953円
東邦亜鉛のニュース
日経平均は反落。2.18円安の23514.41円(出来高概算3億8249万株)で前場の取引を終えている。
前週末23日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は28.09ドル安の28335.57ドル、ナスダックは42.28ポイント高の11548.28ポイントで取引を終了した。10月製造業PMI速報値の改善を好感し寄り付き後上昇した。しかし、経済対策を巡る交渉でムニューシン米財務長官が、前進はしたがペロシ議長の譲歩が得られず、「依然、著しい相違が残る」と述べ早期合意期待が後退し、下落に転じた。不透明感から引けにかけても軟調に推移。ナスダック総合指数は上昇した。
先週末の米国株式相場を受けた今日の東京株式市場は、寄り付き段階では売り買いが交錯し、日経平均は前週末比4円高で始まった。欧米での新型コロナ感染拡大への懸念や、来週に投票が迫った米大統領選の不透明感が上値抑制要因となる一方、村田製作所<6981>が21年3月期上半期(中間期)業績予想を上方修正したことを受け、今週から本格化する7-9月期決算に対する期待感が指摘され、また、今日召集される臨時国会での菅首相の所信表明演説に期待する向きもあり、強弱感が対立し、前場の日経平均は方向感のない推移となった。
個別では、21年3月期利益予想を下方修正した東京製鐵<5423>、割高感や材料出尽くし感で米系証券が格下げしたSGホールディングス<9143>、20年12月期業績予想を上方修正したが材料出尽くし感が台頭したセレス<3696>が下げた。
一方、フリーザーボックスの新規受注と国際協力機構の途上国での新型コロナ調査に同社製品が採択されたと発表したツインバード<6897>がストップ高買い気配となり、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを上方修正した東邦亜鉛<5707>、20年12月期業績予想と配当予想を上方修正したキヤノンMJ<8060>、21年3月期業績予想を上方修正した共和レザー<3553>、英政府が5Gインフラ整備で協業すると発表したと伝えられたNEC<6701>、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを上方修正した村田製作所<6981>が上げた。
セクターでは、鉄鋼、サービス業、証券商品先物、情報・通信業、空運業などが値下がり率上位。一方、建設業、電気機器、非鉄金属、鉱業、不動産業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の48%、対して値上がり銘柄は46%となっている。
今週から7-9月期決算発表が本格化する。温故知新。3カ月前の4-6期決算を少し振り返ってみる。7月30日付の当欄で書いた文章から引用すると、「4-6月期の低調な決算内容が嫌気され、日産自<7201>、キヤノン<7751>などが10%を超す下げとなった。」とある。チャートを見れば一目瞭然だが、4-6月期でさえない決算となった銘柄は今に至るまで、相場の蚊帳の外だ。キヤノンに至っては先週も年初来安値を更新する状況となっている。
7月30日付の当欄はこう続く。「一方、今週に入って予想を上回る決算を発表した日本電産<6594>は今日も年初来高値近辺で頑強な動きとなり、昨日業績予想を上方修正したアサヒHD<5857>は今日の前場に15%を超す上げとなった」。これもチャートをご覧いただいた方が早い。前述のさえない決算だった企業のチャートを逆さまにしたような形だ。日本電産は先週末に続き今日も年初来高値更新。アサヒHDもいつでも年初来高値を狙える位置にある。銘柄選択がいかに大事かがよくわかる株価推移だ。奇しくも今日はキヤノン、日本電産が四半期決算を発表する。7-9月に何か変化があったのか、注目したい。
今回、決算発表に臨むにあたっては、足元の業績も重要だが、それだけでは十分ではないかもしれない。大事なことは、「巣ごもり」や「非接触」などの追い風でたまたま好業績となっているのか、それとも、コロナ禍の中で次を見据えた経営を行った結果の好業績なのか。ここは7-9月期決算では選別される可能性もありそうだ。また、業績がさえない企業についても、コロナに手をこまねいているだけなのか、それとも、業績悪化に苦しむ中でも次への布石を打っているのか。投資家はそれを見抜かなければならない。7-9月期決算では、企業の業績や経営が引き続き厳しく問われると同時に、それを見抜く投資家の眼力も試されそうだ。この件、もう少し考えてみたいが、紙面の都合で次の機会に回す。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。米大統領選や米追加経済対策の不透明感はあるものの、上述のように村田製の上方修正で7-9月期決算に対する期待も高まりつつあり、前場も下げた場面ではすかさず押し目買いが見られた。
後場も下値があっても限定的だろう。
※10月14日付の当欄において、2016年の米大統領選の投票日を11月3日と書きましたが、正しくは11月8日です。訂正の上お詫び申し上げます。
(小山 眞一)
