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AKIBAホールディングスのニュース
―AI全盛時代のインフラ基盤を担う、最先端半導体分野でも「日の丸」が動き出す!―
2月中旬の東京株式市場は2万7000円台半ばで強弱観が対立し、日経平均株価は文字通り一進一退の展開で日々上昇と下降を繰り返している。米国のインフレ沈静化に向けた動きがなかなか進展せず、今週相次いで発表された1月の米消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)のいずれも事前の市場コンセンサスを上回った。インフレの沈静化が遅れ、FRBによる金融引き締め策が長期化するとの思惑が米国株市場の上値を重くしており、東京市場にもその影響が及んでいる。
●全体指数にとらわれ過ぎないことが大切
ただ、全体指数にとらわれ過ぎるとチャンスを見逃すことになる。鬼門となっていた企業の決算発表が概ね終了したことで、個別株も決算絡みの荒い値動きから解放される状況となったのは好材料といってよく、しっかりと地に足をつける形で業績内容の良い銘柄を選別投資できる環境が整ってきた。
そうしたなか、株価は実勢の経済や企業業績よりも半年程度先を見据えるということに留意しておく必要がある。3月期決算企業でいえば、第3四半期を通過したことで、既に視点は23年3月期ではなく、24年3月期の収益シナリオをイメージして有望株を探す動きが強まる可能性が高い。そうしたなか、市況軟化を背景にこれまで逆風環境に置かれていた 半導体関連株にもチャンスが巡ってきた。来期は半導体需給の緩みが解消される方向が見えており、株価的にも関連銘柄はここから見直し買いの動きが期待できる。目先調整局面があれば、押し目は積極的に買い向かって報われる公算が大きい。
●「株式市場」も夜明け前が一番暗い
今月9日に行われた東京エレクトロン <8035> [東証P]の決算発表は市場筋の間でも話題となった。23年3月期業績予想の上方修正とともに増配と株式分割を併せて発表したことはもちろんサプライズであったが、話題の中心はここではなかった。
市場関係者によると「同社の河合利樹社長が半導体製造装置 市場の動向について、足もとは調整の“ど真ん中”にいるが、今が底であり今年後半からメモリー向け製造装置需要は回復基調に入るであろうと自信をもって言及したこと。ここにインパクトがあった。国内で断トツの売り上げを誇り、世界でも屈指の半導体製造装置メーカーである東エレクが展望しただけに、半導体市況のボトムアウトが強く意識された」(準大手証券ストラテジスト)という。今現在は確かに暗いけれど、すぐそこに夜明けが迫っているのであれば株価は闇のうちに動き出すのが道理であり、これは過去の相場の歴史が証明してきたことでもある。
●半導体市場は構造的に拡大が止まらない
そもそも近視眼的にならず少し長い目で見れば、半導体市場が中長期的に拡大基調を続けていくことに疑いはない。例えばここにきて、人工知能(AI)の加速度的な進化にスポットライトが当たっているが、その進化をもたらした膨大なビッグデータとディープラーニング技術との融合は、すべて半導体というハード(インフラ基盤)が担っていると言っても過言ではない。
社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)化は半導体の市場拡大を完全に担保するものであり、逆に言えば半導体の供給が滞れば、デジタル化社会の基盤自体が揺らぐことになる。更に先端半導体については、最新鋭の軍事品開発に必須であり、この供給確保は国家として有事に対応するうえで喫緊の課題となる。だからこそ、米中間の摩擦が先鋭化し、国家安全保障の側面からも、強靱な半導体供給網の確保が叫ばれる状況となっているのだ。
●不退転の米半導体戦略が意味するもの
バイデン米政権は不退転の構えで半導体シフト戦略をとっている。昨年8月に米国内における半導体生産や開発に、日本円にして約7兆円規模の巨額の補助金を投入する法律を成立させたことは記憶に新しい。対中包囲網として日本との半導体分野での連携も強化している。台湾の半導体受託生産最大手TSMC
直近では、国内主要企業8社で設立した日の丸半導体製造のラピダスが存在感を示している。同社が2027年ごろに予定する次世代半導体量産に向け、国内生産工場を北海道に建設することを検討していることが伝わった。これは「2ナノ製品」と称される最先端半導体であり、AI全盛時代のインフラ基盤を担う半導体として注目されている。
半導体に関する話題は、今後も色褪せることなくマーケットを縦横無尽に駆け巡ることになるだろう。市況軟化で夜明け前の一番暗い今だからこそ、関連銘柄は仕込み場となる。米国ではグロース(成長)株の象徴セクターの一角である半導体関連だが、東京市場を見渡すと、成長力を内包しながら、市場平均を大きく下回る低PERに放置されている銘柄も少なくない。限りなくバリュー株に近いグロース株の宝庫と言ってもよい。今回のトップ特集では超割安で来期以降の業績拡大にも期待が持てる半導体関連の有望6銘柄を厳選した。
●中期で大幅水準訂正期待の珠玉6銘柄はこれだ
◎佐鳥電機 <7420> [東証P]
