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ダイコク電機のニュース
*12:01JST ダイコク電 Research Memo(1):2024年3月期はスマートパチスロの普及に伴い大幅な増収増益を実現
■要約
1. 事業概要
ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売の「情報システム事業」と、パチンコ・パチスロ遊技機に関わるソフト・ハードウェアの開発・製造・販売等を手掛ける「アミューズメント事業」を展開している。主力のホールコンピュータ(台管理システム)分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア40%を占める。また、パチンコホールの経営を支援する業界随一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員3,127件とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。
同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場のなかで、大型店舗におけるシェアを伸ばすとともに、継続的に収益が得られるストック型ビジネスモデルへの転換など、中長期を見据えた事業改革を推進している。コロナ禍前では、出玉制限や依存症対策、遊技機の規則改正(2018年2月1日施行、以下、「新規則」)を通じて、パチンコホール業界が大きな転換点を迎えるなかで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響も重なり、先行き不透明感から業績はしばらく厳しい状況が続いてきた。ただ、2022年11月より市場導入された注目の「スマート遊技機(スマートパチスロ※)」が順調に稼動を高めると、パチンコホールにおける設備投資の回復とともに業績も急拡大し、新たな成長フェーズを迎えている。
※スマート遊技機の一種で「スマートパチンコ」及び「スマートパチスロ」がある。玉やメダルに触れることなく遊技することができる。パチンコホールにおける玉やメダルに係わる設備が不要になること、遊技性能が既存の遊技機よりも向上することなどに特長があり、遊技機メーカー団体(日工組・日電協)が推進していることから今後の進展が注目されている。2022年11月21日からスマートパチスロ機が市場導入され、スマートパチンコ機についても2023年4月3日から市場導入された。
2. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高が前期比69.2%増の53,861百万円、営業利益が同198.6%増の12,001百万円と期初計画を大きく上回る大幅な増収増益となり、各段階利益で最高益を更新した。スマートパチスロの稼動が好調に推移するなかで、パチンコホールではスマート遊技機に対応するための設備投資が活発化し、それに伴って、スマート遊技機専用を含むカードユニットや、情報公開端末等の販売台数が計画を大幅に上回った。また2024年7月からの新紙幣流通に先駆けての改刷対応需要も業績に貢献した。利益面でも、「情報システム事業」の拡大が収益を大きく押し上げ、営業利益率も22.3%(前期は12.6%)と大幅に改善した。
3. 2025年3月期の業績予想
2025年3月期の業績について同社は、売上高が前期比2.1%増の55,000百万円、営業利益が同3.3%増の12,400百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。「情報システム事業」が、スマート遊技機向け設備販売や改刷対応により過去最高業績となった前期と同水準を維持する見通しである。また、「アミューズメント事業」については、自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入により増収を見込んでいる。利益面でも、新たなサービスの基盤となるクラウド開発やスマートパチスロ機の市場投入に向けた積極的な開発投資を継続するものの、「情報システム事業」の高収益維持と「アミューズメント事業」の黒字化により増益を確保する見通しである。
4. 中期経営計画
同社は、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、遊技機市場やパチンコホールの設備投資の活発化に向けた道筋が見えてきたことを踏まえ、3ヶ年の中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)をスタートし最終年度を迎えている。2024年3月期の業績が計画を大きく上回ったことから、最終年度の数値目標についても大幅に増額修正した。ただ、戦略的な取り組みに変化はない。引き続きスマート遊技機の普及に伴う需要を取り込むとともに、クラウドサーバーを活用した業界唯一のプラットフォームを構築し、「MIRAIGATEサービス」(以下、「MGサービス」)を拡大することで、ストック型ビジネスへの転換を図る。また、遊技機メーカーとして自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発にも取り組む(2025年3月期の市場投入予定)。さらに中長期的な成長戦略として、AIやビッグデータ等の最新技術を活用してパチンコ業界のDXリーダーを目指す方向性が示された。
■Key Points
・2024年3月期はスマートパチスロの想定を上回る普及に伴い大幅な増収増益を実現
・スマートパチスロの稼動が好調なためパチンコホールの設備投資需要が活発化し、カードユニットや主力製品群が伸長
・2025年3月期もスマート遊技機向け設備販売や改刷対応等により好業績が継続する見通し
・中期経営計画では、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、クラウド開発を強化しストック型ビジネスへの転換、スマートパチスロ機の市場投入を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