<AK>
前週末23日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は28.09ドル安の28335.57ドル、ナスダックは42.28ポイント高の11548.28ポイントで取引を終了した。10月製造業PMI速報値の改善を好感し寄り付き後上昇した。しかし、経済対策を巡る交渉でムニューシン米財務長官が、前進はしたがペロシ議長の譲歩が得られず、「依然、著しい相違が残る」と述べ早期合意期待が後退し、下落に転じた。不透明感から引けにかけても軟調に推移。ナスダック総合指数は上昇した。
先週末の米国株式相場を受けた今日の東京株式市場は、寄り付き段階では売り買いが交錯し、日経平均は前週末比4円高で始まった。欧米での新型コロナ感染拡大への懸念や、来週に投票が迫った米大統領選の不透明感が上値抑制要因となる一方、村田製作所<6981>が21年3月期上半期(中間期)業績予想を上方修正したことを受け、今週から本格化する7-9月期決算に対する期待感が指摘され、また、今日召集される臨時国会での菅首相の所信表明演説に期待する向きもあり、強弱感が対立し、前場の日経平均は方向感のない推移となった。
個別では、21年3月期利益予想を下方修正した東京製鐵<5423>、割高感や材料出尽くし感で米系証券が格下げしたSGホールディングス<9143>、20年12月期業績予想を上方修正したが材料出尽くし感が台頭したセレス<3696>が下げた。
一方、フリーザーボックスの新規受注と国際協力機構の途上国での新型コロナ調査に同社製品が採択されたと発表したツインバード<6897>がストップ高買い気配となり、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを上方修正した東邦亜鉛<5707>、20年12月期業績予想と配当予想を上方修正したキヤノンMJ<8060>、21年3月期業績予想を上方修正した共和レザー<3553>、英政府が5Gインフラ整備で協業すると発表したと伝えられたNEC<6701>、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを上方修正した村田製作所<6981>が上げた。
セクターでは、鉄鋼、サービス業、証券商品先物、情報・通信業、空運業などが値下がり率上位。一方、建設業、電気機器、非鉄金属、鉱業、不動産業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の48%、対して値上がり銘柄は46%となっている。
今週から7-9月期決算発表が本格化する。温故知新。3カ月前の4-6期決算を少し振り返ってみる。7月30日付の当欄で書いた文章から引用すると、「4-6月期の低調な決算内容が嫌気され、日産自<7201>、キヤノン<7751>などが10%を超す下げとなった。」とある。チャートを見れば一目瞭然だが、4-6月期でさえない決算となった銘柄は今に至るまで、相場の蚊帳の外だ。キヤノンに至っては先週も年初来安値を更新する状況となっている。
7月30日付の当欄はこう続く。「一方、今週に入って予想を上回る決算を発表した日本電産<6594>は今日も年初来高値近辺で頑強な動きとなり、昨日業績予想を上方修正したアサヒHD<5857>は今日の前場に15%を超す上げとなった」。これもチャートをご覧いただいた方が早い。前述のさえない決算だった企業のチャートを逆さまにしたような形だ。日本電産は先週末に続き今日も年初来高値更新。アサヒHDもいつでも年初来高値を狙える位置にある。銘柄選択がいかに大事かがよくわかる株価推移だ。奇しくも今日はキヤノン、日本電産が四半期決算を発表する。7-9月に何か変化があったのか、注目したい。
今回、決算発表に臨むにあたっては、足元の業績も重要だが、それだけでは十分ではないかもしれない。大事なことは、「巣ごもり」や「非接触」などの追い風でたまたま好業績となっているのか、それとも、コロナ禍の中で次を見据えた経営を行った結果の好業績なのか。ここは7-9月期決算では選別される可能性もありそうだ。また、業績がさえない企業についても、コロナに手をこまねいているだけなのか、それとも、業績悪化に苦しむ中でも次への布石を打っているのか。投資家はそれを見抜かなければならない。7-9月期決算では、企業の業績や経営が引き続き厳しく問われると同時に、それを見抜く投資家の眼力も試されそうだ。この件、もう少し考えてみたいが、紙面の都合で次の機会に回す。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。米大統領選や米追加経済対策の不透明感はあるものの、上述のように村田製の上方修正で7-9月期決算に対する期待も高まりつつあり、前場も下げた場面ではすかさず押し目買いが見られた。
後場も下値があっても限定的だろう。
※10月14日付の当欄において、2016年の米大統領選の投票日を11月3日と書きましたが、正しくは11月8日です。訂正の上お詫び申し上げます。
(小山 眞一)
<AK>
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