日進工具のニュース
~超硬小径エンドミルで業界No.1、高まる生産効率と新製品の寄与~
・今2019年3月期の1Qも好調なスタートを切った。1Qの経常利益は前年同期比+19.5%の増益となり、売上高経常利益率も29.0%を確保した。前2018年3月期の利益率は28.0%であったから、それを上回る高水準である。
・小径エンドミルに特化した経営戦略が効果的に成果に結びついている。今後とも、自動運転、ロボット、電子ユニット部品などの新しい分野において、精密微細加工はますます進展し、当社が得意とする市場は国内と共に、海外でもさらに拡大が見込めよう。
・新しい需要先として、自動運転に関わるセンサーやカメラ、FCVC(燃料電池車)では水素発電のためのセパレーター、意匠性の高いヘッドライトなどの金型の精密加工に当社の工具が使われていく。スマホや半導体関連でも多様化、大容量化で電子部品メーカー向けに需要が拡大している。IoT関連でも市場は広がってこよう。
・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。新しい分野の開拓では、顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。R&D投資に力を入れており、業界トップのCBN(立方晶窒化ホウ素)素材を利用した高付加価値エンドミルは、用途が広がって、順調に伸びている。次のPCD(ダイヤモンド焼結体)素材を利用したエンドミルも、鏡面加工の分野などで市場開拓が始まっている。
・メイド・イン・ジャパンの自社開発自動化機械による生産効率と、世界最先端を行く新製品が新しい市場を開拓している。R&Dの強化、生産能力の拡大に向け、仙台工場で大型投資を開始する。免震構造で先端を目指し、1棟10~20億円の新設備を準備する。小径エンドミルに特化する中で、高付加価値化、高効率化を進める。
・今2019年3月期の会社計画はやや慎重であるが、それを上回る方向でピーク利益の更新が続こう。原材料の値上げの影響を克服していく必要があり、来期は大型投資の償却負担も増えてくるが、フリーキャッシュ・フローが積み上がってくるので、継続的な増配が期待できよう。ニッチな市場で高収益を実現する企業として、株式市場での評価はさらに高まってこよう。
目 次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 さらなる小径化・長寿命化を進め、内外の新市場を開拓
4.当面の業績 難加工に適する新製品も寄与し、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 競争力の強化で先行し、高収益を継続
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (18年8月7日) |
2830円 |
時価総額 | 354億円 (12.5百万株) |
PBR | 2.91倍 |
ROE | 16.2% |
PER | 18.0倍 |
配当利回り | 1.6% |
総資産 | 13855百万円 |
純資産 | 12156百万円 |
自己資本比率 | 87.7% |
BPS | 972.3円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011.3 | 4977 | 794 | 834 | 426 | 37.4 | 6.25 |
2012.3 | 5781 | 962 | 1032 | 535 | 43.0 | 8.75 |
2013.3 | 5997 | 921 | 951 | 527 | 42.2 | 9.75 |
2014.3 | 6418 | 1069 | 1107 | 694 | 55.6 | 15.0 |
2015.3 | 7402 | 1481 | 1534 | 973 | 77.9 | 20.0 |
2016.3 | 8382 | 1914 | 1954 | 1342 | 107.4 | 25.0 |
2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 113.6 | 40.0 |
2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 152.2 | 45.0 |
2019.3(予) | 10800 | 2850 | 2880 | 1970 | 157.6 | 45.0 |
2020.3(予) | 11500 | 3100 | 3130 | 2140 | 171.2 | 50.0 |
(18.6ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2012年10月に1:2、2014年10月に1:2、2017年1月に1:2の株式分割を実施。2016.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2014.3期は60周年記念配(5円相当)、2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/niltusinnkougu201808.pdf
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