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マクセルのニュース
*14:31JST マクセル Research Memo(1):新中期経営計画MEX26を策定、営業利益12,000百万円を目指す
■要約
1. 電池や粘着テープ、光学部品などを幅広く製造販売する電気機器メーカー
マクセル<6810>は、電池や粘着テープ、光学部品など様々な製品を製造販売する電気機器メーカーである。エネルギー、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューションと幅広い分野で事業を展開、エネルギーではリチウム一次電池やリチウムイオン電池、ボタン電池、全固体電池など各種電池を取り扱っている。機能性部材料では様々な粘着テープ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品などを、光学・システムではヘッドランプレンズなど車載光学部品や半導体関連組込みシステムを、ライフソリューションではシェーバーなどイズミブランドを中心とした理美容家電や電設工具などを製造販売している。セグメント別売上高構成比(2024年3月期)のバランスは、エネルギー27%、機能性部材料23%、光学・システム32%、ライフソリューション18%と良好と言える。
2. デジタル技術だけでは到達しえないモノづくりを実現するアナログコア技術
同社製品の背景に、独自のアナログコア技術がある。アナログコア技術は、創業以来の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」という技術で、長年電池の材料を混ぜてきた経験による「混合分散」は、異なる大きさや硬さ、粘度の材料を均一に混ぜることができる技術である。また、表面を均一に塗布する磁気テープの技術から進化した「精密塗布」により、数ミリからナノメートル単位まで均一な厚さできれいに高速で塗ることができる。カセットテープの高精度なハーフ成形技術を起源とする「高精度成形」は、精度の高い成形部品を量産できる技術である。それぞれの技術を単一または複合して利用することで、デジタル技術だけでは到達しえない複雑で繊細な領域のモノづくりを実現している。
3. 新中期経営計画で成長戦略や全固体電池の事業化を推進、営業利益12,000百万円を目指す
同社は2030年までの長期ビジョンの第2フェーズとして、2025年3月期に始まる3ヶ年の中期経営計画MEX26を策定した。MEX26では、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を注力3分野とし、経営資源を重点的に配分する計画だ。加えて、新事業では全固体電池の事業化を他社に先駆けて推進、営業では事業部の横串化を背景に技術営業体制を強化、経営基盤では引き続き業務改善やサステナビリティ経営を進めていく。これにより、MEX26の最終年度となる2027年3月期に、売上高150,000百万円、営業利益12,000百万円、ROIC7.5%、ROE10.0%を目指す。なお、「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」基本方針を継続しており、PBR1.0倍超の実現を念頭に、総還元性向を重視する株主還元強化策を実施する。
4. MEX26初年度の2025年3月期は、端境期の光学・システム以外のセグメントは順調
2024年3月期の業績は、売上高129,139百万円(前期比2.7%減)、営業利益8,083百万円(同43.4%増)となった。国内コンシューマー製品販売事業の移管や民生用リチウムイオン電池の販売減などにより減収となったが、車載光学部品や粘着テープなどの販売好調に加え、ライセンス収入が増加したことで大幅な増益となった。MEX26初年度の2025年3月期の業績については、売上高128,000百万円(前期比0.9%減)、営業利益8,000百万円(同1.0%減)を見込む。MEX26の成長戦略を背景にエネルギー、機能性部材料、ライフソリューションは順調に推移する見通しだが、顧客の技術開発が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で遅れたことから光学・システムが端境期となるため、微減収微減益予想となった。
5. 2025年3月期第1四半期の営業利益は進捗率29%、順調な立ち上がり
2025年3月期第1四半期の業績は、売上高31,385百万円(前期比2.6%減)、営業利益2,336百万円(同15.4%増)となった。売上高は、一次電池や健康・理美容製品、粘着テープは増加したものの、二次電池や半導体関連製品、ライセンス収入が減少した。営業利益は、一次電池や健康・理美容製品の好調、円安などにより増益となった。エネルギーの通期営業利益予想に対する第1四半期の進捗率は81%に到達、第2四半期以降も堅調を見込んでいる。機能性部材料は1%と出遅れたが、高付加価値粘着テープでカバーを目指す。光学・システムは25%と順調だったが、下期はリスクを注視していく考えだ。ライフソリューションは42%に達しており、引き続き堅調に推移すると見込まれる。この結果、営業利益全体で進捗率は29%となり、順調に立ち上がったと言える。
■Key Points
・独自のアナログコア技術で全固体電池や産業用粘着テープなどを幅広く製造販売
・新中期経営計画MEX26で営業利益12,000百万円、ROIC7.5%、ROE10.0%を目指す
・MEX26初年度の2025年3月期は端境期の光学・システム以外順調に推移する見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
