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イー・ガーディアンのニュース
―目先の波乱相場に流されない、材料性+成長期待の高い中小型株を厳選紹介―
●終日売買停止の後はトランプ・コロナショック
今週は名実ともに10月相場がスタート、いわゆる下期相場入りとなったわけだが、1日の東京株式市場は東証のシステムトラブルで予想だにしない“終日売買停止”という、ある意味波乱の展開で幕が上がった。しかし、週末2日の日経平均株価は気迷いながらも強含みで推移、小型材料株の宝庫であるマザーズ市場に至っては臆することなく上値を突き進み、18年3月中旬以来約2年半ぶりの高値圏に浮上した。
しかし、これも「後場中盤までは」という但し書きがつく。取引終盤の入り口となった午後2時前、米トランプ大統領が自身のツイッターで新型コロナウイルスに感染したことを明らかにしマーケットに衝撃を与えた。これは米大統領選まであと1ヵ月というタイミングでもあっただけに、ネガティブサプライズとなり得る。日経平均は午後1時55分頃から突如バランスを崩し一時2万3000円台を割り込む場面に遭遇、強調展開を極めていたマザーズ指数も急速に値を消しマイナス転換を強いられる形となった。米株価指数先物の急落と歩調を合わせ、日本株市場もまた下値模索の展開を余儀なくされた。
●第3次補正とスガノミクスがもたらすもの
ただし、全体指数は先物を絡めてアルゴリズム売買に振り回されている感が強く、これは必ずしも下落トレンドのへの転換を示唆するものではない。変化は株式市場に味方するケースが多い。買い手掛かり材料不足のはずの国内では、安倍前政権からバトンを引き継いだ菅新政権の発足に伴い、新たな政策への期待感がマーケットの活力となっている。そして、差し当たっては第3次補正予算編成への思惑が、東京市場の強気相場復活に向けた足掛かりとなっていく。
スガノミクスは今の段階では未知数ながら、「国策に売りなし」は株の黄金セオリーでもある。もちろん財政出動の大砲を轟かせただけでは終わらない。行政のデジタル化推進や規制改革の動きは、企業のダイナミズムを呼び起こす。まさに「森より木」、成長企業にとってはより実力を発揮しやすい舞台が作り出され、それを背景に今後目の覚めるような上昇パフォーマンスを演じる中小型株が相次ぐことになるだろう。
●マーケットで輝き放つ好業績7銘柄を追え
今回は、7つの業界から独特の光を携えた好業績株を1銘柄ずつ、計7銘柄選出。それぞれがコロナ禍で成長の果実を獲得するだけの理由がある。この秋相場はキャピタルゲインをつかみ取るチャンスだ。
【ドリコムはコロナ禍での四半期最高益光る】
ドリコム <3793> [東証M]は13週移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を形成。継続的な買いが流入するなか、年初につけた高値976円にチャレンジする場面が近く訪れそうだ。ゲームなどのスマートフォン向けコンテンツ提供を主力事業とし足もとの業績は極めて好調に推移している。「ぼくとドラゴン」「ダービースタリオンマスターズ」などが業績を押し上げているほか、共同運用の「魔界戦記ディスガイア」なども収益寄与している。他社ゲームタイトルも経年にもかかわらず好調。スマホゲームは巣ごもり消費特需の範疇には必ずしも含まれないが、コロナ禍でもマイナス影響を受けないことは確かで、イベントやレジャー施設、テーマパークといった分野とは風向きが違う。同社の4-6月期営業利益は前年同期比5倍近い驚異的な伸びで6億2300万円に達し、過去最高利益。21年3月期営業利益予想は未開示ながら前期比倍増の12~13億円が十分射程とみられる。
【総医研HDは対コロナや越境ECで存在感】
総医研ホールディングス <2385> [東証M]は3月中旬を境に戻り足を強めており、特に8月中旬以降の上昇波は鮮烈だ。株価は年初来高値圏を走るが、早晩18年3月の高値1011円を払拭して4ケタ大台での活躍が期待される。2004年には分割後修正値で6800円の最高値をつけるなど天井も高い。同社は大阪大学発のベンチャーで、健康補助食品や食品の機能評価試験受託事業を展開。欧米で新型コロナ感染が再拡大するなか、国内でも冬場にかけて警戒感が再び高まることが予想される。新型コロナ対策へのニーズとして、予防の観点から免疫力向上に関心が向くなか、同社はその一翼を担う企業として存在感を高めそうだ。化粧品は「モイストクリームマスクPro」などを中心に中国向け越境ECが好調で業績に寄与している。21年6月期はトップラインが前期比7%増収で100億円の大台乗せを見込み、営業利益は同24%増の13億円見通しと高成長を継続する。
【富士ソSBは官庁DX相場の最終ランナー】
