552円
アイナボホールディングスのニュース
■業績動向
1. 2018年9月期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2018年9月期の連結業績は、売上高63,199百万円(前期比1.1%増)、営業利益1,525百万円(同20.3%減)、経常利益1,709百万円(同18.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,113百万円(同16.8%減)となった。売上高が社内目標を下回ったことに加え、一部の大型物件事業で低採算の案件が発生したことなどから売上総利益率が0.3ポイント悪化、一方でシステム刷新に伴い販売費及び一般管理費が4.7%増となったことから営業利益は大幅減益となった。セグメント別では、戸建住宅事業は2.4%の増益であったが、大型物件事業の利益は36.8%減となり全体の足を引っ張った。
営業利益の増減を分析すると、増収によるプラス効果が97百万円、一方でマイナス要因としては粗利率の低下(0.3ポイント)による影響169百万円、システム刷新に伴う関連費用増209百万円、その他販売費及び一般管理費の増加等による影響が106百万円であった。その結果、営業利益は前期比で388百万円減少した。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は56,597百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益は2,180百万円(同2.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が14,682百万円(同0.2%増、同36百万円増)、住設工事が18,916百万円(同3.3%増、同611百万円増)、建材販売が11,650百万円(同5.1%増、同563百万円増)、住設販売が11,348百万円(同2.0%減、同236百万円減)となった。
今期(2018年1月)からのシステム変更に伴い、サッシ販売を住設販売から建材販売へ、工事を伴う現場に納入している商品販売を住設工事から住設販売へ組み替えた。住設販売が減収となり建材販売が増収になったのは、この組み替えの影響による(前期分も遡及して変更済み)。しかし実質ベースでは各サブセグメントとも前期比で増収となっているが、計画値よりは下回った。さらに新システムへの移行に伴い、仕入れ等が甘くなり原価管理が徹底できなかったことなどから売上総利益率が低下した。経費面では、物流や廃棄のコストが予想以上に上昇し、セグメント利益は2.4%増に止まった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は6,601百万円(同3.7%減)、セグメント利益は373百万円(同36.8%減)となった。サブセグメント別では、タイル工事が2,506百万円(同10.6%減)、住設工事が4,095百万円(同1.0%増)となった。セグメント利益が大きく減少した最大の要因は、一部の大型案件で、赤字ではないが利益率が大きく低下した案件が発生したことによる。
(3) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。
商材別の重点課題の状況を見ると、各商材ともに前期比では伸びているが、達成率は必ずしも高くはない。ただしこの達成率は、あくまで同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに懸念される内容ではない。
重点分野の状況を見ると、ZEH/ゼロエネ/認定住宅を除いて達成率は比較的高かった。しかし、ZEH/ゼロエネ/認定住宅の達成率は高くはないが、商材別と同様に同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに業績に影響が出るものではない。ZEH/ゼロエネ/認定住宅については、レベルの高い職人が必要であり、会社もこの点を理解しつつあるので、今後は件数が増加してくるものと思われる。
一方、新規顧客開拓は将来の売上増につながるものなので重要な指標だが、2018年9月期は、件数、売上高ともにほぼ目標を達成しており、結果としてはまずまずであったと言える。ブランド事業においても、達成率は高くはないものの、採算性は向上しているとのこと。2017年に名古屋に拠点をオープンしたこともプラスとなっているようだ。
財務基盤は強固。手元のネットキャッシュは92億円
2. 財務状況
2018年9月期末の財務状況を見ると、流動資産は24,480百万円(前期末比298百万円減)となった。主要科目では現金及び預金53百万円増、受取手形・完成工事未収入金等83百万円減、未成工事支出金166百万円減などであった。固定資産は8,123百万円(同93百万円減)となったが、内訳は有形固定資産が5,530百万円(同167百万円減)、無形固定資産753百万円(同75百万円増)、投資その他資産1,839百万円(同1百万円減)となった。この結果、資産合計は32,604百万円(同392百万円減)となった。
流動負債は12,153百万円(同1,153百万円減)となったが、主な変動は支払手形・工事未払金等の減少366万円、ファクタリング未払金の減少274百万円などであった。固定負債は1,398百万円(同3百万円増)となった。この結果、負債合計は13,552百万円(同1,150百万円減)となった。純資産は19,052百万円(同758百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加720百万円による。
2018年9月末現在で、現金及び預金9,693百万円に対して長短合わせた借入金は422百万円にとどまっており、手元のネットキャッシュ(現金及び預金−借入金)は9,271百万円と、財務基盤は強固である。
3. キャッシュ・フローの状況
2018年9月期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローは575百万円の収入となったが、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上1,727百万円、売上債権の減少221百万円、たな卸資産の減少171百万円、主な支出は仕入債務の減少658百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは105百万円の支出となったが、主な支出は無形固定資産の取得203百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは416百万円の支出となったが、主に配当金の支払いによる支出392百万円などによる。この結果、現金及び現金同等物は53百万円増加し、期末残高は9,693百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2018年9月期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2018年9月期の連結業績は、売上高63,199百万円(前期比1.1%増)、営業利益1,525百万円(同20.3%減)、経常利益1,709百万円(同18.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,113百万円(同16.8%減)となった。売上高が社内目標を下回ったことに加え、一部の大型物件事業で低採算の案件が発生したことなどから売上総利益率が0.3ポイント悪化、一方でシステム刷新に伴い販売費及び一般管理費が4.7%増となったことから営業利益は大幅減益となった。セグメント別では、戸建住宅事業は2.4%の増益であったが、大型物件事業の利益は36.8%減となり全体の足を引っ張った。
