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コーナン商事のニュース
■業績動向
1. 2022年3月期業績の概要
ポート<7047>の2022年3月期の連結業績は、売上収益が6,994百万円(前期比49.2%増)、調整後EBITDA※が1,604百万円(同55.6%増)、EBITDAが810百万円(同178.8%増)、営業利益が599百万円(同465.0%増)、税引前当期利益が564百万円(同253.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が332百万円(同107.3%増)となった。就職領域の売上収益が全体の業績を牽引し、大幅な成長を遂げた。2022年3月期においても大規模投資を継続していたが、大幅な増収と各領域のマーケティング効率化の影響により、EBITDA以下の利益指標は大幅な伸び率となった。業績予想に対する売上収益はわずかに予想を下回ったものの、EBITDA・営業利益・税引前当期利益に関しては期中に上方修正した利益予想レンジ内での着地となった。第4四半期の営業費用を前年同期と比較すると、INE(エネルギー領域)の連結により全体的に増加しているが、人件費以外の項目は売上対比で減少している。また、売上収益広告宣伝費率は、リフォーム・カードローン領域における効率性重視の運営により減少傾向にある。2023年3月期以降は、INE社の連結を受けて増加する可能性も含む。
※調整後EBITDA=EBITDA+アカウント投資+コンテンツ投資+システム投資。同社は投資資産化の特性が強く、投資額は期によって増減があることから、投資額の影響を除いて平準化された収益として調整後EBITDAを設定し、重要指標としている。
各領域の業績については、以下のとおりである。
(1) 就職領域
2022年3月期売上収益は2,308百万円(前期比57%増)、事業利益は1,064百万円(同54%増)。KPIである送客予算は同87%増、人材紹介数は同96%増の成長率を示した。第4四半期において人材送客・人材紹介ともに大きく成長し通期の大幅な増収を実現した。事業利益についても、マッチング率の向上・増員メンバーの生産性向上等の影響により増益を達成し、KPIである送客予算・人材紹介数はともに成長を続けている。送客予算の確保に注力した結果、増加幅が大きく消化率は一時的に低下していたが、送客効率の改善により回復傾向にある。また、会員数についても好調に推移しており、2022年3月卒業予定の新卒会員数※1は約45.7万人で獲得目標に対する達成率は99%(2022年3月期末時点)、就活生利用率※2は75%程度になっている。2023年3月卒業予定の新卒会員数※1は約28.9万人で獲得目標に対する達成率は既に100%(2022年3月期末時点)確保している。
※1 会員数は「キャリアパーク」と「就活会議」のユニーク数で算出。
※2 就活生全体の約60万人に対する同社会員のシェア。
(2) リフォーム領域
2022年3月期の売上収益は1,092百万円(前期比8%増※)、事業利益は241百万円(同582%増※)、KPIである送客数は同5%増、成約契約数は同9%増の成長を示し、2022年3月末時点の累計加盟店数は4,469社(前期末比12.6%増)。アライアンスによる顧客拡大及び成約支援に向けたDXを推進したが、売上収益は計画を下回る着地となった。一方、成約プロセスに一部介入し、ユーザーと施工業者を双方向からサポートすることで成約契約数は大きく伸長し、事業利益は大幅な増益となった。重点ポイントであった送客先の拡充においては、2022年1月11日にコーナン商事<7516>、2022年2月28日にサンデー<7450>との業務提携が決定している。対応エリア・ジャンルの拡大により全国のユーザーニーズに対応可能となった。また、成約支援に向けたDX推進では大手企業と連携したプラットフォーム力向上のための施策をリリースし、東京海上日動火災保険(株)(以下、東京海上日動)との連携による損害賠償補償制度、SMBCファイナンスサービス(株)との連携によるリフォームローンのサービス提供を開始した。
※2020年8月から連結化のため、前期比は参考値。
(3) カードローン領域