1. 電池や粘着テープ、光学部品などを幅広く製造販売する電気機器メーカー
マクセル<6810>は、電池や粘着テープ、光学部品など様々な製品を製造販売する電気機器メーカーである。エネルギー、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューションと幅広い分野で事業を展開、エネルギーではリチウム一次電池やリチウムイオン電池、ボタン電池、全固体電池など各種電池を取り扱っている。機能性部材料では様々な粘着テープ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品などを、光学・システムではヘッドランプレンズなど車載光学部品や半導体関連組込みシステムを、ライフソリューションではシェーバーなどイズミブランドを中心とした理美容家電や電設工具などを製造販売している。セグメント別売上高構成比(2024年3月期)のバランスは、エネルギー27%、機能性部材料23%、光学・システム32%、ライフソリューション18%と良好と言える。
2. デジタル技術だけでは到達しえないモノづくりを実現するアナログコア技術
同社製品の背景に、独自のアナログコア技術がある。アナログコア技術は、創業以来の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」という技術で、長年電池の材料を混ぜてきた経験による「混合分散」は、異なる大きさや硬さ、粘度の材料を均一に混ぜることができる技術である。また、表面を均一に塗布する磁気テープの技術から進化した「精密塗布」により、数ミリからナノメートル単位まで均一な厚さできれいに高速で塗ることができる。カセットテープの高精度なハーフ成形技術を起源とする「高精度成形」は、精度の高い成形部品を量産できる技術である。それぞれの技術を単一または複合して利用することで、デジタル技術だけでは到達しえない複雑で繊細な領域のモノづくりを実現している。
3. 新中期経営計画で成長戦略や全固体電池の事業化を推進、営業利益12,000百万円を目指す
同社は2030年までの長期ビジョンの第2フェーズとして、2025年3月期に始まる3ヶ年の中期経営計画MEX26を策定した。MEX26では、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を注力3分野とし、経営資源を重点的に配分する計画だ。加えて、新事業では全固体電池の事業化を他社に先駆けて推進、営業では事業部の横串化を背景に技術営業体制を強化、経営基盤では引き続き業務改善やサステナビリティ経営を進めていく。これにより、MEX26の最終年度となる2027年3月期に、売上高150,000百万円、営業利益12,000百万円、ROIC7.5%、ROE10.0%を目指す。なお、「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」基本方針を継続しており、PBR1.0倍超の実現を念頭に、総還元性向を重視する株主還元強化策を実施する。
4. MEX26初年度の2025年3月期は、端境期の光学・システム以外のセグメントは順調
2024年3月期の業績は、売上高129,139百万円(前期比2.7%減)、営業利益8,083百万円(同43.4%増)となった。国内コンシューマー製品販売事業の移管や民生用リチウムイオン電池の販売減などにより減収となったが、車載光学部品や粘着テープなどの販売好調に加え、ライセンス収入が増加したことで大幅な増益となった。MEX26初年度の2025年3月期の業績については、売上高128,000百万円(前期比0.9%減)、営業利益8,000百万円(同1.0%減)を見込む。MEX26の成長戦略を背景にエネルギー、機能性部材料、ライフソリューションは順調に推移する見通しだが、顧客の技術開発が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で遅れたことから光学・システムが端境期となるため、微減収微減益予想となった。
5. 2025年3月期第1四半期の営業利益は進捗率29%、順調な立ち上がり
2025年3月期第1四半期の業績は、売上高31,385百万円(前期比2.6%減)、営業利益2,336百万円(同15.4%増)となった。売上高は、一次電池や健康・理美容製品、粘着テープは増加したものの、二次電池や半導体関連製品、ライセンス収入が減少した。営業利益は、一次電池や健康・理美容製品の好調、円安などにより増益となった。エネルギーの通期営業利益予想に対する第1四半期の進捗率は81%に到達、第2四半期以降も堅調を見込んでいる。機能性部材料は1%と出遅れたが、高付加価値粘着テープでカバーを目指す。光学・システムは25%と順調だったが、下期はリスクを注視していく考えだ。ライフソリューションは42%に達しており、引き続き堅調に推移すると見込まれる。この結果、営業利益全体で進捗率は29%となり、順調に立ち上がったと言える。
■Key Points
・独自のアナログコア技術で全固体電池や産業用粘着テープなどを幅広く製造販売
・新中期経営計画MEX26で営業利益12,000百万円、ROIC7.5%、ROE10.0%を目指す
・MEX26初年度の2025年3月期は端境期の光学・システム以外順調に推移する見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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