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―業績増額修正が相次ぎ割安感顕著、世界規模での高シェア誇る企業に存在感―
3月期決算企業の中間決算発表シーズンは15日でほぼ終了した。市場には、「堅調な業績の発表が多かった」と前向きに評価する声は少なくなく、年末相場に向けた期待が膨らんでいる。とりわけ、「半導体」や「5G」、「電気自動車(EV)」などに絡む関連企業には、好業績を発表する企業が相次いでいる。そんななか、半導体や5G関連などの見落とされがちな好業績割安株として注目を集めているのが、独自のニッチ分野で確固たる地位を占める中小型化学株だ。
●大手化学株は石化市況の上昇が追い風に
コロナ禍からの景気回復に向けて、日本企業の業績復活期待が高まっている。そんな業績回復機運に乗るセクターのひとつが 化学株だ。化学大手の三井化学 <4183> や三菱ケミカルホールディングス <4188> 、住友化学 <4005> 、東ソー <4042> などの企業は中間決算で軒並み業績の増額修正に踏み切った。プラスチック原料やアクリル樹脂原料といった石化市況が上昇するなか、例えば三井化学の22年3月期業績は最高益が予想されるなど収益は高水準だ。
●やや地味で目立ちにくい分だけ割安感顕著に
化学セクターの株価も底堅く、業種別株価指数で「化学」は1年前から約10%上昇している。とりわけ、化学株のなかでも投資妙味が膨らむのは半導体や5G、EVなど成長分野の関連部材などで独自の分野に強みを持つ銘柄だ。例えばデクセリアルズ <4980> は、今月に入り22年3月期業績の増額修正や増配を発表したことが好感され、株価は一気に上場来高値を更新した。スマートフォンやテレビのディスプレーとフレキシブルプリント回路の接続などに使う導電性膜である「異方性導電膜」やリチウムイオン2次電池向け表面実装型ヒューズなどが好調だ。
また、大阪有機化学工業 <4187> は半導体に使われるモノマーで世界的高シェアを誇り、21年11月期の連結営業利益は前期比30.6%増の58億円と前期に続き最高益の見通し。今期で7期連続増配が見込まれ、株価も上場来高値圏で堅調に推移している。
化学株は、電機セクターなどのハイテク株に比べ、やや地味で目立ちにくい側面があることは否定しづらい。しかし、逆にその性格が株価の割安さを生んでいる。そこで、以下、化学株で高成長が期待できる有望割安株を紹介したい。
●メック、JCU、扶桑化学、KHネオケムなど注目
メック <4971> ~半導体を搭載するパッケージ基板向け超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」などが好調。今月には、今期3回目となる21年12月期業績予想の増額修正を行った。連結営業利益は37億5000万円(前期比58.2%増)と最高益更新の見込み。株価は9月につけた最高値3890円更新に迫る。
JCU <4975> ~配線板の回路設計で使うめっきの添加剤などを製造。特に、5Gなどでは半導体パッケージ基板に対する品質要求は一段と高まり、銅めっきは隙間なく密着することなどが求められるため、添加剤も高品質な製品が必要とされる。22年3月期の連結純利益は59億円(同25.3%増)と3期ぶり最高益の予想。
扶桑化学工業 <4368> ~同社の超高純度コロイダルシリカは、半導体に使われるシリコンウエハーの研磨材の主原料としてトップシェアを誇る。リンゴ酸の輸出も順調。8月に業績を増額修正し最高益更新へ。株価は9月の最高値視野の展開。
堺化学工業 <4078> ~酸化チタン大手。積層セラミックコンデンサー向け誘電体や誘電体材料が車載用途向けや通信機器関連向けに好調。22年3月期業績予想を増額修正し、連結営業利益は前期比62.6%増の70億円に。酸化チタンも順調。株価は今期予想連結PER7倍近辺、配当利回りは3%台。
KHネオケム <4189> ~基礎化学品の溶剤や可塑剤原料、機能性材料の冷凍機油原料などの販売数量が増加。これを受け、11月に3回目の増額修正を発表。21年12月期連結営業利益は185億円と4期ぶり最高益に。株価は連結PER9倍台と見直し余地。
太陽ホールディングス <4626> ~プリント配線板に欠かせないソルダーレジストの世界トップ企業。パソコンやサーバー用半導体メモリー向け製品の需要が好調。医療・医薬品事業も堅調。11月に業績増額修正を行い最高益更新の見込み。
株探ニュース
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