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ZETAのニュース
■会社概要
1. 会社概要
サイジニア<6031>は、ブランドやリテーラー※1といったBtoC企業などのインターネット通販(EC)に対し、AI技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティング支援を行っている。事業領域は、DSP※2やターゲティング広告などネット広告サービス、サイト内検索やレコメンドなどCX※3改善サービス、ローカル検索最適化や店頭接客DX(Digital Transformation)などOMO※4推進サービスの3領域である。強みは、AIやビッグデータに関する技術ノウハウと開発力、EC全般に対応する一気通貫したデジタルマーケティングサービスなどにあり、顧客に有力小売企業が多いことや、小売にとって喫緊の課題であるOMOへの支援ができることを特長としている。現状、既存事業の収益改善やZETAの経営統合を機に、実質的に成長期入りしたと言うことができる。
※1 ブランドやリテーラー:ブランドは自社商品(ブランド)を中心に扱っている小売、リテーラーは他社商品も扱う小売またはマーケットプレイスを指す。前者の例はメーカーのDtoCやアパレル、SPA型小売、後者は品揃え型(編集型)小売やECモールなど。
※2 DSP(Demand-Side Platform):広告主側のプラットフォームで、広告主の費用対効果を高めるサービス。
※3 CX(Customer Experience):顧客体験。商品やサービスを顧客視点で評価すること。
※4 OMO(Online Merges with Offline):オンライン(EC)とオフライン(実店舗)を融合しユーザー中心の顧客体験を実現すること。
デクワスの子会社化、ZETAの経営統合など業容拡大中
2. 沿革
同社は2005年、北海道大学大学院情報科学研究科の准教授だった吉井伸一郎(よしいしんいちろう)氏によって創業された。2007年に小売ECサイトの売上を拡大するサービスとして、ビッグデータ解析技術を用いたレコメンデーションサービスを開始。その後、事業領域をネット広告分野に拡大、レコメンデーション型のリターゲティング広告や広告配信基盤であるDSP事業へと業容を広げた。2014年に東証マザーズに上場すると業容拡大のピッチを加速し、2018年にYextのパートナーとなってデジタルナレッジマネジメント事業を開始、2020年には京セラコミュニケーションシステム(株)と共同で進めていたDSP事業のKANADEを承継するためデクワスを子会社化してDSP開発・運営を譲り受けた。さらに、2021年にハイエンド向けCXソリューション等を提供するZETAを株式交換により完全子会社化※した。なお、2006年に山崎徳之(やまざきのりゆき)氏によって創業されたZETAは、ハイエンドのECサイト内検索や商品レビュー、OMOなどデジタルマーケティングソリューションに特長があり、営業利益で2億円~3億円を稼ぎ出す実力を持つ高収益企業である。同社は現在、吉井氏が代表取締役会長、山崎氏が取締役社長として共同で経営を行っている。
※ZETAの株式交換契約の効力発生日は2022年7月1日だが、決算月のズレ(ZETAは5月決算)を考慮して企業結合日を8月31日とし、損益計算書には2022年5月期第2四半期から取り込んでいる。
経営統合で中期成長を開始
3. 経営統合のメリットとデメリット
同社の沿革のなかでも大きな出来事がZETAの経営統合である。ビッグデータ解析や広告配信基盤に強みを持つ同社と、OMOなどデジタルマーケティングソリューションで実績のあるZETAは、ECサイト内検索連動広告やOMO領域で協業するためかねてより資本業務提携関係にあった。そのなかで、同社とZETAが持つ強みが補完関係にあること、共通の事業領域である小売のEC事業支援の成長ポテンシャルが非常に大きく、連携強化によって成長力が一層強まることがわかってきた。このため両社は経営統合に至ったのだが、すでに両社の経営体制を整備し、経営資源や技術開発力、ノウハウを集約しつつあり、クロスセルやアップセル、新規事業開発など広範囲にわたってシナジーが出始めている。これにより顧客基盤や事業領域の拡大が進み始め、事業として中期成長を開始したと見なせる動きになってきた。一方、業績的には、特別損失の発生や2023年6月期業績見通しにおける増益率の鈍化など経営統合の影響が生じている。後述するが、これは、のれん算出やZETA業績の季節性などによる一時的影響で、実態としては事業の成長とともに業績も非常に強い成長を開始したと言うことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