半導体商社としてNEC製品などの取り扱いウエートが高いが、自社オリジナル製品の設計・開発・販売も行っており、エレクトロニクス商社の中でも群を抜く収益成長力の高さが特長だ。半導体製造装置用の制御機器のほか高機能化が進む自動車向けに車載センサー用ICなどが好調で収益を牽引している。世界市場への展開でも業界を先駆しており、米国をはじめとする世界的な半導体生産能力増強の流れを捉え、アジアや欧米企業への積極的なアプローチで顧客基盤を広げている。業績はここ目を見張る伸びをみせており、22年5月期の営業利益は前の期比で3倍近い急拡大を果たしたが、続く23年5月期も前期比で4割を超える伸びで37億円を見込むなど絶好調といってよい。PER10倍台、PBR0.7倍は大幅な株価修正余地を暗示するほか、株主還元にも前向きで4%を超える配当利回りも魅力。株価は直近新値街道に突入し、07年10月以来となる実質青空圏を走る展開へ。
◎A&Dホロンホールディングス <7745> [東証P]
計測・計量機器 の大手メーカーで電子てんびんは国内トップシェアを誇る。昨年4月に電子ビーム技術を強みとする半導体関連装置メーカーのホロンと株式交換、A&Dの吸収分割を経て持ち株会社化(A&Dが親会社)しており、両社の技術融合による次世代検査装置の開発など成長分野での展開力を増している。足もとの業績は計測・計量機器事業が好調なほか、医療・健康機器事業も血圧計などが牽引し業績に貢献している。計測・計量機器は世界的な電気自動車(EV)シフト加速を背景に旺盛な需要を獲得しており、中期的にも成長期待が大きい。23年3月期第3四半期(22年4-12月)は、営業利益が前年同期比33%増の47億2900万円と高変化を示したが、特に10-12月期の伸びが顕著で同四半期の営業利益は前年同期比で倍増した。通期営業利益は前期比11%増の61億円と2ケタ伸長を見込むが、一段の上振れも視野に入りそうだ。PERも8倍台に過ぎない。
◎AKIBAホールディングス <6840> [東証S]
増設メモリーやフラッシュメモリーの製造販売を行うほか、IoT・5Gに対応した通信コンサルティング事業にも展開する。M&A戦略も積極的な姿勢をみせている。メモリーモジュールの製造販売は同社傘下のアドテックが行い、既に30年以上の実績を誇る。アドテックは高性能CPUモジュールを活用したIoT機器の設計・開発・製造をワンストップで提供できる強みを持ち同社の業績に大きく貢献している。23年3月期は売上高こそ減収見通しながら、利益面では高成長が続く。23年3月期の営業利益予想は期中2度にわたる増額を行っている。直近では今月10日に従来予想の7億8000万円から9億円(前期比25%増)へ上方修正を発表した。株価的には22年の大発会につけた昨年来高値585円が当面の目標となるが、中期的には21年9月の戻り高値853円が上値のポイントとして意識される。時価予想PERは8倍台で水準訂正余地は大きい。
◎エノモト <6928> [東証P]
パワー半導体用リードフレームのほかコネクタなど電子デバイスを手掛けるが、技術力が高く、精密プレス金型などでも旺盛なニーズに応えている。世界的なEVシフトが進むなか、車載向けパワー半導体は今後中長期的な拡大トレンドが見込める。業績面では足もとのコスト上昇に加え、スマートフォン需要の減速に伴うコネクタの在庫調整圧力などから、23年3月期営業利益は従来予想を減額し前期比11%減の18億円を見込む。しかし、トップラインは好調な伸びを堅持、逆に従来見通しを上乗せし同8%増の294億円予想と好調だ。利益も24年3月期は2ケタ成長で切り返す公算大。PER7倍台、PBR0.5倍台は半導体関連メーカーとしてはイレギュラーに安い水準だ。株価はここ調整色をみせていたが、25日・75日移動平均線が収れんする1700円台後半は拾い場。信用買い残も整理が進み直近は13万株程度まで減少しており、リバウンド妙味は十分だ。
◎アバールデータ <6918> [東証S]
半導体製造装置用電子制御装置の受託製造を主力に、好採算の自社製品も手掛け、FPGA画像処理やディープラーニングなど高技術をベースとした画像製品で優位性を持つ。レーザーテック <6920> [東証P]の株主としても知られ、23年3月期業績予想は同社株の一部売却で最終利益を24億円あまり上方修正した経緯がある。また、今期はトップラインが前期比4割増の高い伸びを見込み、増収効果を背景に本業のもうけを示す営業利益も同14%増の22億円と2ケタ成長を確保する見通しにあるが、一段の上振れが視野に入る状況。今期の年間配当は234円(前期実績は85円)と大幅増配で配当利回りは5%を超える。24年3月期も増収増益基調が続く公算が大きい。株価は21年1月につけた上場来高値4535円を射程圏に置く位置にいるが、PER6倍台と極めて割安で青空圏飛翔の可能性が高い。信用買い残も直近データで16万株あまりにとどまり、株式需給面でも上値は軽い。
◎アドテック プラズマ テクノロジー <6668> [東証S]
半導体向けを主力とするプラズマ用高周波電源装置の専業大手メーカーとして、高度な技術力を武器に顧客開拓を進めている。プラズマ用高周波電源装置は半導体製造装置に組み込まれるもので、ロジックやメモリー、イメージセンサー、更にパワー半導体向けなど幅広い商品ニーズに対応している。最先端半導体はナノメートル単位の微細な加工が必要で、その際に真空室内でプラズマを用いて行うが、同社はニッチトップ企業としてこの需要を捉えている。22年8月期は営業利益が前の期比で2.5倍化し大幅に過去最高益を更新したが、23年8月期も発射台が高くなったにもかかわらず、前期比13%増の31億円と2ケタ成長を見込んでおり、高成長路線をまい進する。株価は1月13日に1794円の戻り高値を形成後大きく調整を強いられているが、株式需給面による影響が大きく、PER5倍台の時価は超割安圏に位置しているだけに押し目買い妙味が膨らんでいる。
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