＜アドバンテッジ、Ｄ＆Ｍ買収に向けて７００億円のファイナンスを確保＞

　アドバンテッジパートナーズと、ベイン・キャピタル（Bain Capital）およびケンウッド で構成されるコンソーシアムは、６月３日に音響機器メーカーであるディーアンドエムホールディングス に対する最終入札期限を迎えた。まもなく落札者が発表される予定である。 　３月に実施された一次入札によって同じく最終的な買い手候補として残ったメリルリンチ・グローバル・プライベート・エクイティ（Merrill Lynch Global Private Equity）と米国の家電小売りであるベストバイ（Best Buy Co Inc）は撤退した。 　あおぞら銀行 、みずほコーポレート銀行、モルガン・スタンレー、ＳＧ、新生銀行 が、ベインのコンソーシアムを支援するための約７００億円のデット・ファイナンスをアレンジしている。このファイナンスは、４００億円強のシニア買収ローン、リボルビング・クレジットを採り入れた２００億円強のファシリティ、１００億円弱のメザニン・トランシェで構成される。 　シニア・ローンの期間は６─７年、金利はＴＩＢＯＲ＋約３００ｂｐとなる可能性が高い。 　メザニン部分を引き受けるのは、モルガン・スタンレーと新生銀行である。 　これまでこのコンソーシアムを支援していたＢＮＰパリバ（BNP Paribas）、ＪＰモルガン（JP Morgan）、リーマン・ブラザーズ（Lehman Brothers）、三井住友銀行、ＵＢＳは撤退した。 　売却側のアドバイザーであるモルガン・スタンレーと新生銀行が、ＥＢＩＴＤＡの５倍に相当する５６０億円のステープル・ファイナンスをオファーしていた。 　ドイツ証券（Deutsche Securities）、リーマン・ブラザーズがそれぞれ、アドバンテッジ、ベインのアドバイザーを務めている。 　今回の売却では、投資ファンドのＲＨＪインターナショナル（RHJ International）とロイヤル フィリップス エレクトロニクス（Philips Electronics NV）が、Ｄ＆Ｍに対するそれぞれの持ち分４９％および１２％を売却する予定。 　落札した企業は、全株式の取得を目指したＴＯＢをローンチする見通しである。 　東京証券取引所に上場しているＤ＆Ｍは時価総額が約３７０億円であり、高級オーディオ・ブランドであるデノン、マランツ、マッキントッシュを傘下に持っている。