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新晃工業のニュース
*13:58JST 新晃工業 Research Memo(8):価格改定や良好な環境を背景に、上期の苦戦を下期に取り戻した
■業績動向
1. 2023年3月期の業績
新晃工業<6458>の2023年3月期の業績は、売上高44,805百万円(前期比6.8%増)、営業利益5,998百万円(同5.0%増)、経常利益6,540百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,514百万円(同10.2%増)となった。日本経済は、コロナ禍による行動制限の緩和が進むなか、社会経済活動が正常化に向かう動きは見受けられたものの、感染症再拡大に対する懸念や、ウクライナ情勢に起因する世界的インフレなど先行き不透明な状況が続いた。国内空調機業界では、首都圏や地方都市圏における大型再開発案件や産業空調の需要が堅調な動きを見せており、空調機の全国出荷台数は前年同期に比べて約7%増加した。一方、原材料価格の高止まりや一部部材の納期長期化、都心大型ビルでの競争激化など厳しい収益環境も続いた。
こうした環境下において、同社は最重要課題としていた販売価格の改定と納期管理の強化を進めたほか、中期経営計画「move.2025」に基づいて、SIMAプロジェクトに加え、産業空調向け水AHU案件など製品販売戦略の強化、需要が活発な空調工事分野における収益力の向上、中国事業の利益率改善などの施策を推進した。その結果、第3四半期以降で、ゼロコロナ政策による中国事業の減収や原材料高・円安による原価高、価格改定のタイムラグなどによって苦戦した第2四半期業績をカバーし、期初計画に対して売上高で18億円、営業利益で2.5億円の超過達成した。「move.2025」で当初目標としていた営業利益55億円も約5億円上回る59.9億円で着地することができた。
セグメント別では、日本では部材調達難による納期延期に対応しつつ、国内建設投資の回復に伴って拡大した需要を取り込んだ。タイムラグはあったが価格改定がほぼ予定どおりに進んだため、第2四半期からの期ズレした売上を吸収し、売上高は38,635百万円(前期比8.0%増)となった。事業別では、国内の空調機器製造・販売事業で競争は激化したものの、需要が拡大するなか価格転嫁を進めることができた。工事・サービス事業は、子会社の新晃アトモスが高採算の案件を確保し、好調だった。ビル管理事業は従来どおり安定推移だった。利益面では、主力の水AHUの採算が比較的堅調に推移し、価格改定も進展した。人員の強化や物流費の上昇はあったが販管費は抑制できた。一方で、第2四半期で原材料高騰の影響が生じたものの、第3・第4四半期で物量をこなしたことなどから、セグメント利益(営業利益)は6,018百万円(同7.7%増)と売上高と同水準の伸びとなった。
アジアでは、中国で第2四半期にコロナ禍による上海地域でのロックダウンの影響を受けたものの、第3四半期以降は需要の取り込みが進み、売上高は6,217百万円(同0.2%増)となった。利益面では、ロックダウンに伴う一時的な稼働率低下、原材料価格の高騰、価格競争の影響により押し下げられ、セグメント損失(営業損失)は68百万円(前期は78百万円の利益)となった。日本で対応している中国以外(アセアン等)については、小型ユニットから産業用のユニットにシフトしたことで採算が改善した。なお、第3四半期以降、一部部材を除いて原材料価格の高止まりや、部材の納期長期化が落ち着いてきたもようで、原価をコントロールしやすくなってきたようだ。ただし、2024年問題(自動車運転業務の時間外労働時間に対する規制強化)もあって、物流費については今後も上昇傾向が続きそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
1. 2023年3月期の業績
新晃工業<6458>の2023年3月期の業績は、売上高44,805百万円(前期比6.8%増)、営業利益5,998百万円(同5.0%増)、経常利益6,540百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,514百万円(同10.2%増)となった。日本経済は、コロナ禍による行動制限の緩和が進むなか、社会経済活動が正常化に向かう動きは見受けられたものの、感染症再拡大に対する懸念や、ウクライナ情勢に起因する世界的インフレなど先行き不透明な状況が続いた。国内空調機業界では、首都圏や地方都市圏における大型再開発案件や産業空調の需要が堅調な動きを見せており、空調機の全国出荷台数は前年同期に比べて約7%増加した。一方、原材料価格の高止まりや一部部材の納期長期化、都心大型ビルでの競争激化など厳しい収益環境も続いた。
こうした環境下において、同社は最重要課題としていた販売価格の改定と納期管理の強化を進めたほか、中期経営計画「move.2025」に基づいて、SIMAプロジェクトに加え、産業空調向け水AHU案件など製品販売戦略の強化、需要が活発な空調工事分野における収益力の向上、中国事業の利益率改善などの施策を推進した。その結果、第3四半期以降で、ゼロコロナ政策による中国事業の減収や原材料高・円安による原価高、価格改定のタイムラグなどによって苦戦した第2四半期業績をカバーし、期初計画に対して売上高で18億円、営業利益で2.5億円の超過達成した。「move.2025」で当初目標としていた営業利益55億円も約5億円上回る59.9億円で着地することができた。
セグメント別では、日本では部材調達難による納期延期に対応しつつ、国内建設投資の回復に伴って拡大した需要を取り込んだ。タイムラグはあったが価格改定がほぼ予定どおりに進んだため、第2四半期からの期ズレした売上を吸収し、売上高は38,635百万円(前期比8.0%増)となった。事業別では、国内の空調機器製造・販売事業で競争は激化したものの、需要が拡大するなか価格転嫁を進めることができた。工事・サービス事業は、子会社の新晃アトモスが高採算の案件を確保し、好調だった。ビル管理事業は従来どおり安定推移だった。利益面では、主力の水AHUの採算が比較的堅調に推移し、価格改定も進展した。人員の強化や物流費の上昇はあったが販管費は抑制できた。一方で、第2四半期で原材料高騰の影響が生じたものの、第3・第4四半期で物量をこなしたことなどから、セグメント利益(営業利益)は6,018百万円(同7.7%増)と売上高と同水準の伸びとなった。
アジアでは、中国で第2四半期にコロナ禍による上海地域でのロックダウンの影響を受けたものの、第3四半期以降は需要の取り込みが進み、売上高は6,217百万円(同0.2%増)となった。利益面では、ロックダウンに伴う一時的な稼働率低下、原材料価格の高騰、価格競争の影響により押し下げられ、セグメント損失(営業損失)は68百万円(前期は78百万円の利益)となった。日本で対応している中国以外(アセアン等)については、小型ユニットから産業用のユニットにシフトしたことで採算が改善した。なお、第3四半期以降、一部部材を除いて原材料価格の高止まりや、部材の納期長期化が落ち着いてきたもようで、原価をコントロールしやすくなってきたようだ。ただし、2024年問題(自動車運転業務の時間外労働時間に対する規制強化)もあって、物流費については今後も上昇傾向が続きそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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