サイジニア<6031>は、ブランドやリテーラー※1といったBtoC企業などのインターネット通販(EC)に対し、AI技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティング支援を行っている。事業領域は、DSP※2やターゲティング広告などネット広告サービス、サイト内検索やレコメンドなどCX※3改善サービス、ローカル検索最適化や店頭接客DX(Digital Transformation)などOMO※4推進サービスの3領域である。強みは、AIやビッグデータに関する技術ノウハウと開発力、EC全般に対応する一気通貫したデジタルマーケティングサービスなどにあり、顧客に有力小売企業が多いことや、小売にとって喫緊の課題であるOMOへの支援ができることを特長としている。現状、既存事業の収益改善やZETAの経営統合を機に、実質的に成長期入りしたと言うことができる。
※1 ブランドやリテーラー:ブランドは自社商品(ブランド)を中心に扱っている小売、リテーラーは他社商品も扱う小売またはマーケットプレイスを指す。前者の例はメーカーのDtoCやアパレル、SPA型小売、後者は品揃え型(編集型)小売やECモールなど。
※2 DSP(Demand-Side Platform):広告主側のプラットフォームで、広告主の費用対効果を高めるサービス。
※3 CX(Customer Experience):顧客体験。商品やサービスを顧客視点で評価すること。
※4 OMO(Online Merges with Offline):オンライン(EC)とオフライン(実店舗)を融合しユーザー中心の顧客体験を実現すること。
デクワスの子会社化、ZETAの経営統合など業容拡大中
2. 沿革
同社は2005年、北海道大学大学院情報科学研究科の准教授だった吉井伸一郎(よしいしんいちろう)氏によって創業された。2007年に小売ECサイトの売上を拡大するサービスとして、ビッグデータ解析技術を用いたレコメンデーションサービスを開始。その後、事業領域をネット広告分野に拡大、レコメンデーション型のリターゲティング広告や広告配信基盤であるDSP事業へと業容を広げた。2014年に東証マザーズに上場すると業容拡大のピッチを加速し、2018年にYextのパートナーとなってデジタルナレッジマネジメント事業を開始、2020年には京セラコミュニケーションシステム(株)と共同で進めていたDSP事業のKANADEを承継するためデクワスを子会社化してDSP開発・運営を譲り受けた。さらに、2021年にハイエンド向けCXソリューション等を提供するZETAを株式交換により完全子会社化※した。なお、2006年に山崎徳之(やまざきのりゆき)氏によって創業されたZETAは、ハイエンドのECサイト内検索や商品レビュー、OMOなどデジタルマーケティングソリューションに特長があり、営業利益で2億円~3億円を稼ぎ出す実力を持つ高収益企業である。同社は現在、吉井氏が代表取締役会長、山崎氏が取締役社長として共同で経営を行っている。
※ZETAの株式交換契約の効力発生日は2022年7月1日だが、決算月のズレ(ZETAは5月決算)を考慮して企業結合日を8月31日とし、損益計算書には2022年5月期第2四半期から取り込んでいる。
経営統合で中期成長を開始
3. 経営統合のメリットとデメリット
同社の沿革のなかでも大きな出来事がZETAの経営統合である。ビッグデータ解析や広告配信基盤に強みを持つ同社と、OMOなどデジタルマーケティングソリューションで実績のあるZETAは、ECサイト内検索連動広告やOMO領域で協業するためかねてより資本業務提携関係にあった。そのなかで、同社とZETAが持つ強みが補完関係にあること、共通の事業領域である小売のEC事業支援の成長ポテンシャルが非常に大きく、連携強化によって成長力が一層強まることがわかってきた。このため両社は経営統合に至ったのだが、すでに両社の経営体制を整備し、経営資源や技術開発力、ノウハウを集約しつつあり、クロスセルやアップセル、新規事業開発など広範囲にわたってシナジーが出始めている。これにより顧客基盤や事業領域の拡大が進み始め、事業として中期成長を開始したと見なせる動きになってきた。一方、業績的には、特別損失の発生や2023年6月期業績見通しにおける増益率の鈍化など経営統合の影響が生じている。後述するが、これは、のれん算出やZETA業績の季節性などによる一時的影響で、実態としては事業の成長とともに業績も非常に強い成長を開始したと言うことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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