富士ソフトサービスビューロ <6188> [東証2]はここ戻り足を強めているが500円近辺の時価水準は依然として出遅れ感が強く、ここからの上値余地の大きさが期待される。コールセンター事業や業務プロセスをまとめて受託するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業などで専門性の高さを発揮、トータル・アウトソーシング企業として業績成長路線に突入する可能性が高い。20年12月期は変則決算(9ヵ月決算)で前期との単純比較はできないが、コロナ禍のなか前年同期との比較ではほぼ同水準を確保できる見通し。BPO事業は金融業界向け案件が好調に推移している。21年12月期は官庁向けコールセンター案件やマイナンバー案件の上積みが見込まれ、利益成長トレンドが加速する公算大。官庁DX関連の最終ランナー的位置づけで変身期待を内包。同業態のキャリアリンク <6070> が好業績を背景に短期間で大相場に発展したことも思惑買いを誘導しやすい。
【プロパテDBは不動産テックで躍進へ】
プロパティデータバンク <4389> [東証M]は3月のコロナショックによる下げの“倍返し”となる大出直り相場を形成し、直近10月2日に上場来高値2380円まで駆け上がった。その後はやや調整を入れているものの、上値指向の強さをみせつけている。不動産運営管理ソフトをクラウドで提供するサービスを展開、特にJ-REIT向けで需要獲得が進んでいる。近年、不動産業界は業務効率化への取り組みでICT化が必須課題となっており、同社はその担い手として業績を大きく伸ばしている。今後は同社の不動産管理ソフトをBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と連携させ、画期的な効率化を実現させるサービスに期待が大きい。21年3月期は新型コロナによる逆風環境にもかかわらず、売上高は4期連続で2ケタ増収トレンドを継続する見通しで、営業利益は前期比16%増の3億7000万円を見込んでいるが、一段の上乗せ余地がある。
【アバントは連結会計ソフトで抜群の収益成長力】
アバント <3836> は7月下旬に急動意をみせた後、900円台後半から1100円のゾーンで往来を続けていたが、日足一目均衡表の雲抜けから上昇新波動に入る可能性がある。DX関連の穴株として注目され、昨年11月の上場来高値1248.5円(株式分割後修正値)の奪回も早晩視野に入りそうだ。目先の押し目形成場面は買い場提供と強気に構えたい。同社は連結経営・会計ソフトの開発やライセンス販売を手掛け、損益計算書などの作成支援ソフトで高い実績を持つ。財務情報だけでなく、企業活動情報の価値転換を図るというニーズに応え、高い専門性を武器にクオリティーの高いサービスを売り物とする。収益成長力は抜群で16年6月期以降、20年6月期まで5期連続で増収2ケタ増益を達成、21年6月期はコロナ禍の影響で伸び率こそ低下するが業績拡大基調を堅持する見通しにある。22年6月期は再び2ケタ成長路線に復帰する公算が大きい。
【santecは5G投資追い風に高値更新視野】
santec <6777> [JQ]はここ急速に切り返す動き。業績成長に陰りがなく、中期的にみて1月下旬の年初来高値2373円を通過点とするスケールの大きい相場が見込まれ、上昇一服場面は狙い目となる。光通信用デバイスと光測定器の製造販売を手掛けるが、5G基地局関連では北米向けを中心に独自技術を駆使した光パワーモニター、光フィルター、光可変減衰器などの部品が好調に推移し収益を押し上げている。また、中国向け光測定器も大幅な伸びを示している。世界の5G関連投資は2030年におよそ170兆円規模に拡大するとも試算されており、5G普及に伴う通信トラフィック量の増加は同社製品にも強い追い風となることが必至。20年4-6月期は営業利益が前年同期比2.3倍の5億5100万円と急拡大、21年3月期通期見通しも従来予想の9億5000万円から11億円(前期比18%増)に上方修正したが、進捗率から更なる増額も有力視される。
【イーガーディは動画投稿監視で成長継続】
イー・ガーディアン <6050> は5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現から上値指向を強めそうだ。日足一目均衡表も雲抜け目前でその前方は視界良好、ここは仕込みのタイミングとみたい。ネットセキュリティー事業を主力展開するが、人工知能(AI)を活用した投稿監視(ネットパトロール)のほか、広告審査代行や運用サポートなどで高水準の需要を捉えている。ネットパトロールでは、ここ急速に市場を拡大させている動画サービスに照準を合わせ、大型案件が収益に貢献しており、今後も動画監視特化型AIと人間の目視によるクオリティーの高いサービスで顧客ニーズを取り込んでいく構え。また、政府が推進するキャッシュレス決済でも、スマートフォン決済の本人認証などで実績を有している。収益高成長路線をまい進、20年9月期はトップラインが2ケタ成長を継続、営業利益は3%増の12億100万円を計画していたが上振れて着地した可能性がある。
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