2022年3月期売上収益は1,983百万円(前期比14%増)、事業利益は332百万円(同77%増)、KPIである送客数は同21%増となった。第2四半期以降はカードローン市場全体の顧客予算が縮小しており、売上収益は計画を下回る着地となった。売上収益の成長率が鈍化した一方で、利益重視の運用体制構築及び金融機関DX事業によるアライアンスメディアの好調により、事業利益は当初計画を大幅に上回った。
トピックとしては金融機関DXが挙げられる。消費者金融事業者等のオウンドメディア開発・運営を同社が担い、マーケティングDXを推進しており、2021年6月から10月にかけて、アイフル<8515>グループのアイフルビジネスファイナンス(株)及び大手を含む消費者金融事業者(社名非公開)2社と業務提携し、オーガニックでの送客数を増やすことで利益率改善に寄与した。2021年7月には、オークファン<3674>とファイナンス系メディアの共同開発を目的に業務提携契約を締結。2021年11月にはアイフルグループのライフカード(株)とも業務提携契約を締結した。
(4) エネルギー領域
2022年3月期の売上収益は881百万円、事業利益は177百万円となった※1。資源価格高騰等による電力会社の予算削減等マーケット環境の変化があったが、マッチング効率の改善や各種PMI施策の推進により影響を最小限に抑えた。同社会計基準への適応により収益認識基準の変更があるため、前期比較数値については非開示としている。KPIである電力取次件数※2については、当初想定の10万件を大きく超えて14万件を突破し、前年比※3約2倍の取次件数を確保した。
※1 INEは2022年1月より連結化しており、2022年3月期の売上収益は第4四半期のみの数値。
※2 2021年11月24日開示、M&A補足資料P28に記載された数値を使用。
※3 電力取次件数は、INE社の重要指標である受注数に平均的な開通率を乗じて算出。
(5) 新規・その他領域
2022年3月期の売上収益は728百万円(前期比9%減)、事業利益は86百万円(同62%減)となった。フリーランス支援サービスは順調に推移したものの、撤退サービス等の影響により減収減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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1. 2022年3月期業績の概要
ポート<7047>の2022年3月期の連結業績は、売上収益が6,994百万円(前期比49.2%増)、調整後EBITDA※が1,604百万円(同55.6%増)、EBITDAが810百万円(同178.8%増)、営業利益が599百万円(同465.0%増)、税引前当期利益が564百万円(同253.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が332百万円(同107.3%増)となった。就職領域の売上収益が全体の業績を牽引し、大幅な成長を遂げた。2022年3月期においても大規模投資を継続していたが、大幅な増収と各領域のマーケティング効率化の影響により、EBITDA以下の利益指標は大幅な伸び率となった。業績予想に対する売上収益はわずかに予想を下回ったものの、EBITDA・営業利益・税引前当期利益に関しては期中に上方修正した利益予想レンジ内での着地となった。第4四半期の営業費用を前年同期と比較すると、INE(エネルギー領域)の連結により全体的に増加しているが、人件費以外の項目は売上対比で減少している。また、売上収益広告宣伝費率は、リフォーム・カードローン領域における効率性重視の運営により減少傾向にある。2023年3月期以降は、INE社の連結を受けて増加する可能性も含む。
※調整後EBITDA=EBITDA+アカウント投資+コンテンツ投資+システム投資。同社は投資資産化の特性が強く、投資額は期によって増減があることから、投資額の影響を除いて平準化された収益として調整後EBITDAを設定し、重要指標としている。
各領域の業績については、以下のとおりである。
(1) 就職領域
