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第一興商のニュース
■業績動向
1. 2021年10月期通期の業績概要
ギグワークス<2375>の2021年10月期通期の連結業績は、売上高が前期比7.1%増の21,169百万円、営業利益が同9.8%減の903百万円、経常利益が同6.7%減の937百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同33.9%減の434百万円と7年連続増収となったものの、各利益は減益となった。
オンデマンドエコノミー事業では、大型受注案件及びGIGAスクール関連のキッティング業務、コンタクトセンターの需要増などが増収の要因となった。前期に受注した突発的な大型案件は予定通り2021年10月期第2四半期に完了し、上期の業績に寄与した。フィールドサポート分野では、各学校に1人1台の学習者用パソコンなどを整備する「GIGAスクール構想」関連案件でパソコンのキッティング業務や設定設置業務が堅調に推移した。コンタクトセンターの需要はコロナ禍が長引くなか、非対面のコミュニケーション需要は旺盛である。東京都・大阪府・福岡県を中心に6拠点のコンタクトセンターを自営する体制が整い、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注が拡大した。ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスにおいては、感染症拡大の影響を受けた後底入れし、案件延期により発生していた非稼働エンジニアは解消されコロナ禍以前の稼働水準に戻った。
一方で、断続的な緊急事態宣言の発出などの影響で、家電量販店での販売支援など対面サービスを中心に需要が停滞した業務もあった。オンデマンドエコノミー事業セグメントの売上高は前期比7.3%増の18,459百万円、セグメント利益は同19.3%増の2,293百万円と増収増益となった。2021年10月期末には年度累計7,718名のギグワーカーが仕事に従事し、創業来累積の仕事斡旋数は704万件(前年同期末比19万件増)となった。
シェアリングエコノミー事業は増収減益となった。損失が発生したのは、新規事業であるスマートオフィスの店舗を一気に増やしたことや、ユーザー獲得に向けた広告宣伝も響いている。シェアオフィスの数は、前期末から25拠点増えて全国84拠点となった。レンタルオフィス利用企業数は5,350社(前期末は4,879社)に増え、ドロップイン会員についても前期比253社増の1,325社、シェアオフィスの稼働率は80.1%(2021年10月期第4四半期時点)となった。働き方改革やコロナ禍での急速なリモートワークの導入を背景にオフィスの分散化や削減、通勤時間の短縮などに取り組む企業が増え、サテライトオフィスの需要が拡大している。同社では2020年12月より多拠点サテライト「スマートオフィス」のサービスを開始した。提携先はワシントンホテル(藤田観光が運営)をはじめとするホテルやビッグエコー(第一興商<7458>が運営)などのカラオケ施設であり、全国で提携拠点数は740拠点(2021年6月末現在)以上まで一気に拡大し、日本最大級のスマートオフィス網となっている。スマートオフィス利用企業数は961社に増えた。シェアリングエコノミー事業の売上高は2,710百万円(前期比6.9%増)、セグメント損失221百万円(前期は69百万円の利益)となった。
営業利益は前期比9.8%減、営業利益率で同0.8ポイント減の4.3%となった。増収効果により売上総利益は増加したものの、先行投資による販管費の伸びが上回ったことが主な要因である。
成長戦略投資に備え財務基盤を強化。現金及び預金44億円と投資余力あり
2. 財務状況と経営指標
2021年10月期末の総資産は前期末比273百万円増の10,643百万円となった。このうち流動資産は376百万円減の7,319百万円であり、現金及び預金348百万円増となったものの、受取手形及び売掛金が869百万円減となったことが主な要因である。固定資産は649百万円増の3,324百万円であり、建物などを含む有形固定資産の506百万円増などが主な要因である。現金及び預金の残高は4,411百万円と潤沢である。
負債合計は前期末比41百万円減の6,403百万円となった。そのうち流動負債は267百万円減の4,406百万円であり、短期借入金が388百万円増加した一方で、買掛金が324百万円、未払金が184百万円それぞれ減少したことが主な要因である。固定負債は226百万円増の1,996百万円であり、主な要因は社債の240百万円増加である。有利子負債は合計で721百万円増加して3,349百万円となったものの、現金及び預金の残高(4,411百万円)と比較しても余裕があることがわかる。
純資産合計は前期末比314百万円増加の4,240百万円となった。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加である。
経営指標(2021年10月期末)では、流動比率が166.1%(前期末は164.6%)、自己資本比率が38.9%(同37.0%)であり、財務の安全性を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2021年10月期通期の業績概要
