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プロディライト Research Memo(4):「電話のDX」の中心クラウドPBX「INNOVERA」

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/04 13:54
*13:54JST プロディライト Research Memo(4):「電話のDX」の中心クラウドPBX「INNOVERA」 ■事業概要

2. サービス内容
(1) システムサービス
プロディライト<5580>は、技術革新における大きなパラダイムシフトの1つであるクラウド技術をPBXに応用し、独自開発のクラウドPBX「INNOVERA」を開発、顧客に提供している。従来の固定電話におけるPBXや端末による場所の占有やメンテナンスといった制約がなくなるなど電話のあり方を根本から変えるシステムのため、顧客は様々なメリットを享受することができるようになった。

メリットとしてはまず、03や06、0120といった発着信や内線通話などの固定電機能を、場所を問わずスマートフォンやPCで使うことができることだ。固定電話など従来の電話システムの弱点であった架電場所の制約をなくしたため、テレワークやフリーアドレス化などオフィスの働き方改革を支援することができる。クラウドなので導入する際に機器を必要としないため、設置や運用、メンテナンスといった手間をかけずに常に最新の状態で利用できるうえ、電話交換機を設置する場所がいらないので省スペースでもある。発着信や内線番号、自動音声応答の設定など電話環境の変更が必要な場合、従来のPBXでは専門家による現地での作業のみならず専門技術・知識が必要だったが、それも不要で、Webブラウザから容易に設定を変更することができる。もちろん従来のPBXのような機械的な故障がないので、現場での修理作業も不要である。

さらに、全通話録音、段階着信ガイダンス設定、AIによる通話のテキスト化など機能の追加を容易に行えるうえ、他サービスとのAPI(Application Programming Interface)連携など高い拡張性がある。このような拡張オプション機能の1つに「INNOVERA Outbound」があり、発信から情報入力・確定まで一連のコールワークを、単純明快な架電画面をマウス1つで完結させることが可能となっている。このため、PC操作が苦手なオペレーターでも簡単に操作することができ、コールセンターでは誰でも即戦力とすることができる。後述する同社独自の電話回線「IP-Line」を利用することで、主要都市を含め約40種類の市外局番を利用することができるうえ、電話番号をそのまま固定回線からIP回線へと移行することもできる。もちろん新たな番号も取得することができる。どのシステムとも幅広く連携できるため、現在利用中の外部システムをAPIでつなぐことで、効果的に外部システムを活用できるうえ、自社サービスの拡張も図ることができる。なお、API連携では、Salesforce及びkintoneという2大営業支援システムとの連携が可能となっている。また、AI技術を使ったオプションサービスの提供も開始しており、通話内容をテキストで届ける「目で聴く」電話「Speech Posting」や、ワークマネジメントソリューション「INNOVERA Emotion」を提供している。

(2) 回線サービス
同社は、電気通信事業を展開するアルテリア・ネットワークス(株)※と提携した回線「IP-Line」の提供など、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容可能なIP電話回線サービスを展開している。従来の電話では開設時に屋外から屋内へ電話回線を引く必要があったが、「IP-Line」では、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容することでインターネットを介して音声通話を行うことができるため、電話回線の設置が不要となっている。このように物理的な電話回線がいらないことから、インターネットがつながっていれば災害時でも電話の利用が可能であり、企業のBCP対策としても有効と言うことができる。

丸紅<8002>及びセコム<9735>の公開買付により、2023年10月18日に上場廃止した。


「IP-Line」の特徴は、同社独自のIP電話回線にあり、インターネットを用いるため市内や市外という区別がなく、全国一律の料金で通話が可能となっている点にある。「IP-Line」のメリットは、番号の提供エリアが東京03・大阪06だけでなく全国主要都市の市外局番をカバーしている点※1にあり、他社で全国カバーをしていないため断念したクラウドPBXの導入も実現可能な場合がある。また、今使っている電話番号を変えずに、固定電話回線からIP電話回線へ移行することができる※2。日本の通話のおよそ4分の1が90秒以内に終了していると言われる一方で、一般的なIP電話回線はつながっただけで180秒分の通話料が発生することが多いが、「IP-Line」では他社にない「90秒課金」を採用している。理論上、同社に切り替えるだけで最大42.5%の通話料削減が見込まれる。「IP電話は音質が悪い」というイメージがあるが、「IP-Line」は64kbpsという低圧縮の音声通話を実現、固定電話に匹敵するクリアな音声を提供している※3。国際電話にも対応しており、発着信を行える国・地域を限定しているため安心して利用できるうえ、業界トップクラスの安さを実現している。発信者の通話料負担がない着信課金番号である0120/0800が使える「Free-ProLine」も用意している。

※1 一部に提供エリア外の番号がある。
※2 一部に提供できないエリアもある。
※3 通信環境により異なる。


(3) 端末販売
同社は、クラウドPBXと組み合わせてインターネット環境下で利用可能なSIP電話機を販売している。世界トップのSIP電話プロバイダーである中国Yealinkとの間で、日本におけるSIP電話機の総代理店契約を締結し、販売やサポート、日本語ファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発と運用を担っている。Yealinkの高い技術力と品質管理を背景としたSIP電話機は、製品不良率や静電気対応、落雷対応などに優れているうえ、Microsoft Teamsと連携できるため、欧州を中心に広く世界各地で利用されている。「INNOVERA」以外の他社製クラウドPBXでも使用可能なため、端末単独での販売も行っている。ただし、今後はアプリの導入によって、個人所有のスマートフォンの利用を図っていく考えである。ほかに、4K表示で1,200万画素カメラや高機能スピーカーを搭載するWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」の販売も行っている。「MAXHUB」はプレゼンテーション機能やホワイトボード機能、Web会議機能を有しているため、様々な会議を効率的に運営することが可能である。さらに、ビジネスシーンのみならず、電子黒板として教育現場への導入も進んでおり、教育のIT化の一翼も担っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ
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