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【IRアナリストレポート】日進工具(6157)

著者:鈴木 行生
投稿:2020/08/20 12:54

~超硬小径エンドミルで業界No.1、開発センターの新設で次に備える~

・新型コロナウイルスの影響が自動車関連、電子部品関連の減産に大きく出ている。当社のビジネスにも影響が及んでおり、1Qは5割強の減益となったが、2Q四半期の会社計画では赤字を見込んでいる。よって、上期は大幅減益となろうが、需要はやや好転してくるので、下期からは回復してこよう。遅れ気味であるが、5GやDX、製品のインテリジェント化がリードしてこよう。

・今年1月に開催したプライベート展示会(「NS TOOL プライベートショウ2020」)は、画期的であった。当社の超硬工具の用途開発を機械メーカーと一緒になって顧客に提示した。3月から本格稼働した新開発センターでも、実際の加工ができるように新たな機械も揃え、次のニーズ開発に活かしていく。しかし、内外への出張がままならず、対面営業も制約されている。こうした影響を克服していくには少し時間を要しよう。

・自動車関連では、LEDライトの普及にみられるデザイン性の向上や、ADAS(先進運転支援システム)の拡がりが精密工具の需要に結びついている。5G関連もすでに製品化の段階に進み、新しい精密加工の分野が本格化しよう。5Gは、スマホはもちろん、IoTを通して社会インフラに波及していくので、今後への期待は大きい。

・新開発センター(投資額13億円)は、仙台工場の敷地に完成した。精密加工に必須の先進的な免震・制震構造を取り入れたオールラウンド免震構造である。精密電子デバイスの新分野は、当社の工具需要に一段と結びつこう。コロナ対応では、当社製品の在庫センターを仙台工場内にも配置した。不測の事態も考慮して、供給体制の分散化を図った。

・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。コーティングを強化した新製品も強化している。業界トップのCBN(立方晶窒化ホウ素)素材小径エンドミルは用途が広がっている。PCD(ダイヤモンド焼結体)素材のエンドミルも、鏡面加工の分野などで市場開拓が始まっている。

・業績は大きく落ち込むが、新規市場の広がりも加わって、来期からは浮上してこよう。目標とする売上高経常利益率20%への復帰は3年後には期待できよう。グローバルな競争力は高まっている。ニッチな市場で高収益を実現する企業として引き続き注目したい。

目 次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 さらなる小径化・長寿命化を進め、内外の新市場を開拓
4.プライベートショウ ユニークな精密・微細加工技術展を開催
5.当面の業績 調整局面を乗り切り、来期から回復へ
6.企業評価 競争力を強化し、高収益への復帰

日進工具 <6157>
企業レーティング
株価
(2020年8月19日)
2495円
時価総額 312億円
(12.5百万株)
PBR 2.18倍
ROE 3.3%
PER 65.0倍
配当利回り 1.0%
総資産 15488百万円
純資産 14418百万円
自己資本比率 92.3%
BPS 1143.3円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2013.3 5997 921 951 527 42.2 9.75
2014.3 6418 1069 1107 694 55.6 15.0
2015.3 7402 1481 1534 973 77.9 20.0
2016.3 8382 1914 1954 1342 107.4 25.0
2017.3 8825 2013 2026 1420 113.6 40.0
2018.3 9767 2685 2733 1903 152.2 45.0
2019.3 10476 2879 2894 1970 157.6 45.0
2020.3 9531 2219 2231 1545 123.6 45.0
2021.3(予) 7400 800 800 480 38.4 25.0
2022.3(予) 8500 1200 1200 780 62.4 35.0

(2020.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014年10月に1:2、2017年1月に1:2の株式分割を実施。2016.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2014.3期は60周年記念配(5円相当)、2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/niltusinnkougu202008.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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