ギグワークス<2375>の2021年10月期通期の連結業績は、売上高が前期比7.1%増の21,169百万円、営業利益が同9.8%減の903百万円、経常利益が同6.7%減の937百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同33.9%減の434百万円と7年連続増収となったものの、各利益は減益となった。
オンデマンドエコノミー事業では、大型受注案件及びGIGAスクール関連のキッティング業務、コンタクトセンターの需要増などが増収の要因となった。前期に受注した突発的な大型案件は予定通り2021年10月期第2四半期に完了し、上期の業績に寄与した。フィールドサポート分野では、各学校に1人1台の学習者用パソコンなどを整備する「GIGAスクール構想」関連案件でパソコンのキッティング業務や設定設置業務が堅調に推移した。コンタクトセンターの需要はコロナ禍が長引くなか、非対面のコミュニケーション需要は旺盛である。東京都・大阪府・福岡県を中心に6拠点のコンタクトセンターを自営する体制が整い、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注が拡大した。ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスにおいては、感染症拡大の影響を受けた後底入れし、案件延期により発生していた非稼働エンジニアは解消されコロナ禍以前の稼働水準に戻った。
一方で、断続的な緊急事態宣言の発出などの影響で、家電量販店での販売支援など対面サービスを中心に需要が停滞した業務もあった。オンデマンドエコノミー事業セグメントの売上高は前期比7.3%増の18,459百万円、セグメント利益は同19.3%増の2,293百万円と増収増益となった。2021年10月期末には年度累計7,718名のギグワーカーが仕事に従事し、創業来累積の仕事斡旋数は704万件(前年同期末比19万件増)となった。
シェアリングエコノミー事業は増収減益となった。損失が発生したのは、新規事業であるスマートオフィスの店舗を一気に増やしたことや、ユーザー獲得に向けた広告宣伝も響いている。シェアオフィスの数は、前期末から25拠点増えて全国84拠点となった。レンタルオフィス利用企業数は5,350社(前期末は4,879社)に増え、ドロップイン会員についても前期比253社増の1,325社、シェアオフィスの稼働率は80.1%(2021年10月期第4四半期時点)となった。働き方改革やコロナ禍での急速なリモートワークの導入を背景にオフィスの分散化や削減、通勤時間の短縮などに取り組む企業が増え、サテライトオフィスの需要が拡大している。同社では2020年12月より多拠点サテライト「スマートオフィス」のサービスを開始した。提携先はワシントンホテル(藤田観光が運営)をはじめとするホテルやビッグエコー(第一興商<7458>が運営)などのカラオケ施設であり、全国で提携拠点数は740拠点(2021年6月末現在)以上まで一気に拡大し、日本最大級のスマートオフィス網となっている。スマートオフィス利用企業数は961社に増えた。シェアリングエコノミー事業の売上高は2,710百万円(前期比6.9%増)、セグメント損失221百万円(前期は69百万円の利益)となった。
営業利益は前期比9.8%減、営業利益率で同0.8ポイント減の4.3%となった。増収効果により売上総利益は増加したものの、先行投資による販管費の伸びが上回ったことが主な要因である。
成長戦略投資に備え財務基盤を強化。現金及び預金44億円と投資余力あり
2. 財務状況と経営指標
2021年10月期末の総資産は前期末比273百万円増の10,643百万円となった。このうち流動資産は376百万円減の7,319百万円であり、現金及び預金348百万円増となったものの、受取手形及び売掛金が869百万円減となったことが主な要因である。固定資産は649百万円増の3,324百万円であり、建物などを含む有形固定資産の506百万円増などが主な要因である。現金及び預金の残高は4,411百万円と潤沢である。
負債合計は前期末比41百万円減の6,403百万円となった。そのうち流動負債は267百万円減の4,406百万円であり、短期借入金が388百万円増加した一方で、買掛金が324百万円、未払金が184百万円それぞれ減少したことが主な要因である。固定負債は226百万円増の1,996百万円であり、主な要因は社債の240百万円増加である。有利子負債は合計で721百万円増加して3,349百万円となったものの、現金及び預金の残高(4,411百万円)と比較しても余裕があることがわかる。
純資産合計は前期末比314百万円増加の4,240百万円となった。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加である。
経営指標(2021年10月期末)では、流動比率が166.1%(前期末は164.6%)、自己資本比率が38.9%(同37.0%)であり、財務の安全性を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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