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橋本総業HD Research Memo(7):実質的に連続増収増益が見込まれる

配信元:フィスコ
投稿:2021/07/06 15:27
■業績見通し

1. 2022年3月期の業績見通し
橋本総業ホールディングス<7570>の2022年3月期の業績見通しについては、売上高135,000百万円、営業利益2,600百万円、経常利益3,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,300百万円を見込んでいる。7つの分野「コロナ対策」「環境・エネルギー」「中古住宅流通・リフォーム」「健康・快適」「安全・安心」「地域活性化」「IT技術の活用」を中心に、既存分野でのシェアアップと地域密着型の営業に積極的に取り組むとともに、仕入・販売価格の管理強化により売上総利益率の向上に注力するほか、引き続きコスト削減を図る。

なお、2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、前期比については2021年3月期に当該会計基準等を適用したと仮定して算出した増減率を公表している。「収益認識基準に関する会計基準」が損益計算書に与える影響は、売上高と営業外費用の売上割引において生じる。まず売上高だが、手数料(口銭)商売にもかかわらず仕入と売上が立っていた取引が、口銭だけの計上となる。これが30億円程度あり、売上と仕入が減少するが、売上総利益以下には影響を与えない。次に売上割引だが、金利収入扱いから売上値引きと同様の扱いに変わる。このため、売上割引がなくなる分、売上高と売上総利益が減り(したがって営業利益も減り)、営業外費用も減る(このため経常利益以下は影響を受けない)。これが5億円程度ある。2021年3月期に「収益認識基準に関する会計基準」を採用すると、弊社による試算ではおおむね売上高で約35億円、営業利益で499百万円減ることになる。この結果、業績推移を単純に比較すると営業利益は減益予想に見えるが、実質的には増収増益予想となる。

部門別の方針は以下の通りである。

管材類では、機器類とのトータル受注でワンストップ化を目指す。また、働き方改革に対応した省施工商材、金属樹脂加工の提案、各エリアでメーカーの代行や即納品在庫を拡大する予定である。

衛生陶器・金具類では、TOTOみらい会の参加者に対し需要創出と商品供給強化を図る。みらいリモデルサポーター会の会員にはリフォーム需要への対応を強化する。また、メーカーショールームを活用したシステム商品の受注を強化し、リフォーム需要を獲得する。

住宅設備機器類では、メーカーからの情報を的確にスピード感を持って発信するとともに、在庫・物流機能を生かして商品供給に責任を持つ。また、設備商品と建材商品のすべてに対応することで、トータル受注に注力する。

空調機器・ポンプでは、空調分野で民間非住宅分野の物件情報の早期発掘と4位1体営業の推進、住宅分野では個別最適提案を強化する。汎用ポンプは設備分野と産機分野を強化、住宅用はフルメニュー対応により業界シェアの伸長を目指す。電材では、機器とのワンストップ提案、空調機更新時に照明との同時更新を提案する。

前期は在庫・物流機能によって顧客の信頼を勝ち得たが、2022年3月期は顧客対応をさらに強化する計画である。また、上期の売上高に関して同社は微増と厳しく見ているが、前年同期の低迷を考慮すれば想定以上の売上も期待できると弊社では見ている。売上総利益率については、メーカーの供給不足により前期はやや強めに推移したという経緯があるが、2022年3月期はITを活用することで売値と仕入値をより一層改善させる取り組みをスタートするため、横ばい確保できると弊社では見ている。販管費については、大型イベントの「東京みらい会」など各種経費が復活し4位1体のコミュニケーションを積極化する計画ではあるものの、前期並みに抑える意向である。

2. 中期成長イメージ
中期成長に向けて同社は、130年の歴史を支えてきた「正直、親切、熱心、感謝」という変わらぬ基本精神に加え、「3つのフル」「みらい活動」「進化活動」「ESG活動」という取り組みを継続的に進める方針である。その上で、卸機能の強化とともに事業領域の拡大など積極経営を推進し、中期的な成長と進化を図る方針である。また、少子高齢化を背景に新築住宅市場は中長期的に厳しいと予想されるものの、「新しい生活様式」を背景とした新商材に加え、リフォーム需要や公共施設・高齢者施設へのエアコン設置、長期的には都心再開発や自然災害による被害への対応、宿泊施設に対するインバウンドニーズの再拡大など、管材を深掘りし、周辺商材へと事業領域を拡大する余地は依然大きいと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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配信元: フィスコ
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