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ヘリオス テクノ ホールディングのニュース
■事業概要
ヘリオス テクノ ホールディング<6927>自身は純粋持株会社で、ランプ事業を手掛けるフェニックス電機、人材派遣事業などを行っている日本技術センター、製造装置を手掛けるナカンテクノの主要3社を中核に5社で構成されている。事業セグメントとしては、ランプ事業、製造装置事業、人材派遣事業の3事業セグメントから成っている。
(1) ランプ事業の概要
ランプ事業はフェニックス電機とその子会社の(株)ルクスが担当している。内訳として、プロジェクター用ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ、露光装置用光源ランプなどがある。
近年ランプ事業の中で重要性が増しているのが露光装置用光源ランプだ。液晶パネルの重要構成部品であるカラーフィルターの製造において、リソグラフィプロセスで露光装置が使用される。露光装置の全体は専門メーカーが製造しており、同社は専門メーカーに対して光源ユニット(MLS = Multi Lamp System)を供給している。現状は、国内トップの装置メーカーに対して同社が専属で納入している状況にある。
一般照明用ランプは光源の種類によりハロゲンランプ、LEDランプなどがある。流れとしては省エネ・長寿命のLEDへのシフトが進んでおり、同社もLEDランプが伸長する一方、ハロゲンは縮小方向という状況にある。LEDランプについては、LEDチップを外部から購入し、自社で照明製品を製造している。
プロジェクター用ランプは背面反射型プロジェクターの光源で、現在は代替需要が市場として残っている状況だ。売上高の構成比も徐々に低下してきている。
(2) 製造装置事業の概要
同社の製造装置事業はナカンテクノとリードテックが行っている事業と、フェニックス電機が手掛ける装置等で構成されている。このナカンテクノ(リードテック含む)の製品・サービスは、フレキソ印刷機、プラント、高精細インクジェット印刷機(HRP)及びその他の4つのサブセグメントから成っている。
フレキソ印刷機の代表的製品は液晶パネルの配向膜製造装置だ。配向膜製造装置にはフレキソ印刷技術ベースのものとインクジェットプリンターの技術によるものの2つのタイプがあるが、ナカンテクノはフレキソ印刷機タイプの配向膜製造装置のトップメーカーだ。フレキソ印刷機タイプはマザーガラスサイズでG8.5(8.5世代)までが限界とされており、同社の出荷する装置も現状はG8.5が中心となっている。液晶パネル製造現場の最先端ではG10.5へと世代が進んでいるが、同社にとってのメイン市場である中国ではG8.5サイズへのニーズも根強いもようだ。同社はG10.5対応を目指してインクジェット方式による装置開発も進めている。
プラントは中古の液晶パネル製造装置の仲介・搬送・移設を行う事業だ。中国では世代遅れの製造装置を安く購入し、それで液晶パネルの生産コストを下げるというニーズが根強い。リードテックは装置の製造以外にも機器の設置の技術・経験が豊富なところが強みだ。
新規装置の内容はHRP(High Resolution Printer、高精細印刷機)が中心となっている。インクジェット方式やグラビア印刷方式など、ベースとなる印刷技術は様々なものを活用しながら、高精細印刷を目的とする装置の開発を進めてきた。足元は、高精細インクジェット印刷機が本格立ち上がり期を迎えた状況にある。
その他は、過去に納入した製造装置に対する消耗品の供給や、改修・改良工事、保守・メンテナンスなどだ。同社の製造装置の累計販売台数は500台を大きく超えてきており、その他の売上高もここ数年は増加基調にある。
フェニックス電機が手掛けている事業は、液晶カラーフィルター露光装置用光源ユニット(MLS)の筐体の製造と、そこに光源を組み合わせてユニット化する作業が業務内容となっている。
また、2017年3月期において日本技術センターがパワーデバイステスターの開発を完了し、試験的導入が行われている。これはカタログモデルとしての製品であり、今後の展開が注目される。
(3) 人材サービス事業の概要
人材サービス事業は日本技術センターが手掛けている。同社は傘下に複数の人材サービス企業を抱えていたが、日本技術センターが2013年11月に(株)関西技研を吸収合併し、さらに2015年4月に(株)テクノ・プロバイダーを吸収合併して現在の体制となった。
人材サービス事業の内容は、製造技術者派遣、労働者派遣、設計請負、訪問介護事業などとなっている。収益の中心は製造技術者派遣及び労働者派遣だ。営業戦略では、同社は地域密着型の事業モデルを採用している。「点から面へ」をスローガンに、既存顧客の周辺地域でさらに顧客を広げて派遣労働者を集中的に配置する体制構築を目指している。理由は言うまでもなく効率性の追求だ。
同社は人材サービス事業については今後もM&Aの機会を追求していく方針を明らかにしている。人材派遣業界は人材獲得に苦心しており、人材と営業基盤の両方を獲得できるという点でM&Aによる拡大が有効という判断だ。M&Aに際しては、前述の地域密着型モデルに照らし、シナジーを得やすい地域に基盤を置く企業を対象にM&Aの機会を追求する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