営業利益の増減を分析すると、増収によるプラス効果が97百万円、一方でマイナス要因としては粗利率の低下(0.3ポイント)による影響169百万円、システム刷新に伴う関連費用増209百万円、その他販売費及び一般管理費の増加等による影響が106百万円であった。その結果、営業利益は前期比で388百万円減少した。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は56,597百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益は2,180百万円(同2.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が14,682百万円(同0.2%増、同36百万円増)、住設工事が18,916百万円(同3.3%増、同611百万円増)、建材販売が11,650百万円(同5.1%増、同563百万円増)、住設販売が11,348百万円(同2.0%減、同236百万円減)となった。
今期(2018年1月)からのシステム変更に伴い、サッシ販売を住設販売から建材販売へ、工事を伴う現場に納入している商品販売を住設工事から住設販売へ組み替えた。住設販売が減収となり建材販売が増収になったのは、この組み替えの影響による(前期分も遡及して変更済み)。しかし実質ベースでは各サブセグメントとも前期比で増収となっているが、計画値よりは下回った。さらに新システムへの移行に伴い、仕入れ等が甘くなり原価管理が徹底できなかったことなどから売上総利益率が低下した。経費面では、物流や廃棄のコストが予想以上に上昇し、セグメント利益は2.4%増に止まった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は6,601百万円(同3.7%減)、セグメント利益は373百万円(同36.8%減)となった。サブセグメント別では、タイル工事が2,506百万円(同10.6%減)、住設工事が4,095百万円(同1.0%増)となった。セグメント利益が大きく減少した最大の要因は、一部の大型案件で、赤字ではないが利益率が大きく低下した案件が発生したことによる。
(3) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。
商材別の重点課題の状況を見ると、各商材ともに前期比では伸びているが、達成率は必ずしも高くはない。ただしこの達成率は、あくまで同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに懸念される内容ではない。
重点分野の状況を見ると、ZEH/ゼロエネ/認定住宅を除いて達成率は比較的高かった。しかし、ZEH/ゼロエネ/認定住宅の達成率は高くはないが、商材別と同様に同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに業績に影響が出るものではない。ZEH/ゼロエネ/認定住宅については、レベルの高い職人が必要であり、会社もこの点を理解しつつあるので、今後は件数が増加してくるものと思われる。
一方、新規顧客開拓は将来の売上増につながるものなので重要な指標だが、2018年9月期は、件数、売上高ともにほぼ目標を達成しており、結果としてはまずまずであったと言える。ブランド事業においても、達成率は高くはないものの、採算性は向上しているとのこと。2017年に名古屋に拠点をオープンしたこともプラスとなっているようだ。
財務基盤は強固。手元のネットキャッシュは92億円
2. 財務状況
2018年9月期末の財務状況を見ると、流動資産は24,480百万円(前期末比298百万円減)となった。主要科目では現金及び預金53百万円増、受取手形・完成工事未収入金等83百万円減、未成工事支出金166百万円減などであった。固定資産は8,123百万円(同93百万円減)となったが、内訳は有形固定資産が5,530百万円(同167百万円減)、無形固定資産753百万円(同75百万円増)、投資その他資産1,839百万円(同1百万円減)となった。この結果、資産合計は32,604百万円(同392百万円減)となった。
流動負債は12,153百万円(同1,153百万円減)となったが、主な変動は支払手形・工事未払金等の減少366万円、ファクタリング未払金の減少274百万円などであった。固定負債は1,398百万円(同3百万円増)となった。この結果、負債合計は13,552百万円(同1,150百万円減)となった。純資産は19,052百万円(同758百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加720百万円による。
2018年9月末現在で、現金及び預金9,693百万円に対して長短合わせた借入金は422百万円にとどまっており、手元のネットキャッシュ(現金及び預金−借入金)は9,271百万円と、財務基盤は強固である。
3. キャッシュ・フローの状況
2018年9月期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローは575百万円の収入となったが、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上1,727百万円、売上債権の減少221百万円、たな卸資産の減少171百万円、主な支出は仕入債務の減少658百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは105百万円の支出となったが、主な支出は無形固定資産の取得203百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは416百万円の支出となったが、主に配当金の支払いによる支出392百万円などによる。この結果、現金及び現金同等物は53百万円増加し、期末残高は9,693百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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