607円
ジオマテックのニュース
■要約
ジオマテック<6907>は、真空薄膜製品の製造販売などを行っている企業で、1953年に創業して以来、一貫して真空薄膜技術のプロフェッショナルとして歩んできた。取扱製品は、フラットパネルディスプレイ用基板(液晶ディスプレイ用基板、EL用基板、タッチパネル用基板)、光学機器用部品、その他真空薄膜製品などで、その技術はタッチパネルやディスプレイへの薄膜加工のみならず、幅広い分野で応用されている。
スマートフォン、タブレット端末、ゲーム、デジカメ、カーナビなどの普及は、同社が得意とする真空薄膜技術の活躍の場を広げ、液晶ディスプレイ、タッチパネルなどのカテゴリー製品が拡大、業績を押し上げることとなった。しかし、近年では、スマートフォンの需要が成熟化していることから、これらに依存したままでは成長を続けるのが難しい状況となっている。そのため、主力となっているFPD(フラットパネルディスプレイ)関連分野に加えて、業績をけん引する新たな柱となる製品を拡充することが必要となってきた。
そこで、同社は車載、半導体、インフラなどディスプレイ産業以外に幅広く新たな分野の製品育成に積極的に取り組んでいる。なかでも、車載分野については、反射防止膜+防指紋機能膜、ハーフミラー、透明ヒーター、また半導体分野については、HRDP®※向け再配線電極など、薄膜加工へのニーズが増加しており、今後の期待分野と言えそうだ。このほか、g.moth®、加飾膜、透明ヒーター、近接センサー、撥水・親水、円筒内部成膜など、従来のディスプレイ産業向けとは異なる新しい製品・技術が、様々なシーンで採用されるなど将来性が大きい製品が目白押し。これらの製品に注力し、顧客からの試作品に積極的対応し、新たな薄膜製品、技術を開発し飛躍を目指していく。
※HRDP®とは、三井金属鉱業用製品名
2019年5月15日に発表した2019年3月期連結決算は、売上高が6,286百万円(前期比10.8%減)、営業利益は501百万円の損失(前年実績は96百万円の利益)、経常利益は428百万円の損失(同98百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,020百万円の損失(同79百万円の利益)となった。中国のスマートフォン市場の低迷による受注減が影響している。現地法人について減損処理を実施した。ただ、後述する試作品が本格生産に移行した際には利益向上が見込めるようになる。
2020年3月期の予想は、売上高が前期比16.1%増の7,300百万円、営業利益は50百万円、経常利益は80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は70百万円と黒字化する見通し。配当金については、2019年3月期に引き続き年間30円を見込んでいるなど、厳しいながらも、株主還元には前向きな姿勢を崩していない。
■Key Points
・真空薄膜技術のプロフェッショナル
・2019年3月期は、売上高6,286百万円と業績予想修正値の水準での着地
・2020年3月期の配当は、2019年3月期に引き続き年間30円を見込み、株主還元には前向きな姿勢を崩さず
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<YM>
ジオマテック<6907>は、真空薄膜製品の製造販売などを行っている企業で、1953年に創業して以来、一貫して真空薄膜技術のプロフェッショナルとして歩んできた。取扱製品は、フラットパネルディスプレイ用基板(液晶ディスプレイ用基板、EL用基板、タッチパネル用基板)、光学機器用部品、その他真空薄膜製品などで、その技術はタッチパネルやディスプレイへの薄膜加工のみならず、幅広い分野で応用されている。
スマートフォン、タブレット端末、ゲーム、デジカメ、カーナビなどの普及は、同社が得意とする真空薄膜技術の活躍の場を広げ、液晶ディスプレイ、タッチパネルなどのカテゴリー製品が拡大、業績を押し上げることとなった。しかし、近年では、スマートフォンの需要が成熟化していることから、これらに依存したままでは成長を続けるのが難しい状況となっている。そのため、主力となっているFPD(フラットパネルディスプレイ)関連分野に加えて、業績をけん引する新たな柱となる製品を拡充することが必要となってきた。
そこで、同社は車載、半導体、インフラなどディスプレイ産業以外に幅広く新たな分野の製品育成に積極的に取り組んでいる。なかでも、車載分野については、反射防止膜+防指紋機能膜、ハーフミラー、透明ヒーター、また半導体分野については、HRDP®※向け再配線電極など、薄膜加工へのニーズが増加しており、今後の期待分野と言えそうだ。このほか、g.moth®、加飾膜、透明ヒーター、近接センサー、撥水・親水、円筒内部成膜など、従来のディスプレイ産業向けとは異なる新しい製品・技術が、様々なシーンで採用されるなど将来性が大きい製品が目白押し。これらの製品に注力し、顧客からの試作品に積極的対応し、新たな薄膜製品、技術を開発し飛躍を目指していく。
※HRDP®とは、三井金属鉱業用製品名
2019年5月15日に発表した2019年3月期連結決算は、売上高が6,286百万円(前期比10.8%減)、営業利益は501百万円の損失(前年実績は96百万円の利益)、経常利益は428百万円の損失(同98百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,020百万円の損失(同79百万円の利益)となった。中国のスマートフォン市場の低迷による受注減が影響している。現地法人について減損処理を実施した。ただ、後述する試作品が本格生産に移行した際には利益向上が見込めるようになる。
2020年3月期の予想は、売上高が前期比16.1%増の7,300百万円、営業利益は50百万円、経常利益は80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は70百万円と黒字化する見通し。配当金については、2019年3月期に引き続き年間30円を見込んでいるなど、厳しいながらも、株主還元には前向きな姿勢を崩していない。
■Key Points
・真空薄膜技術のプロフェッショナル
・2019年3月期は、売上高6,286百万円と業績予想修正値の水準での着地
・2020年3月期の配当は、2019年3月期に引き続き年間30円を見込み、株主還元には前向きな姿勢を崩さず
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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