2022年3月期売上収益は2,308百万円(前期比57%増)、事業利益は1,064百万円(同54%増)。KPIである送客予算は同87%増、人材紹介数は同96%増の成長率を示した。第4四半期において人材送客・人材紹介ともに大きく成長し通期の大幅な増収を実現した。事業利益についても、マッチング率の向上・増員メンバーの生産性向上等の影響により増益を達成し、KPIである送客予算・人材紹介数はともに成長を続けている。送客予算の確保に注力した結果、増加幅が大きく消化率は一時的に低下していたが、送客効率の改善により回復傾向にある。また、会員数についても好調に推移しており、2022年3月卒業予定の新卒会員数※1は約45.7万人で獲得目標に対する達成率は99%(2022年3月期末時点)、就活生利用率※2は75%程度になっている。2023年3月卒業予定の新卒会員数※1は約28.9万人で獲得目標に対する達成率は既に100%(2022年3月期末時点)確保している。
※1 会員数は「キャリアパーク」と「就活会議」のユニーク数で算出。
※2 就活生全体の約60万人に対する同社会員のシェア。
(2) リフォーム領域
2022年3月期の売上収益は1,092百万円(前期比8%増※)、事業利益は241百万円(同582%増※)、KPIである送客数は同5%増、成約契約数は同9%増の成長を示し、2022年3月末時点の累計加盟店数は4,469社(前期末比12.6%増)。アライアンスによる顧客拡大及び成約支援に向けたDXを推進したが、売上収益は計画を下回る着地となった。一方、成約プロセスに一部介入し、ユーザーと施工業者を双方向からサポートすることで成約契約数は大きく伸長し、事業利益は大幅な増益となった。重点ポイントであった送客先の拡充においては、2022年1月11日にコーナン商事<7516>、2022年2月28日にサンデー<7450>との業務提携が決定している。対応エリア・ジャンルの拡大により全国のユーザーニーズに対応可能となった。また、成約支援に向けたDX推進では大手企業と連携したプラットフォーム力向上のための施策をリリースし、東京海上日動火災保険(株)(以下、東京海上日動)との連携による損害賠償補償制度、SMBCファイナンスサービス(株)との連携によるリフォームローンのサービス提供を開始した。
※2020年8月から連結化のため、前期比は参考値。
(3) カードローン領域
2022年3月期売上収益は1,983百万円(前期比14%増)、事業利益は332百万円(同77%増)、KPIである送客数は同21%増となった。第2四半期以降はカードローン市場全体の顧客予算が縮小しており、売上収益は計画を下回る着地となった。売上収益の成長率が鈍化した一方で、利益重視の運用体制構築及び金融機関DX事業によるアライアンスメディアの好調により、事業利益は当初計画を大幅に上回った。
トピックとしては金融機関DXが挙げられる。消費者金融事業者等のオウンドメディア開発・運営を同社が担い、マーケティングDXを推進しており、2021年6月から10月にかけて、アイフル<8515>グループのアイフルビジネスファイナンス(株)及び大手を含む消費者金融事業者(社名非公開)2社と業務提携し、オーガニックでの送客数を増やすことで利益率改善に寄与した。2021年7月には、オークファン<3674>とファイナンス系メディアの共同開発を目的に業務提携契約を締結。2021年11月にはアイフルグループのライフカード(株)とも業務提携契約を締結した。
(4) エネルギー領域
2022年3月期の売上収益は881百万円、事業利益は177百万円となった※1。資源価格高騰等による電力会社の予算削減等マーケット環境の変化があったが、マッチング効率の改善や各種PMI施策の推進により影響を最小限に抑えた。同社会計基準への適応により収益認識基準の変更があるため、前期比較数値については非開示としている。KPIである電力取次件数※2については、当初想定の10万件を大きく超えて14万件を突破し、前年比※3約2倍の取次件数を確保した。
※1 INEは2022年1月より連結化しており、2022年3月期の売上収益は第4四半期のみの数値。
※2 2021年11月24日開示、M&A補足資料P28に記載された数値を使用。
※3 電力取次件数は、INE社の重要指標である受注数に平均的な開通率を乗じて算出。
(5) 新規・その他領域
2022年3月期の売上収益は728百万円(前期比9%減)、事業利益は86百万円(同62%減)となった。フリーランス支援サービスは順調に推移したものの、撤退サービス等の影響により減収減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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