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天昇電気工業のニュース
■業績動向
1. 2021年3月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
天昇電気工業<6776>の2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高6,659百万円(前年同期比27.0%減)、営業利益3百万円(同99.4%減)、経常損失21百万円(前年同期は547百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失6百万円(同359百万円の利益)となった。
コロナ禍の影響により、主な向け先である自動車関連部品メーカー向けが2021年3月期第1四半期に大きく減少、第2四半期に入り回復傾向となったが、第1四半期の不振を十分には補えず累計期間では3百万円の営業利益に止まった。しかし製造業でありながら、売上高が27%減少した状況で黒字を確保した点は健闘したとも言えるだろう。単月ベースでは2020年7月から回復傾向になり、9月にはかなり高い水準まで回復しているようだ。
また営業外損益では、支払利息16百万円、為替差損19百万円などが発生したことから経常損益は21百万円の損失となった。特別損益では、補助金収入451百万円が特別利益として発生したが、これにほぼ見合う固定資産圧縮損439百万円を特別損失として計上した。これにより、バランスシートはよりスリムになり健全化された。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純損益は6百万円の損失となった。
(2) セグメント別状況
同社で公表されているセグメント別状況は地域別となっているが、同社の事業の本来の姿を理解するためにはこの区分はあまり意味がない。売上高は「日本成形関連事業」が5,743百万円(前年同期比28.0%減)、「中国成形関連事業」が180百万円(同5.5%減)、「アメリカ成形関連事業」が590百万円(同27.2%減)、不動産関連事業が144百万円(同0.0%減)であったが、コロナ禍の影響は全世界的であったことから不動産関連事業を除いて各地域ともに減収となった。
セグメント損益は「日本成形関連事業」が70百万円の損失(前年同期は390百万円の利益)、「中国成形関連事業」が7百万円の利益(前年同期比43.5%減)、「アメリカ成形関連事業」が47百万円の損失(前年同期は60百万円の利益)、不動産関連事業が117百万円の利益(前年同期比4.3%増)となった。中国関連の減収率が少なかったことから黒字を確保した。
2021年3月期第2四半期の設備投資額(有形固定資産取得額)は1,428百万円(前年同期は840百万円)であった。主に矢吹第二工場への機械設備等の投資であったが、投資レベルとしてはピークを越した。この結果、減価償却費は499百万円(同551百万円)となり、一時的には峠を越したと言えるが、2020年9月に矢吹工場が竣工し減価償却費が発生することから、2021年3月期下期以降は再び減価償却費が増加する可能性が高い。
財務内容は改善傾向、自己資本比率は38.6%
2. 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2021年3月期第2四半期の財務状況は以下のようになった。流動資産は7,231百万円(前期末比633百万円減)となったが、主要科目では現金及び預金が前期末比618百万円減、売上債権(電子記録債権含む)が同538百万円減、たな卸資産が同14百万円減となった。固定資産は9,758百万円(同524百万円増)となったが、内訳は有形固定資産が同483百万円増、投資その他の資産が同65百万円増であった。この結果、資産合計は16,990百万円(同109百万円減)となった。
流動負債は6,167百万円(同1,308百万円減)となったが、主な変動は、電子記録を含む仕入債務の減少1,114百万円、短期借入金等の増加374百万円などである。固定負債は3,822百万円(同1,276百万円増)となったが、主に長期借入金の増加1,062百万円などによる。純資産は7,000百万円(同77百万円減)となったが、主に配当金支払いによる利益剰余金の減少57百万円などによる。この結果、2021年3月期第2四半期末の自己資本比率は38.6%となり2020年3月期末(38.8%)から0.2ポイント低下した。
また2021年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは435百万円の支出となった。主な収入は、減価償却費499百万円、売上債権の減少532百万円、たな卸資産の減少11百万円などとなった。一方、主な支出は仕入債務の減少1,111百万円などとなった。投資活動によるキャッシュ・フローは1,432百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得による支出1,428百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,273百万円の収入となったが、主な収入は長短借入金の増加(ネット)1,439百万円であった。この結果、現金及び現金同等物は618百万円減少し、2021年3月期第2四半期末の残高は2,390百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2021年3月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
