日進工具（6157）中間決算でアク抜け感から底値反転の動きへ◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆

中間決算でアク抜け感から底値反転の動きへ

【事業内容】
　小径を得意とする切削工具エンドミルの大手企業で、「NS TOOL」ブランドで知られる製品群は金属から小さな部品や金型を削り出す超精密加工で用いられる。ガラケーからスマートフォン、自動車電装化といった需要の変化に対応、自社設計・開発した製造装置は完全自動化や高品質連続生産が可能としたことが強みで、競合との差別化につなげている。

【業績面】
　業績面においては10/30に中間決算発表を行い、売上高は26.3％減収、営業利益は68.0％減益と1Qに続いて業績悪化が著しかったが、それまでの上期業績予想に対しては売上高1.0％増、営業利益は44.3％増に上方修正。生産面やコスト低減などの企業努力により利益面は大きく上振れる着地となった。この2Qで海外も含めた新型コロナウイルス感染拡大に伴う稼働率低下などをある程度織り込んだとみられ、アジア圏の回復をきっかけに下期は回復傾向がより鮮明になるものとみる。

【株価動向】
　株価は3/17安値1844円を叩いた後に比較的早期の値戻しがみられ、5月時点でコロナショック以前の水準まで回復。しかし、そのまま上値を伸ばす動きにはつながることなく、1Q決算発表以降では上期の低迷が続く見通しであることが嫌気され、下値模索の展開が続いている。足元では株価および日柄の調整にも一巡感が出てきたところ、上記の中間決算発表を機に業績は底をつけたとみる向きから見直し買いが優勢の展開となってくることだろう。