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*14:11JST 橋本総業HD Research Memo(1):2024年3月期は過去最高業績に向け順調な進捗
■要約
1. 会社概要
橋本総業ホールディングス<7570>は管工機材・住宅設備機器の1次卸で、管材や衛生陶器、空調機器など建築資材を全国の2次卸や工事店などに販売している。同社は130年超という歴史のある老舗で、四代目の現 代表取締役社長橋本政昭(はしもとまさあき)氏は「ベストパートナー」をテーマに、メーカーや販売先など取引先の満足度向上や地域に密着した営業、最新システムの活用を積極的に推進している。仕入先は大手有力メーカーが多く、なかでもTOTO<5332>の仕入高構成比は約30%を占める。各拠点ほか主要倉庫に売れ筋を常時在庫していることが特長で、一部エリアでは当日配送も行っている。2023年3月期のセグメント別売上高構成比は、管材類28.9%、衛生陶器・金具類29.5%、住宅設備機器類18.2%、空調機器・ポンプ22.2%であった。
2. 事業概要
同社が属する建設業界の市場規模は、新築・リフォームを合わせ70.5兆円、GDPの約10%を占める。このうち同社の主要カテゴリーである管材業界※の市場規模は、管工機材・住設機器・空調機器を合わせて約5兆円と大きい。国内ではインフレや少子高齢化といった課題があるものの、足元の住宅メーカーの受注やマンション販売が堅調なほか、共働き世帯の増加に伴う保育施設や高齢化に伴う高齢者施設の増加、老朽化が課題となっている公共施設のリニューアルなど需要は拡大しており、中長期的に収益性、成長性ともに堅実な市場と言える。以上のような業界環境のなかで同社は、管材から環境・設備機材へ、さらには建材や電材、土木、海外、新規分野などへと事業領域を拡大する考えである。
※管材業界:建築資材業界における主要3業態の1つで、主に水回りの資材や機器を扱っている。他の2業態は合板や構造材を扱う建材業界、配電盤やテレビ用アンテナなどを扱う電材業界である。
3. 中期経営計画
同社は「設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する」という企業理念のもと、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」という「3つのベスト」を追求している。同社は、これらを実現するため、中期経営計画「みらいプラン2025」を策定した。成長戦略としての「3つのフル」、ネットワーク戦略としての「みらい活動」、生産性向上のための「進化活動」、社会と共生するための「ESG活動」を通じて、2026年3月期に売上高1,650億円、経常利益率3%以上、純資産330億円、長期計画として2031年3月期に売上高2,000億円、経常利益100億円以上を目指している。
4. 業績動向
2023年3月期の営業利益は2,807百万円(前期比12.1%増)と好調だった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で滞っていた商品供給が潤沢になるなか、価格改定や仕入・販売価格のコントロール、重点商品の販売が奏功したと思われる。2024年3月期の営業利益について、同社は3,000百万円(同6.9%増)を見込んでいる。引き続きシェアアップや地域密着型営業に取り組むとともに、仕入・販売価格の管理強化やコスト削減を進める予定である。2024年3月期第1四半期は、営業利益が370百万円(前年同期比10.9%減)と減益となった。イベントがコロナ禍前の水準に戻ったことやベースアップなど先行的に販管費が増えたことが要因だが、これは想定どおりで、第2四半期以降に取り戻す計画になっている。通期増益に向けて順調に進捗していると言える。
■Key Points
・130年超の歴史を誇る管工機材・住宅設備機器の1次卸。事業領域の拡大を目指している
・中期経営計画において2026年3月期に売上高1,650億円、経常利益率3%以上を目指す
・2024年3月期第1四半期は減益だがコスト先行が要因、通期増益へ向けて進捗は順調
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
1. 会社概要
橋本総業ホールディングス<7570>は管工機材・住宅設備機器の1次卸で、管材や衛生陶器、空調機器など建築資材を全国の2次卸や工事店などに販売している。同社は130年超という歴史のある老舗で、四代目の現 代表取締役社長橋本政昭(はしもとまさあき)氏は「ベストパートナー」をテーマに、メーカーや販売先など取引先の満足度向上や地域に密着した営業、最新システムの活用を積極的に推進している。仕入先は大手有力メーカーが多く、なかでもTOTO<5332>の仕入高構成比は約30%を占める。各拠点ほか主要倉庫に売れ筋を常時在庫していることが特長で、一部エリアでは当日配送も行っている。2023年3月期のセグメント別売上高構成比は、管材類28.9%、衛生陶器・金具類29.5%、住宅設備機器類18.2%、空調機器・ポンプ22.2%であった。
2. 事業概要
同社が属する建設業界の市場規模は、新築・リフォームを合わせ70.5兆円、GDPの約10%を占める。このうち同社の主要カテゴリーである管材業界※の市場規模は、管工機材・住設機器・空調機器を合わせて約5兆円と大きい。国内ではインフレや少子高齢化といった課題があるものの、足元の住宅メーカーの受注やマンション販売が堅調なほか、共働き世帯の増加に伴う保育施設や高齢化に伴う高齢者施設の増加、老朽化が課題となっている公共施設のリニューアルなど需要は拡大しており、中長期的に収益性、成長性ともに堅実な市場と言える。以上のような業界環境のなかで同社は、管材から環境・設備機材へ、さらには建材や電材、土木、海外、新規分野などへと事業領域を拡大する考えである。
※管材業界:建築資材業界における主要3業態の1つで、主に水回りの資材や機器を扱っている。他の2業態は合板や構造材を扱う建材業界、配電盤やテレビ用アンテナなどを扱う電材業界である。
3. 中期経営計画
同社は「設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する」という企業理念のもと、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」という「3つのベスト」を追求している。同社は、これらを実現するため、中期経営計画「みらいプラン2025」を策定した。成長戦略としての「3つのフル」、ネットワーク戦略としての「みらい活動」、生産性向上のための「進化活動」、社会と共生するための「ESG活動」を通じて、2026年3月期に売上高1,650億円、経常利益率3%以上、純資産330億円、長期計画として2031年3月期に売上高2,000億円、経常利益100億円以上を目指している。
4. 業績動向
2023年3月期の営業利益は2,807百万円(前期比12.1%増)と好調だった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で滞っていた商品供給が潤沢になるなか、価格改定や仕入・販売価格のコントロール、重点商品の販売が奏功したと思われる。2024年3月期の営業利益について、同社は3,000百万円(同6.9%増)を見込んでいる。引き続きシェアアップや地域密着型営業に取り組むとともに、仕入・販売価格の管理強化やコスト削減を進める予定である。2024年3月期第1四半期は、営業利益が370百万円(前年同期比10.9%減)と減益となった。イベントがコロナ禍前の水準に戻ったことやベースアップなど先行的に販管費が増えたことが要因だが、これは想定どおりで、第2四半期以降に取り戻す計画になっている。通期増益に向けて順調に進捗していると言える。
■Key Points
・130年超の歴史を誇る管工機材・住宅設備機器の1次卸。事業領域の拡大を目指している
・中期経営計画において2026年3月期に売上高1,650億円、経常利益率3%以上を目指す
・2024年3月期第1四半期は減益だがコスト先行が要因、通期増益へ向けて進捗は順調
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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