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ジェイリースのニュース
■要約
1. 事業内容
ジェイリース<7187>は、賃料債務保証業界の大手の1社である。同社の特徴は、地域に密着したサービスの提供と多店舗展開であり、全国の主要都市に拠点を拡げつつ(2022年5月時点で全国32店舗)、地域に根差した営業活動と入居者への対応を行っている。そのため、中小の不動産会社からの支持は厚く、20千件の不動産会社と協定を結ぶ。住居用賃料保証と事業用賃料保証の両市場でトップグループに入る稀有な企業であり、“業界オンリーワンの総合賃料保証会社”を目指している。
同社のビジネスモデルは、店舗と人で都市部を中心に面展開し、顧客のニーズに徹底的に応えることで信頼を勝ち取り、入居者審査では独自データを活用し厳格にリスクを管理するという“地域密着+リスク管理徹底ビジネスモデル”である。具体的な特長としては、(1) 店舗網と人数、(2) きめ細かな商品・サービス、(3) 協定件数と申込件数、(4) 事業用賃料保証とクロスセリング、(5) 業界トップ水準の代位弁済発生率と代位弁済回収率、(6) 高い成長性・収益性、の6点が挙げられる。
2. 業績動向
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.5%増の9,162百万円、営業利益で同108.8%増の1,971百万円となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。売上面では、主力事業である住居用賃料保証が堅調に推移したことに加え、成長分野として注力する事業用賃料保証が継続して売上拡大に寄与した。利益面では、過去3年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務コストの削減につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比186百万円減少し、代位弁済発生率は5.8%(前期は6.3%)、代位弁済回収率は98.6%(同98.1%)と良好であった。
3. 今後の見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の10,450百万円、営業利益で同11.6%増の2,200百万円と、過去最高業績を更新する予想となっている。売上高については、引き続き住居用賃料保証と事業用賃料保証のクロスセリングを追求する方針だ。一方、利益面では増収効果のほか、債権管理業務コスト削減や生産性向上が増益に寄与する予定となっている。キャッシュ・フローのバロメーターとなる代位弁済発生率(5.8%予想)及び代位弁済回収率(97.7%予想)は良好な水準を維持する計画である。足元の業績は好調で外部環境が良好であること、事業用賃料保証は1件当たりの売上高が相対的に高く効率的であるほか、債権管理業務コスト削減のさらなる成果が期待できることなどから、業績予想から上振れて着地する可能性も十分あると弊社では見ている。
4. 成長戦略・トピック
同社は、3年後の2024年3月期を目標年度とする3ヶ年計画を公表していたが、好調な実績を背景に2021年11月に上方修正をし、新たに「新3ヶ年計画」を策定した。主力の住居用賃料保証、成長分野である事業用賃料保証、新事業分野である医療費保証等の3分野で、顧客ニーズに合わせた保証商品を拡大し、ノウハウによる差別化を図る戦略を掲げている。また、成長基盤の構築・強化のために「人」「データ」「DX」の3つの施策を実行していく方針だ。このうち、「DX」に関する施策としては、不動産取引に関する手続きのオンライン化を促進していく。社内外の業務効率化のほか、各種データ分析の高度化を図ることで、1人当たりの労働生産性の向上を目指す。具体的には、「申込のDX化」として業界のオンライン入居申込サービス(API連携)を推進しているほか、「契約のDX化」として、有力プラットフォーマーとの連携拡大を進めている。
5. 株主還元策
同社は配当について、中間と期末の年2回を基本的な方針としており、配当性向20%程度を当面の基準としてきたが、利益体質が定着したことから、2023年3月期以降は30%程度に基準を変更することを発表した。配当実績については、好調な業績を背景に、2021年3月期は復配を実施、2022年3月期は年間配当金40.0円(中間15.0円、期末25.0円)、配当性向26.5%となった。2023年3月期は、年間配当金50.0円(中間25.0円、期末25.0円)、配当性向30.1%を予想する。
■Key Points
・地域密着で中小不動産会社と協業する営業スタイル
・2022年3月期は売上高・各利益ともに過去最高を更新。主力の住居用賃料保証は堅調に推移、成長分野の事業用賃料保証は急成長
・2023年3月期は住居用・事業用ともに業績拡大が継続することで、売上高・利益とも過去最高更新を見込む
・住居用賃料保証と事業用賃料保証の両市場でシェアを拡大することで、“業界オンリーワンの総合賃料保証会社”を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>