天昇電気工業<6776>の2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高6,659百万円(前年同期比27.0%減)、営業利益3百万円(同99.4%減)、経常損失21百万円(前年同期は547百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失6百万円(同359百万円の利益)となった。
コロナ禍の影響により、主な向け先である自動車関連部品メーカー向けが2021年3月期第1四半期に大きく減少、第2四半期に入り回復傾向となったが、第1四半期の不振を十分には補えず累計期間では3百万円の営業利益に止まった。しかし製造業でありながら、売上高が27%減少した状況で黒字を確保した点は健闘したとも言えるだろう。単月ベースでは2020年7月から回復傾向になり、9月にはかなり高い水準まで回復しているようだ。
また営業外損益では、支払利息16百万円、為替差損19百万円などが発生したことから経常損益は21百万円の損失となった。特別損益では、補助金収入451百万円が特別利益として発生したが、これにほぼ見合う固定資産圧縮損439百万円を特別損失として計上した。これにより、バランスシートはよりスリムになり健全化された。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純損益は6百万円の損失となった。
(2) セグメント別状況
同社で公表されているセグメント別状況は地域別となっているが、同社の事業の本来の姿を理解するためにはこの区分はあまり意味がない。売上高は「日本成形関連事業」が5,743百万円(前年同期比28.0%減)、「中国成形関連事業」が180百万円(同5.5%減)、「アメリカ成形関連事業」が590百万円(同27.2%減)、不動産関連事業が144百万円(同0.0%減)であったが、コロナ禍の影響は全世界的であったことから不動産関連事業を除いて各地域ともに減収となった。
セグメント損益は「日本成形関連事業」が70百万円の損失(前年同期は390百万円の利益)、「中国成形関連事業」が7百万円の利益(前年同期比43.5%減)、「アメリカ成形関連事業」が47百万円の損失(前年同期は60百万円の利益)、不動産関連事業が117百万円の利益(前年同期比4.3%増)となった。中国関連の減収率が少なかったことから黒字を確保した。
2021年3月期第2四半期の設備投資額(有形固定資産取得額)は1,428百万円(前年同期は840百万円)であった。主に矢吹第二工場への機械設備等の投資であったが、投資レベルとしてはピークを越した。この結果、減価償却費は499百万円(同551百万円)となり、一時的には峠を越したと言えるが、2020年9月に矢吹工場が竣工し減価償却費が発生することから、2021年3月期下期以降は再び減価償却費が増加する可能性が高い。
財務内容は改善傾向、自己資本比率は38.6%
2. 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2021年3月期第2四半期の財務状況は以下のようになった。流動資産は7,231百万円(前期末比633百万円減)となったが、主要科目では現金及び預金が前期末比618百万円減、売上債権(電子記録債権含む)が同538百万円減、たな卸資産が同14百万円減となった。固定資産は9,758百万円(同524百万円増)となったが、内訳は有形固定資産が同483百万円増、投資その他の資産が同65百万円増であった。この結果、資産合計は16,990百万円(同109百万円減)となった。
流動負債は6,167百万円(同1,308百万円減)となったが、主な変動は、電子記録を含む仕入債務の減少1,114百万円、短期借入金等の増加374百万円などである。固定負債は3,822百万円(同1,276百万円増)となったが、主に長期借入金の増加1,062百万円などによる。純資産は7,000百万円(同77百万円減)となったが、主に配当金支払いによる利益剰余金の減少57百万円などによる。この結果、2021年3月期第2四半期末の自己資本比率は38.6%となり2020年3月期末(38.8%)から0.2ポイント低下した。
また2021年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは435百万円の支出となった。主な収入は、減価償却費499百万円、売上債権の減少532百万円、たな卸資産の減少11百万円などとなった。一方、主な支出は仕入債務の減少1,111百万円などとなった。投資活動によるキャッシュ・フローは1,432百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得による支出1,428百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,273百万円の収入となったが、主な収入は長短借入金の増加(ネット)1,439百万円であった。この結果、現金及び現金同等物は618百万円減少し、2021年3月期第2四半期末の残高は2,390百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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