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フェローテックホールディングスのニュース
*13:01JST フェローテク Research Memo(1):2024年3月期は半導体業界の一服で営業減益予想
■要約
フェローテックホールディングス<6890>の主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)、磁性流体、サーモモジュール、パワー半導体基板など様々な製品、装置、部品、素材等を製造・販売することだが、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなどの事業も行っている。
1. 2023年3月期業績(実績)
2023年3月期の業績は、売上高が前期比57.5%増の210,810百万円、営業利益が同55.1%増の35,042百万円、経常利益が同63.3%増の42,448百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.4%増の29,702百万円となった。世界的な半導体市場の活況を背景に、主要顧客である半導体製造装置メーカーやデバイスメーカーからの需要が高まり、売上高は過去最高となった。セグメント別の売上高は、半導体等装置関連が前期比46.4%増、電子デバイスが同96.2%増、その他が同54.9%増となった。営業外収益で為替差益5,495百万円(前期は差益2,542百万円)を計上したこと、営業外費用で持分法による投資損失610百万円を計上したことなどから経常利益の伸び率が高くなった。特別利益は、前期に計上した持分変動利益9,327百万円が減少したことから、前期比8,565百万円減となった。特別損失は、1,263百万円(前期比504百万円減)であった。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率は経常利益に比べて小さくなった。設備投資額は62,661百万円(前期実績35,378百万円)と高水準であり、減価償却費は12,618百万円(同8,085百万円)となった。
2. 2024年3月期業績(予想)
2024年3月期の業績は、売上高220,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益32,500百万円(同7.3%減)、経常利益は30,000百万円(同29.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,000百万円(同39.4%減)を見込んでいる。世界的に半導体市場が踊り場を迎えている状況で、先行きも不透明であることから主力の半導体等装置関連は前期比5.4%の減収を見込んでいる。一方で、注力しているパワー半導体基板が大きく伸びることから、電子デバイスは同33.4%増の予想。その他は同5.4%減を見込んでいる。その結果、営業利益は減益予想となっており、為替差益やその他の特殊要因を見込んでいないことから、経常利益以下の減益率が高くなっている。設備投資額は96,900百万円、減価償却費は17,400百万円を見込んでいる。なお2028年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(社債の総額250億円、2023年6月23日払い込み、転換価額4,020円)の発行を発表した。
3. 中期経営計画
同社は、2021年5月に2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。2024年3月期の定量的目標を、当初の目標値から2022年5月に一度は上方修正したが、足元の状況を鑑みて2023年5月に下方修正した。現在では売上高2,200億円、営業利益325億円(営業利益率14.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益180億円を目標としている。この目標を達成するための累計設備投資額(2022年3月期~2024年3月期)は、2022年5月修正後の1,800億円から1,950億円へ上方修正された。引き続き成長ドライバーとして、半導体マテリアル(石英製品、セラミックス、シリコンパーツ等)、半導体サービス(部品洗浄、石英坩堝、再生ウエーハ等)、半導体金属・装置(金属加工、蒸着装置等)、電子デバイス(サーモモジュール、パワー半導体基板等)を挙げており、この方針は当初計画と変わっていない。さらに中期経営計画後の目標としては、2025年3月期に売上高2,700億円、営業利益450億円、2026年3月期に売上高3,600億円、営業利益600億円を掲げている。今後の動向に注目したい。
■Key Points
・石英製品、セラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・半導体業界の一服で2024年3月期は営業減益(前期比7.3%減)を見込むが、設備投資は高水準。
・中期経営計画後の2025年3月期以降は再度成長路線を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
フェローテックホールディングス<6890>の主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)、磁性流体、サーモモジュール、パワー半導体基板など様々な製品、装置、部品、素材等を製造・販売することだが、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなどの事業も行っている。
1. 2023年3月期業績(実績)
2023年3月期の業績は、売上高が前期比57.5%増の210,810百万円、営業利益が同55.1%増の35,042百万円、経常利益が同63.3%増の42,448百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.4%増の29,702百万円となった。世界的な半導体市場の活況を背景に、主要顧客である半導体製造装置メーカーやデバイスメーカーからの需要が高まり、売上高は過去最高となった。セグメント別の売上高は、半導体等装置関連が前期比46.4%増、電子デバイスが同96.2%増、その他が同54.9%増となった。営業外収益で為替差益5,495百万円(前期は差益2,542百万円)を計上したこと、営業外費用で持分法による投資損失610百万円を計上したことなどから経常利益の伸び率が高くなった。特別利益は、前期に計上した持分変動利益9,327百万円が減少したことから、前期比8,565百万円減となった。特別損失は、1,263百万円(前期比504百万円減)であった。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率は経常利益に比べて小さくなった。設備投資額は62,661百万円(前期実績35,378百万円)と高水準であり、減価償却費は12,618百万円(同8,085百万円)となった。
2. 2024年3月期業績(予想)
2024年3月期の業績は、売上高220,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益32,500百万円(同7.3%減)、経常利益は30,000百万円(同29.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,000百万円(同39.4%減)を見込んでいる。世界的に半導体市場が踊り場を迎えている状況で、先行きも不透明であることから主力の半導体等装置関連は前期比5.4%の減収を見込んでいる。一方で、注力しているパワー半導体基板が大きく伸びることから、電子デバイスは同33.4%増の予想。その他は同5.4%減を見込んでいる。その結果、営業利益は減益予想となっており、為替差益やその他の特殊要因を見込んでいないことから、経常利益以下の減益率が高くなっている。設備投資額は96,900百万円、減価償却費は17,400百万円を見込んでいる。なお2028年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(社債の総額250億円、2023年6月23日払い込み、転換価額4,020円)の発行を発表した。
3. 中期経営計画
同社は、2021年5月に2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。2024年3月期の定量的目標を、当初の目標値から2022年5月に一度は上方修正したが、足元の状況を鑑みて2023年5月に下方修正した。現在では売上高2,200億円、営業利益325億円(営業利益率14.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益180億円を目標としている。この目標を達成するための累計設備投資額(2022年3月期~2024年3月期)は、2022年5月修正後の1,800億円から1,950億円へ上方修正された。引き続き成長ドライバーとして、半導体マテリアル(石英製品、セラミックス、シリコンパーツ等)、半導体サービス(部品洗浄、石英坩堝、再生ウエーハ等)、半導体金属・装置(金属加工、蒸着装置等)、電子デバイス(サーモモジュール、パワー半導体基板等)を挙げており、この方針は当初計画と変わっていない。さらに中期経営計画後の目標としては、2025年3月期に売上高2,700億円、営業利益450億円、2026年3月期に売上高3,600億円、営業利益600億円を掲げている。今後の動向に注目したい。
■Key Points
・石英製品、セラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・半導体業界の一服で2024年3月期は営業減益(前期比7.3%減)を見込むが、設備投資は高水準。
・中期経営計画後の2025年3月期以降は再度成長路線を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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