ヘリオス テクノ ホールディング<6927>自身は純粋持株会社で、ランプ事業を手掛けるフェニックス電機、人材派遣事業などを行っている日本技術センター、製造装置を手掛けるナカンテクノの主要3社を中核に5社で構成されている。事業セグメントとしては、ランプ事業、製造装置事業、人材派遣事業の3事業セグメントから成っている。
(1) ランプ事業の概要
ランプ事業はフェニックス電機とその子会社の(株)ルクスが担当している。内訳として、プロジェクター用ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ、露光装置用光源ランプなどがある。
近年ランプ事業の中で重要性が増しているのが露光装置用光源ランプだ。液晶パネルの重要構成部品であるカラーフィルターの製造において、リソグラフィプロセスで露光装置が使用される。露光装置の全体は専門メーカーが製造しており、同社は専門メーカーに対して光源ユニット(MLS = Multi Lamp System)を供給している。現状は、国内トップの装置メーカーに対して同社が専属で納入している状況にある。
一般照明用ランプは光源の種類によりハロゲンランプ、LEDランプなどがある。流れとしては省エネ・長寿命のLEDへのシフトが進んでおり、同社もLEDランプが伸長する一方、ハロゲンは縮小方向という状況にある。LEDランプについては、LEDチップを外部から購入し、自社で照明製品を製造している。
プロジェクター用ランプは背面反射型プロジェクターの光源で、現在は代替需要が市場として残っている状況だ。売上高の構成比も徐々に低下してきている。
(2) 製造装置事業の概要
同社の製造装置事業はナカンテクノとリードテックが行っている事業と、フェニックス電機が手掛ける装置等で構成されている。このナカンテクノ(リードテック含む)の製品・サービスは、フレキソ印刷機、プラント、高精細インクジェット印刷機(HRP)及びその他の4つのサブセグメントから成っている。
フレキソ印刷機の代表的製品は液晶パネルの配向膜製造装置だ。配向膜製造装置にはフレキソ印刷技術ベースのものとインクジェットプリンターの技術によるものの2つのタイプがあるが、ナカンテクノはフレキソ印刷機タイプの配向膜製造装置のトップメーカーだ。フレキソ印刷機タイプはマザーガラスサイズでG8.5(8.5世代)までが限界とされており、同社の出荷する装置も現状はG8.5が中心となっている。液晶パネル製造現場の最先端ではG10.5へと世代が進んでいるが、同社にとってのメイン市場である中国ではG8.5サイズへのニーズも根強いもようだ。同社はG10.5対応を目指してインクジェット方式による装置開発も進めている。
プラントは中古の液晶パネル製造装置の仲介・搬送・移設を行う事業だ。中国では世代遅れの製造装置を安く購入し、それで液晶パネルの生産コストを下げるというニーズが根強い。リードテックは装置の製造以外にも機器の設置の技術・経験が豊富なところが強みだ。
新規装置の内容はHRP(High Resolution Printer、高精細印刷機)が中心となっている。インクジェット方式やグラビア印刷方式など、ベースとなる印刷技術は様々なものを活用しながら、高精細印刷を目的とする装置の開発を進めてきた。足元は、高精細インクジェット印刷機が本格立ち上がり期を迎えた状況にある。
その他は、過去に納入した製造装置に対する消耗品の供給や、改修・改良工事、保守・メンテナンスなどだ。同社の製造装置の累計販売台数は500台を大きく超えてきており、その他の売上高もここ数年は増加基調にある。
フェニックス電機が手掛けている事業は、液晶カラーフィルター露光装置用光源ユニット(MLS)の筐体の製造と、そこに光源を組み合わせてユニット化する作業が業務内容となっている。
また、2017年3月期において日本技術センターがパワーデバイステスターの開発を完了し、試験的導入が行われている。これはカタログモデルとしての製品であり、今後の展開が注目される。
(3) 人材サービス事業の概要
人材サービス事業は日本技術センターが手掛けている。同社は傘下に複数の人材サービス企業を抱えていたが、日本技術センターが2013年11月に(株)関西技研を吸収合併し、さらに2015年4月に(株)テクノ・プロバイダーを吸収合併して現在の体制となった。
人材サービス事業の内容は、製造技術者派遣、労働者派遣、設計請負、訪問介護事業などとなっている。収益の中心は製造技術者派遣及び労働者派遣だ。営業戦略では、同社は地域密着型の事業モデルを採用している。「点から面へ」をスローガンに、既存顧客の周辺地域でさらに顧客を広げて派遣労働者を集中的に配置する体制構築を目指している。理由は言うまでもなく効率性の追求だ。
同社は人材サービス事業については今後もM&Aの機会を追求していく方針を明らかにしている。人材派遣業界は人材獲得に苦心しており、人材と営業基盤の両方を獲得できるという点でM&Aによる拡大が有効という判断だ。M&Aに際しては、前述の地域密着型モデルに照らし、シナジーを得やすい地域に基盤を置く企業を対象にM&Aの機会を追求する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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