1. 事業概要
ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売の「情報システム事業」と、パチンコ・パチスロ遊技機に関わるソフト・ハードウェアの開発・製造・販売等を手掛ける「アミューズメント事業」を展開している。主力のホールコンピュータ(台管理システム)分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア40%を占める。また、パチンコホールの経営を支援する業界随一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員3,127件とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。
同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場のなかで、大型店舗におけるシェアを伸ばすとともに、継続的に収益が得られるストック型ビジネスモデルへの転換など、中長期を見据えた事業改革を推進している。コロナ禍前では、出玉制限や依存症対策、遊技機の規則改正(2018年2月1日施行、以下、「新規則」)を通じて、パチンコホール業界が大きな転換点を迎えるなかで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響も重なり、先行き不透明感から業績はしばらく厳しい状況が続いてきた。ただ、2022年11月より市場導入された注目の「スマート遊技機(スマートパチスロ※)」が順調に稼動を高めると、パチンコホールにおける設備投資の回復とともに業績も急拡大し、新たな成長フェーズを迎えている。
※スマート遊技機の一種で「スマートパチンコ」及び「スマートパチスロ」がある。玉やメダルに触れることなく遊技することができる。パチンコホールにおける玉やメダルに係わる設備が不要になること、遊技性能が既存の遊技機よりも向上することなどに特長があり、遊技機メーカー団体(日工組・日電協)が推進していることから今後の進展が注目されている。2022年11月21日からスマートパチスロ機が市場導入され、スマートパチンコ機についても2023年4月3日から市場導入された。
2. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高が前期比69.2%増の53,861百万円、営業利益が同198.6%増の12,001百万円と期初計画を大きく上回る大幅な増収増益となり、各段階利益で最高益を更新した。スマートパチスロの稼動が好調に推移するなかで、パチンコホールではスマート遊技機に対応するための設備投資が活発化し、それに伴って、スマート遊技機専用を含むカードユニットや、情報公開端末等の販売台数が計画を大幅に上回った。また2024年7月からの新紙幣流通に先駆けての改刷対応需要も業績に貢献した。利益面でも、「情報システム事業」の拡大が収益を大きく押し上げ、営業利益率も22.3%(前期は12.6%)と大幅に改善した。
3. 2025年3月期の業績予想
2025年3月期の業績について同社は、売上高が前期比2.1%増の55,000百万円、営業利益が同3.3%増の12,400百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。「情報システム事業」が、スマート遊技機向け設備販売や改刷対応により過去最高業績となった前期と同水準を維持する見通しである。また、「アミューズメント事業」については、自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入により増収を見込んでいる。利益面でも、新たなサービスの基盤となるクラウド開発やスマートパチスロ機の市場投入に向けた積極的な開発投資を継続するものの、「情報システム事業」の高収益維持と「アミューズメント事業」の黒字化により増益を確保する見通しである。
4. 中期経営計画
同社は、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、遊技機市場やパチンコホールの設備投資の活発化に向けた道筋が見えてきたことを踏まえ、3ヶ年の中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)をスタートし最終年度を迎えている。2024年3月期の業績が計画を大きく上回ったことから、最終年度の数値目標についても大幅に増額修正した。ただ、戦略的な取り組みに変化はない。引き続きスマート遊技機の普及に伴う需要を取り込むとともに、クラウドサーバーを活用した業界唯一のプラットフォームを構築し、「MIRAIGATEサービス」(以下、「MGサービス」)を拡大することで、ストック型ビジネスへの転換を図る。また、遊技機メーカーとして自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発にも取り組む(2025年3月期の市場投入予定)。さらに中長期的な成長戦略として、AIやビッグデータ等の最新技術を活用してパチンコ業界のDXリーダーを目指す方向性が示された。
■Key Points
・2024年3月期はスマートパチスロの想定を上回る普及に伴い大幅な増収増益を実現
・スマートパチスロの稼動が好調なためパチンコホールの設備投資需要が活発化し、カードユニットや主力製品群が伸長
・2025年3月期もスマート遊技機向け設備販売や改刷対応等により好業績が継続する見通し
・中期経営計画では、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、クラウド開発を強化しストック型ビジネスへの転換、スマートパチスロ機の市場投入を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
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