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【IRアナリストレポート】フロイント産業(6312)

著者:鈴木 行生
投稿:2022/02/04 10:12

~医薬品製剤用の機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~

【ポイント】
・米国のフロイント‐ベクターで受注が急増した。ブラジルからの受注が急回復したことによる。コロナ禍で止まっていた需要が急に動き出した。3Q累計の機械受注も前年同期比+16.8%と順調であり、受注残も同+30.3%と膨らんでいる。

・ただし、生産が懸念される。コロナの影響で、米国では部品・部材の調達が十分でなく、出荷の船便も遅れている。日本でも一部同じような動きがあり、今2022年2月期の業績は期ずれによって、未達になる公算がある。その分は来期に入ってこよう。

・国内ではジェネリックメーカーで設備増強の動きが強まっている。品質不正問題の影響で、供給責任を巡り、設備の更新・新設が、当社の製剤機械の受注に結びつきそうである。2024年2月期に向けて、受注の上乗せが期待できよう。

・2つの重要な戦略を遂行した。1つは、2020年11月にイタリアのCos.Mec(コスメック)社を買収した。当社と重複しない製剤機械を有し、当社とは別の新興国市場に強いので、今後のグローバル展開に日米欧の三極の製造拠点をベースに立ち向かえよう。

・2つ目は、2020年12月に上海に合弁で技術開発研究所(上海FCセンター)を設置する契約を締結した。中国の医薬品市場は政府の政策もあり、品質の向上に取り組んでいる。製剤機械と医薬品添加剤のラボは、2023年2月期に本格稼働しよう。浜松、アイオワ、ミラノに続く有望拠点として、今後への期待は大きい。

・もう一つの主力分野である医薬品添加剤は、順調に伸びている。中国向やインド向けにも拡大できよう。リチウムイオン電池市場はEV用に成長が期待できる。それらに向けて、ユーザーニーズを先取りした画期的な新製品、グローバルな市場開拓を進めている。

・中期計画では、2023年2月期に売上高201億円、営業利益14.6億円を目指すが、サプライチェーンの混乱が引き続き懸念される。その先の中長期のビジョンとしては、日米伊中印での5極体制で、新市場の開拓を進め、2030年に向けて売上高300億円、営業利益30億円以上、海外売上比率50%、ROE10%以上、というのが1つの目標になろう。

・これが目指せる体制を整えつつある。収益力の回復局面にあり、株価は割安である。まずはPBRで1.5倍を目指す方向にあろう。

目次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、世界でも3強の1社
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 来2023年2月期は着実な増益を期待
5.企業評価 新市場の開拓に期待

フロイント産業 <6312>
企業レーティング
株価
(2022年2月3日)
775円
時価総額 143億円
(18.4百万株)
PBR 0.92倍
ROE 5.6%
PER 16.4倍
配当利回り 2.6%
総資産 21728百万円
純資産 14040百万円
自己資本比率 64.6%
BPS 838.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2013.2 16396 1470 1618 765 44.4 10.0
2014.2 17616 1286 1341 787 45.7 12.5
2015.2 17424 1150 1249 695 40.4 15.0
2016.2 19027 1346 1394 961 55.7 12.5
2017.2 21164 2041 2097 1064 61.7 20.0
2018.2 19801 1971 1994 1477 85.7 20.0
2019.2 18408 1223 1326 843 50.2 20.0
2020.2 16772 558 582 381 22.8 20.0
2021.2 16765 1147 1344 995 59.5 20.0
2022.2(予) 18500 1100 1130 790 47.2 20.0
2023.2(予) 20000 1400 1400 960 57.3 20.0

(2021.11ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2009年6月に1:2、2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/furoinntosanngyou202202.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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