1. 事業内容
ジェイリース<7187>は、賃料債務保証業界の大手の1社である。同社の特徴は、地域に密着したサービスの提供と多店舗展開であり、全国の主要都市に拠点を拡げつつ(2022年5月時点で全国32店舗)、地域に根差した営業活動と入居者への対応を行っている。そのため、中小の不動産会社からの支持は厚く、20千件の不動産会社と協定を結ぶ。住居用賃料保証と事業用賃料保証の両市場でトップグループに入る稀有な企業であり、“業界オンリーワンの総合賃料保証会社”を目指している。
同社のビジネスモデルは、店舗と人で都市部を中心に面展開し、顧客のニーズに徹底的に応えることで信頼を勝ち取り、入居者審査では独自データを活用し厳格にリスクを管理するという“地域密着+リスク管理徹底ビジネスモデル”である。具体的な特長としては、(1) 店舗網と人数、(2) きめ細かな商品・サービス、(3) 協定件数と申込件数、(4) 事業用賃料保証とクロスセリング、(5) 業界トップ水準の代位弁済発生率と代位弁済回収率、(6) 高い成長性・収益性、の6点が挙げられる。
2. 業績動向
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.5%増の9,162百万円、営業利益で同108.8%増の1,971百万円となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。売上面では、主力事業である住居用賃料保証が堅調に推移したことに加え、成長分野として注力する事業用賃料保証が継続して売上拡大に寄与した。利益面では、過去3年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務コストの削減につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比186百万円減少し、代位弁済発生率は5.8%(前期は6.3%)、代位弁済回収率は98.6%(同98.1%)と良好であった。
3. 今後の見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の10,450百万円、営業利益で同11.6%増の2,200百万円と、過去最高業績を更新する予想となっている。売上高については、引き続き住居用賃料保証と事業用賃料保証のクロスセリングを追求する方針だ。一方、利益面では増収効果のほか、債権管理業務コスト削減や生産性向上が増益に寄与する予定となっている。キャッシュ・フローのバロメーターとなる代位弁済発生率(5.8%予想)及び代位弁済回収率(97.7%予想)は良好な水準を維持する計画である。足元の業績は好調で外部環境が良好であること、事業用賃料保証は1件当たりの売上高が相対的に高く効率的であるほか、債権管理業務コスト削減のさらなる成果が期待できることなどから、業績予想から上振れて着地する可能性も十分あると弊社では見ている。
4. 成長戦略・トピック
同社は、3年後の2024年3月期を目標年度とする3ヶ年計画を公表していたが、好調な実績を背景に2021年11月に上方修正をし、新たに「新3ヶ年計画」を策定した。主力の住居用賃料保証、成長分野である事業用賃料保証、新事業分野である医療費保証等の3分野で、顧客ニーズに合わせた保証商品を拡大し、ノウハウによる差別化を図る戦略を掲げている。また、成長基盤の構築・強化のために「人」「データ」「DX」の3つの施策を実行していく方針だ。このうち、「DX」に関する施策としては、不動産取引に関する手続きのオンライン化を促進していく。社内外の業務効率化のほか、各種データ分析の高度化を図ることで、1人当たりの労働生産性の向上を目指す。具体的には、「申込のDX化」として業界のオンライン入居申込サービス(API連携)を推進しているほか、「契約のDX化」として、有力プラットフォーマーとの連携拡大を進めている。
5. 株主還元策
同社は配当について、中間と期末の年2回を基本的な方針としており、配当性向20%程度を当面の基準としてきたが、利益体質が定着したことから、2023年3月期以降は30%程度に基準を変更することを発表した。配当実績については、好調な業績を背景に、2021年3月期は復配を実施、2022年3月期は年間配当金40.0円(中間15.0円、期末25.0円)、配当性向26.5%となった。2023年3月期は、年間配当金50.0円(中間25.0円、期末25.0円)、配当性向30.1%を予想する。
■Key Points
・地域密着で中小不動産会社と協業する営業スタイル
・2022年3月期は売上高・各利益ともに過去最高を更新。主力の住居用賃料保証は堅調に推移、成長分野の事業用賃料保証は急成長
・2023年3月期は住居用・事業用ともに業績拡大が継続することで、売上高・利益とも過去最高更新を見込む
・住居用賃料保証と事業用賃料保証の両市場でシェアを拡大することで、“業界オンリーワンの総合賃料保証会社”を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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