様々なカーブのバリエーションがある。
アブレーションカテーテル(自社)は、頻脈の原因となっている刺激伝導経路を、高周波電流で局所的に焼灼して治療する電極付きカテーテルである。EPカテーテルと同じく、心臓の中の様々な部分を焼灼できるよう種類が豊富にある。また、イリゲーションカテーテルはアブレーションカテーテルの1つで、カテーテルの先端に生理食塩水を射出させる穴が開いており、先端の電極を冷却しながら焼灼を行うことで体内での血栓の発生を軽減する機能を持つ。
心腔内除細動システム(自社)は、アブレーション治療中に発生した心房細動などに対し、心臓内で除細動を行うシステムである。体外からの除細動に比べて低いエネルギーで効果があるため、より低侵襲(患者の身体的負担を小さくする)に行うことができる。心房細動に対するアブレーション治療は、特に致死率が高い左房と食道が貫通する食道ろうをはじめ、食道炎や食道潰瘍といった合併症の発生率が、その他のアブレーション治療に比べて高くなる。食道温モニタリングシステム(自社)は、アブレーション治療中に連続的に食道温度のモニタリングを行うことで、このような合併症の発生を防いでいる。
(3) 外科関連
外科関連では、機能を喪失した血管などを人工の臓器に置き換えて治療する、外科手術用の医療機器を扱っている。主な自社製品は人工血管とオープンステントグラフトであり、これらは2017年4月に吸収合併したJUNKEN MEDICALが製造していたものである。主な仕入商品は胸部・腹部用ステントグラフト、人工心臓弁、人工弁輪である。腹部用ステントグラフトのAFX2ステントグラフトシステム(Endologix)は好評で、2018年3月期には15%を超えるシェアを獲得した。なお、ステントグラフトとは、人工血管と同じく大動脈瘤の治療に用いられる医療機器だが、開胸または開腹手術を行う人工血管とは異なり、外科手術を必要とせず、ステントと言われるバネ状の金属製の筒を縫い付けた人工血管を、カテーテルに収納した状態で足の付け根の血管から治療部位まで挿入し、バネの力で血管に押し付けて固定する医療機器である。治療する部位により腹部用と胸部用の商品があり、胸部用はBolton Medicalの商品を扱っている。なお、人工心臓弁関連製品については、現在の仕入先であるLivaNovaとの契約期間が満了を迎える2019年5月に取扱を終了することになった。
人工血管(自社)は、胸部や腹部の大動脈瘤などを治療するための医療機器で、血管にできた瘤の置き換えや閉塞した血管のバイパスに使用される。オープンステントグラフト(自社)は、胸部大動脈疾患を治療する医療機器であり、胸部大動脈を広範囲に人工血管で置き換える際に、従来の人工血管のみで行う治療の場合は2回の開胸手術が必要であったのに対し、オープンステントグラフトを使用すれば1回の開胸手術だけで治療が完結するため、手術時間の短縮や患者の身体的な負担の軽減につながっている。
(4) インターベンション
インターベンションでは、主に心筋梗塞や狭心症などを治療するための医療機器を扱っている。主な自社製品は、心筋梗塞の原因となる血管(冠動脈)の詰まりを治療する際に使用するガイドワイヤーとバルーンカテーテルである。主な仕入商品は、心筋梗塞の中でも特に完全閉塞を治療する際に使用するバルーンカテーテル、治療を補助する貫通カテーテルと、先天性の構造的心疾患を治療する際に用いる心房中隔欠損閉鎖器具である。末梢血管用のPTAバルーンカテーテルの市場が成長しており、同社も拡大する市場に対応して成長を取り込む考えである。
ガイドワイヤー(自社)は、バルーンカテーテルやステントなどを血管の中の治療部位に導くために使用する針金のような医療機器で、大腿部などから血管に挿入し、冠動脈や末梢動脈の狭窄部位を通過させ、このワイヤーに沿ってバルーンカテーテルなどのデバイスを運ぶ。バルーンカテーテル(自社)は、冠動脈が狭くなったり、詰まったりした場合に起こる心筋梗塞や狭心症を治療するための医療機器で、血管の内側からカテーテル(細い管)についた風船を膨らませ、血管を押し拡げることで治療する。貫通カテーテル(Vascular Solutions)は、冠動脈や末梢動脈においてガイドワイヤーの病変通過をサポートするために用いられる医療機器である。
心房中隔欠損閉鎖器具(Occlutech)は、心房中隔欠損症という心臓の左右の心房を隔てる壁である心房中隔に、先天的に欠損孔という穴が開いている疾患を治療するための医療機器である。外科手術を行うことなく、カテーテルを用いて閉鎖栓という円盤状の器具により欠損孔を塞いで治療するため、非常に低侵襲と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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